初夏の花の代表のひとつとされるハナミズキが満開を迎えております。

生憎の雨と思われますが、意外や意外…雨がとても似合っているように思います。

花言葉としては珍しい「返礼」…もうひとつが「私の想いを受け止めてください」となっています。

それはそれは昔のお話で、わたくしは学校の授業で習った覚えがあるのですが、1912年・日米友好のために日本政府からワシントンⅮⅭに贈った桜・ソメイヨシノ。

その返礼として、その3年後に東京市に北米原産のハナミズキが贈られたと教科書に記されていました。

植物学ではアメリカヤマボウシに分類されるそうですが、贈られたのはピンクではなく純白のハナミズキだったそうです。

でも…雨に濡れたこのピンクの花びらの何んとも美しいこと! 

わずか20本ほどの並木道ではありますが、雨の中でもほんのりと色づいた街を歩く楽しみを味わうことができました。

  

予約しておいた本が用意できたとのメールが来ましたので図書館に取りに行って参りました。

高山真(たかやままこと)・著『エゴイスト』…今年2月に公開された同名映画「エゴイスト」の原作本となります。

この方の作家としてのペンネームは浅田マコト。

2012年に自伝的小説として発表した作品が、この「エゴイスト」であります。

物語は14歳で母親を病気で亡くした斎藤浩輔は同性愛者である本当の自分を押し殺しながら思春期を過ごし、大人になって柵(しがらみ)のない東京で解放感に満ちた日々を送っていました。

30代半ばになってひとりのパーソナルトレーナー・龍太と出会い、彼との満たされた暮らしは心の安定させ、龍太の母親との交流に亡くなった実母への想いをも重ねていた浩輔でありましたが…突然、龍太の急死によって愛する人と別れ、浩輔は打ちのめされてしまいます。

自伝的小説でありますから、斎藤浩輔の名でありながらも高山真自身の生い立ち、運命の人との鮮烈な出会い、そして予期せぬ別れが淡々と描かれておりました。

高山真は2020年に50歳で死去。

その没後から1年、高山自身の愛の形を描いた本作は実名の高山真の名で復刊されました。

  

映画の完成を待つことなく亡くなった高山氏…鈴木亮平が浩輔を、宮沢氷魚(ひお)が龍太をそれぞれ演じました。

高山氏と俳優・鈴木亮平が同じ東京外語大学卒業ということも不思議な縁を感じます。

映画の前半では男性同士が愛し合う場面があって少し驚きましたが、わたくし自身の気持ちとしては何んの抵抗感もなく、ひとつの愛の選択であるのだと理解できたことは良かったことと思います。

原作の巻末には映画で主演を務めた鈴木亮平の「あとがき」が寄せられ、役作りなどの思いが綴られており、なかなか読みごたえがございました。

映像化するのは難しい描写もあったかと思いますが、後半の浩輔が選ぶ人生に深く頷くものがあり、良い映画を観たという静かな余韻が残る佳作であるかと思います。

一気読みしてしまった「エゴイスト」…さて雨降る午後をどう過ごしましょうか?

  

「エゴイスト」とは違い、平々凡々な人生を送って来たわたくし…何んだか体のどこから湧いてくるか分からないんですが生きて行く力が漲ってくる感じがするぅ!

ここは喉がヒリヒリしまくるタイカレーを作っちゃおう!

冷凍のエビとイカがあったはず…タイカレーの素・ロイタイカレーを使えば簡単にできます。

このカレーには何故かジャガイモが合うので、ご飯などの炭水化物はなしで頂きましょう。

この口の中が甘辛さでヒリヒリして耳の後ろ・顎の付け根まで痺れてくる感じ…堪らない!

ひとり暮らしの単調な生活ですが、今夜は刺激的な夕飯となりました。