友人から久しぶりに映画の誘いがありまして、わたくし大ファンのピーター・ディンクレイジ主演と言うことで、すぐに「行く!」と返事を致しました。

「あのアン・ハサウェイとピーターが夫婦役ってところが面白いと思わない?」

 これは楽しみといそいそと有楽町駅前にあるイトシアビル4階にあるヒューマントラストシネマ有楽町」に出掛けて参りました。

 友人とはカウンター前で待ち合わせ…チケットは友人がネットから取ってくれています。

「ここ!ここ!けっこう満席に近いよ。やっぱりあちこちの映画祭に出品してる作品だからね、知名度はあるみたいよ。後ろの席の方が観やすいと思って一番後ろにしたよ」

「ありがと!楽しみだわ。それより元気にしてた?」

「元気元気!5月から始まるオープンカレッジも通うしね。あーたも手続き済ませた?」

「うん!月一の講座だから気が楽だよね」

 それぞれの近況を話しているうちに開場案内のアナウンスがありました。

 開演10分前から開場が始まります。

 トイレを済ませて席に戻ったら、友人がコーヒーを買って来てくれていました。 

 ここヒューマントラスト有楽町の飲み物は、とても美味しいんです。

 今日、鑑賞する映画はこちら…『ブルックリンでオペラを(原題・SHE CAME TО ME)』

 ポスター写真に写っている真ん中がピーター・ディンクレイジ(ゴールデングローブ賞受賞)右の女性はアン・ハサウェイ(アカデミー賞受賞)、左がマリサ・トメイ(アカデミー賞受賞)と華やかな出演者であります。

 物語の舞台はもちろんニューヨーク・ブルックリン!

 人生最大のスランプに陥っているオペラ作曲家・スティーブンと潔癖症で掃除好きな精神科医・パトシリアの夫婦…ある日、当てのない犬の散歩に出たスティーブンは運命の女性と出会いをし、そのおかげでオペラを書き上げることができ、それは大評判となります…が、出会った女性は引き船の船長をしているカトリーヌと言う恋愛依存症の女性であった!

 ひと目でスティーブンに恋をしてしまったカトリーヌはスティーブンの妻とは知らず精神科に通うが…人生は想定外の出来事で囲まれているようなもの!

 カルメン・ハバネラの曲で始まる映画はロマンチックコメディなのに格調高い出だしとなっています。

 ピーター・ディンクレイジは小人症で身長は135センチ…現在は54歳だそうですが、なかなかに味わいのある深いまなざしを投げかけて参ります。

 友人とラーメンを啜りながら映画談義を…「私サ、実を言うとね映画よりも主題曲が聴きたくて誘ったのよ」

 エンディング・クレジットが始まった時、友人は盛んにわたくしの二の腕や肘を突つくので、顔を見ると顎をツンツンと突き出しております。

 わたくしエンディングロールをしっかりと観ているうちにハッと気が付きました!

「えっ?この曲って…もしかしたら、この歌声ってブルース・スプリングスティーン?」

 隣とは言え話しかけることも憚られ、そのままじっくりと聴いておりました。

「あれってブルース・スプリングスティーンだよね?」

「そうなのよぉ!あの映画のための書き下ろしなの!監督のレベッカ・ミラーってすごいスプリングスティーンのファンなのね、それで頼んだらしいの。バラード調で良かったよねぇ~」

「静かなだけどじんわりと胸にくる曲だった!」

「プローモーションビデオも水中の泡だけなんだけど、これがまた良いの。奥さんのパティ・スキャㇽファとのリリースで良かったよ。映画のオリジナル曲だし、CD買おうかなと思ってるんだ。買ったらダビングしてあげるわよ」

「頼む!タイトルは何んて言うの?」

「Addicted to Romance(アデックティド・トゥー・ロマンス)」ゴールデングローブ賞歌曲賞にノミネートされてんのよ!」

「娘の何んとかスプリングスティーンって、2020東京オリンピック馬術選手として活躍して、確かメダルか何か取ったんだんだよね?」

「ジェシカ・スプリングスティーン!メダルか何かって…銀メダル!すごいよね」

 なんですか…映画よりもロックシンガーのブルース・スプリングスティーンの話に夢中になってしまいました。

 そのブルースも今年で74歳…元気で活動していると聞きますと、ファンのひとりとして嬉しく思います。

 映画もぜひご覧になって下さいませ…エンディング・ロールにかかる曲もぜひ!