新潟県・津南に住む知人が特産品の「雪下人参(ゆきしたにんじん)」を送ってくれました。

それこそ昨年の収穫時期から掘らずにそのままにし、ひと冬・雪の下で熟成させた人参でございます。

「昨日初めて掘った人参なんだわ。もうパリパリしてて甘いしね、食べてみて」

日にちが経ってしまうと瑞々しさがなくなってしまうとのことで、新潟の農家では宅配注文が中心に販売されているそうで、どうりでなかなか東京では「雪下人参」のブランド人参は手に入りません。

わたくし…生の人参はそれほどでもないのですが、シチュウやカレー、況してや味がぼーっとはっきりしないポトフなどに入っている人参は大の苦手であります。

ところが、この雪下人参ですと生で良し、キンピラにして良し、グラッセにしても良しで好物として頂けるんですから不思議でございます。

  

さっそくスティックサラダでポリポリ・パリパリ!

美味しいものは色も姿形も美しい!

濃いめの金山寺みそとマヨネーズも相性もバッチリで難なく人参1本ペロリと平らげちゃいました。

  

今日は朝から雨ですからね、人参相手にあれこれと工夫するのも楽しいかな…新鮮なうちに下ごしらえを済ませたいと思います。

香味の利いた野菜だしに味を含ませて、あとでバターソテーにしても温野菜としてサラダにしても使い勝手がようございます。

落し蓋をして弱火でじっくりと味をしみ込ませると致しましょう。

その間に読みかけの本…新川帆立(しんかわほたて)・著『競争の番人』を読み切ってしまいたいと思います。

2022年・夏にドラマ化された原作となります。

警察でも検察でも税務署でも国税局でもなく、独り占めを取り締まる公正取引委員・通称・公取委が舞台となっています。

公取委所属する審査官の物語で、ドラマでは主人公・白熊楓(しろくまかえで)…この名前、主人公なんですから、もう少しまともな名前にして欲しかったなぁ~同姓同名の方がいらしたら…申し訳ございません!

白熊は叩き上げの女性審査官、元刑事からの転職で審査官になって5年目となり、ようやくコツコツと積み上げていく審査官と言う仕事に慣れて来たころ…東大卒、然も大学院を修了、現役で司法試験にも合格した超・エリートのキャリア、小勝負勉(こしょうぶつとむ)とバディを組ませられ、ウエディング業界の価格カルテル(だんごう)の調査を命じられます。

それにしても…本のタイトルに競争が付いたとは言え、小勝負に勉とは!物語を読み進めていく上でふたりの名前は少々読みにくいんです。

白熊は動物そのものを指しますし、小勝負は独占禁止法の中にある「競争法」を思い起こし、登場人物の名前として最後まで馴染めませんでした。

が、この「競争の番人」はコミック的でテンポが良く、新川帆立さんの作品の中では一番面白く読むことができました。

次なる最新作である『先祖探偵』も、すでに図書館に予約済みでそろそろ順番が回って来るころかなと楽しみみにしております。

さて…雨は変わらずと降っております。

桜も春雨にしっぽりと花びらを濡らしていることでしょう。

実は…人参が詰めてあった箱の片隅に新聞紙に包まれた「天然のふきのとう」も入っておりました。

嗅いでみたら…う~ん!蕗そのものの芳しい香り!

津南・魚沼は米どころとしても有名ですが、知人の家でも自家用のコシヒカリを栽培しておりまして、雪融けが近くなると田んぼのあぜ道にポコポコと数え切れぬほどのフキノトウが芽を出すのだそうです。

「もうね、食べ飽きちゃうと長靴で踏んづけちゃうの」などと勿体ないことを電話口で仰っておりました。

踏んづけられずに済んだフキノトウ、こちらは天ぷらで頂きましょう。

気温は例年より高いそうですが、けぶるように降る雨を眺めておりますとフキノトウの天ぷらでぬる燗を頂くのも良いですねぇ~

日が暮れても雨の気配が立ち込めております。

静かにゆっくりと酔いがまわって、あ~何んとも言えぬ春の宵…WBCの余韻にも酔っております。

 

『もつれつゝとけつゝ春の雨の糸』

(もつれつつとけつつはるのあめのいと)

鈴木花蓑(すずきはなみの)