やっと晴れたと喜んだのも、たった1日…今日も雨がぽつりぽつり。

今秋に入ってから台風もやって来て雨ばかり…我が家の小っちゃな如雨露(じょうろ)にも雨水が溜ってしまうほどの雨が降りました。

植木鉢やプランターも水分はたっぷり含んで乾く間もなく、次の雨…根腐れを起こしてしまいそうで心配です!

ここしばらくは如雨露の出番はなさそうです。

9個の蓮口(はすくち)も水遣りが出来なくて、何んだかショボンとしてる?

この際、ゴシゴシきれいに磨いてあげようかなぁ~

「はっ?余計なことはしなくて良い?ハイハイ、わかりました!」

 

わたくしの大好きな発酵食品を扱った展示会が、我が家から歩いて6分のところにある竹中工務店東京本店で開かれております!

ここの1階に併設されている「GALLERY A⁴・ギャラリーエークワッド」…無料なんです!

先週16日から開催されているのは『発酵と暮らし』で、わたくし予告のポスターを見た時から楽しみにしておりました。

ところがすぐに土日から敬老の日と連休になり、ボヤッとしていたら彼岸の入り…すぐに秋分の日となって3連休!

雨が降ろうが槍が降ろうが今日しか行くっきゃない!

って…よぉ~くポスターを見たら、11月10日までの開催でした。

まぁ~タダですからね、買い物帰り、散歩の途中にチョコチョコと覗きに行けるのが近所の強みであります。

   

発酵はどの時代であっても支持する方がおられますが、このコロナ禍で家にこもる時間が多くなったこともあり、手作りの味噌や甘酒、ぬか漬け、ヨーグルトや酵素作りに挑戦する人が増えたと聞いております。

わたくしが東京農業大学・院で習った「発酵学・醸造学」、農大名誉教授である小泉武夫氏の講座も聴かせて頂き、いろいろ教えても受けることができたのは大変幸運なことと感謝の気持ちでいっぱいです。

展示会場に小泉先生の著書もあり、懐かしく手に取りパラパラと立ち読み…学び始めたときの、あの新鮮な初心に返ったような気持ちです。

    

発酵学については子どもでも解りやすいよう、多くの写真や図、実際の発酵に使われた桶や樽も展示され楽しむことができるよう工夫されております。

テレビの料理番組や地域の食材をレポートする番組がありますが、その中でレポーターの人が畑で獲れたばかりの根菜をただ拭いただけ、ざっと水で土を落としだけの作物を齧る場面が出て来ますが、農大の先生たちは「あれは絶対にしてはいけない。土の中には土壌菌(どじょうきん)という菌が無数にいて作物から口に入り、良からぬ悪さをする菌が必ずいる。すべてが悪者ではないが進んで体内に入れる行為はしてはいけない。たわしやスポンジなどでしっかりと土を落とすように」と言われました。

目に見えないバイオの菌が体にとどまれば、そのリスクも必ずある都言うことを忘れてはなりません。

もちろん真菌からは薬(ペニシリン)が開発されたり、わたくしたちの体の細胞のバランスを司ってもくれている共存共栄の関係であります。

普通に生きて行くには無菌状態と言うわけにはいきません。が、悪さをする菌を体に入れる行為はできるだけしないようにするのも暮らして行く上での知恵・工夫でありましょう。

    

大豆に麹菌、そして塩だけで作る味噌や醤油も仕込んでから寝かすことが大事です。

これが発酵であります。

展示されている瓶の中は今まさにもろみ醤油が発酵されています。

小さな泡がそこから湧いて来ているのが観ることができるのも楽しい。

麹菌は日本酒に、乳酸菌はチーズやぬか床に、酵母はビールやパンに活かされています。

細菌やカビは怖いですけど、免疫力を体内で育てる体力があれば大丈夫!

ところで…漢字検定に必ず提出されるのが「噌」の読み方と書きとり問題…味噌の「噌」です。

読み方は「かまびす・しい」となります。

書き方は「かまびすしい」を漢字で送り仮名と共に書け、となります。

ここは口へんに注目で、由来となるのは魚介類を含む自然発酵が進んでいるとき、桶や樽の中から「ふつふつ・ぷちぷち・ぽっつぽつ」と音が聞こえてくると言われます。

これが大きな味噌蔵や酒蔵ですと、その発酵している音はかなりなもの!

それがやかましい・うるさいとなって「噌」の訓読み「かまびす・しい」となったのだと習いました。

   

さて…桶にもいろいろありまして、味噌樽、寿司桶、漬物樽、風呂桶なんてのも展示してありました。

わたくし一番のお気に入りは祝い酒を届ける「角樽(つのだる)」でありましょうか。

この赤い角樽は漆塗りの上等な物であります。

祝い事などから程遠い暮らしでありますが…こういうのって眺めているだけで幸せな気持ちになります。

   

雨が降り出したと見えて展示場はわたくしひとりだけで何んとも贅沢な空間でございます。

最後に…桶を縛る「箍(たが)」…この箍が外れますと桶も人間も使い物になりません。

ここはわたくし少々ゆるくなってしまった箍をしっかり締め直し…あれ?どうやったら締まるのかな?

この歳になったら多少弛んでてもいいか?