今日は近くに住む幼馴染みと映画を観に行く約束をしております。

 東京メトロ・東西線、最寄り駅の改札口で待ち合わせ。

 フラフラと階段を下りてきた幼馴染み…階段を下りながらバッグの中のスイカを探している様子。

「危ないねぇ~」…あのまま階段を踏み外したら…見なかったことにして先に映画館へ行っちゃおう!

 わたくしたち前期高齢者は、何かをしながら他の事をすると、どっちかに気を取られロクなことになりかねません。

「おまたぁ~」

 無事に階段を下りて来た幼馴染み、さっさと改札口でスイカを通しております。

「ピッ!」…表示されたスイカの金額を見て、わたくし・のけ反っちゃった!

「あーた!スイカに16500円も入れてんの?」

「そうよ。お財布落とした時に困るからってパパに言われてんの」

「…スイカ落としたら?」

「…泣くしかないね!」

 まぁ~今の時代は自動販売機もコンビニでも、タクシーだろうとどこでも使えますからね、物は考えようですな。

  

 東西線から銀座線に乗り換えやって来た丸の内TОEI映画館!

午前10時20分にチケット売り場に着いたのですが、まだ売り場のシャッターが閉まっておりました。

 シャッターには「午前10時30分より販売いたします。並んでお待ちください」と書いた紙が貼られています。

 映画の開演は11時です。

 並んでいるのは…わたくしたちのみ…「なんかサ、淋しくない?詰まらん映画なのかな?」

「あーたが観たいって言ったから付き合ったんだよ!他の映画にする?」

「いんや!あきらが江口のりこが主演だから、ぜったい面白いと思うよって勧めてくれたのよ」

 あきらくん…幼馴染みのひとり息子であります。

「あいつ、江口のりこのファンなの?」

「私がファンなのよ。いつも不愛想な顔して面白いじゃない」

 チケットは選び放題…と思っていたらネット予約のお客さんでけっこう席が埋まっておりました。

 ゴールデンウィークの中休みだと思っていたのに密かな人気を得ているようです。

「あまろっく」ってどんな意味なんだろうかと思っていたら、兵庫県尼崎にある巨大な閘門(こうもん)で、水害から尼崎を守っている水門のことでありました、通称が「あまろっく」とのこと。

 舞台は尼崎の小さな町工場。

 京都大学を卒業して就職したのに理不尽なリストラで失業した優子…39歳でニート暮らしをしています。

 そこへ町工場の社長である父親(笑福亭鶴瓶)・65歳が20歳の女性と再婚すると言う!

 20歳の義母・早希(中条あやみ)と優子…価値観が違い過ぎて噛み合わない共同生活が始まりますが、優子にとっては家族にはほど遠い暮らしとなりました。

 ところが…ひと月後、父親は急死してしまい、義母のお腹には弟妹がいることがわかります。

 さぁ~その間に優子の結婚話も持ち上がり、工場の後始末やらですったもんだの展開となります!

 鶴瓶さんの息子・駿河太郎さんも出演、ちょっとの間でしたが高畑淳子さんも顔を出し、大笑い!

 さぁ~赤ん坊はどうするのか?優子の結婚はどうなるのか?工場を畳んで暮らしていけるのか?

 どれもこれも観ている側にとっては意外な展開に…関西のお笑いにグッとくる場面もあって、見応えがありました。

 

 映画館を出たのが13時チョィ過ぎ、銀座ですからね、観終わったあとのランチは選び放題です。

 幼馴染みが行きたいと言っていた東映のちょうど裏側になる銀座・無印良品、地下1階にあるイタリア料理「MUJI Diner(ムジ・ダイナー)」に決めました。

 決めたのはいいのですが、メニュー選びがこれまた大変!

 テーブルにあるQRコードをスマホで撮影、スマホに移った画面から注文すると言う、われわれネットやパソコンに弱いふたりにとって苦行でございました。

「もう注文諦めて、別の店に行こう!」

「もう水がぶ飲みしちゃったわよ」

 老眼鏡を掛けて「あぁでもない!こうでもない!」とおでこを付き合わせて頼んだのはパスタコースでこちら!

 先ずは山盛りのサラダが置かれました。

 次にミネストローネのカップスープ。

 サラダも新鮮、スープも具沢山で美味しい!

 

「なんだか判んなくて注文したけどサ、今のところは外れなしだね」

「うん!地中海料理って書いてあった。ここね、去年の夏まではね、無印食堂だったのよ。酢豚とか生姜焼きとかね。それが9月にリニューアルオープンしてイタリアのローカルフードを使ったお店になったって聞いたから、1度来たかったんだ。こんなに注文が七面倒だとは思わなかったけどね」

わたくしはシラスと春キャベツのペペロンチーノのパスタ、幼馴染みは「トマト味のコレ」と指さしたパスタ…「えっ?これってマカロニじゃん!ガクッ!」

 長かろうと短かろうとパスタに違いはありません。

「あっ!美味しいわぁ~」

「この間亡くなった佐川満男が職人として出てたね。すっごい元気そうだったけど、人間っていつ死ぬか分からんもんだね」

「そうだねぇ~歌手から役者へと変わったけど、けっこう上手い俳優さんになったよね。ヒゲが良く似合ってたね」 

 地下1階ですでに14時近くになっているのに、外国人観光客の方たちでしょうか?

 いつの間にか周りの席は欧米人の方々でいっぱい…囲まれてしまいました。

 みなさん、スィスィとスマホで注文を済ませておりました。

 パスタも食べ終わったし…コーヒーが付いているコースなのかも判らずにいたら…もう一皿テーブルに置かれてビックリ!

「別の席のじゃないの?」

「間違ったらその時はその時だ!食べちゃえ!」

 鯛のポワレでしょうか?

 ちょっと甘めのソースがふんわりした鯛の身に絡まって絶品でした。

「これで2800円ってお得じゃない?」

 確かに…地中海料理を堪能いたしました!

 さすがにコーヒーは付いてませんでしたが、もうお腹いっぱい!

 何が出てくるか判らないメニューでしたが、これはこれで楽しかったです。

「今度はサ、ユニクロの7階にできた「くら寿司」に行こうよ」

 コロナ禍でちょっと元気がなくなっちゃった幼馴染み、ようやく食欲も戻って外出も億劫ではなくなった様子。

 そう言えば…ほっぺが少~しふっくらとしてきたように思います。

 もうね、映画でもレストランでもどこへでもお供しますよ!

 だから、お互い元気でいようね。