空が少しづつ明るくなってきたぁ~!
梅雨のような雨続きで身も心も水浸し状態で、ここ数日鬱々としていましたから雲が流れて行く様を見ていたら、ゆったりと気持ちが軽くなってくるのを感じます。
それなのにっ!
せっかく外は雨が上がったと言うのに、家のトイレの水が一向に止まる様子がない!
手洗いの水も止まらないし、便器へ流れる水もチョロチョロといつまで経っても止まらない!
「なんで・なん?」
今・止まるか?もう少し待てば止まるのか…判らない。
水道代が頭をよぎり…こうしちゃいられないと貯水タンクの中に不具合が起きたと仮定し、するべき段取りを急いで組み立てました。
先ずは止水栓を止めなくちゃ!
工具箱の中に何故かマイナスドライバーだけ見当たらない。
「えっ?ない?10円玉で代用…ってわけにはいかないよね」
とにかくタンクの下に雑巾を敷き詰め、水が出しっぱなしの状態でフタをナットを外してからそろりと持ち上げました。
トイレタンクに詳しい未亡人っているのかな?
わたくし…精々がタンクの水調整をしているボールタップか浮き玉の不具合しか思いつきません。
ネジを外し、順々にフタを取り外していきます。
最後のプラスチックのフタを割らぬよう取ればタンク全体が見下ろせます。
ここからは慎重に且つ迅速に不具合を見つけ直していかねば…ノンストップでやってしまいしょう!
ポカンと浮き玉が浮いておりましたので、吊ってある鎖をチョィチョィと引っ張ってみましたら、何となく納まるところに納まるものが収まったよう?
タンクに水が溜まり始めました。
「おぉ!止まったぁ!」
感激の嵐が我が胸の鐘を打ち鳴らすぅ!
電気系統に水回りの扱いに弱いのが未亡人の定番であります。
ありますが、7年も未亡人をやっておりますと、それなりに生きる術を身に着け未亡人のプロになるんですね!
なんだか自信が付いたように思います。
なんでも来やがれってなところでしょうか?
トイレをきれいにすると金運が巡って来ると申します。
天上に設置されている換気扇、壁紙、床にもちろん便器も念入りに掃除を済ませたら、サッパリと気持ちが落ち着きました。
今回は上手く対応ができましたが、次回はプロの水回りの業者に早期点検を任せた方が良いかも知れません。
管理事務所に信頼できる店舗を訊いておくのも上手に暮らす術をであると思いました。
冷蔵庫の中も冷凍庫の中も雨が続いたこともあって心細くなってしまうほど食材を食べ尽くしてしまいました。
近道となる路地裏を小走りで通り過ぎようとしたら、タンポポの綿毛を見つけました。
タンポポの花全体を「頭花(とうか)」と呼び、花が開花し萎んでいくとガクの中にある冠毛がモコモコと湧いて参ります。
約2週間ほど掛かります。
これが綿毛となって風に乗って飛ばされ子孫繁栄を新天地で迎えることとなります。
昔…中学の時の理科・生物の授業で「たんぽぽの綿毛の飛距離を測る実験」をしたことを思い出しました。
広い理科実験室に各班それぞれに扇風機があてがわれ、綿毛を扇風機の前に置いてスイッチオン!
弱・中・強の順に吹き飛ばし、その飛距離を測るという、なんとも原始的な実験なんですが、各班にひとりはこんな実験でも燃えちゃうヤツがいるんです。
すでに実験に飽きちゃった女子たちは綿毛で恋占いをしたり、目当ての男子がいる他の班に行っちゃったりして、残って実験に参加しているのは燃えちゃってる男子とレポート書きを任されたわたくし、綿毛を1本づつ抜いて次の実験の準備をしてくれる、辛抱強い根気だけが取り柄の女子、この3人でありました。
この渾身を込めた実験の結果は、我が班だけ凡そ約10メートルの飛距離を確認。
実験をまとめたレポートを提出…見事、実験成功の評価を得て、中間テストを高成績で通過!
オタク系の燃えちゃう男子のおかげで理科・生物の苦手意識がなくなりました。
その後、この男子のおかげで次なる「カエルの解剖」も我が班だけ完璧な縫合をも成し遂げ、今でも理科室に資料が残っていると聞いております。
あの理数系が強かった男子…外科医で活躍したでありましょうか?
さて…扇風機の風ではなく自然界の風に乗って綿毛はどこまで飛んで行くのでありましょう。
花言葉のひとつに「別離」とあります。
子房(しぼう)が離れたら、もうお互いが逢うこともない綿毛たちです。
風に乗った瞬間の快感、ちょっと味わってみたいな…
良い風が吹いて来たよ!
行ってらっしゃい!達者でね。
『たんぽぽのぽぽと絮毛のたちにけり』
(たんぽぽのぽぽとわたげのたちにけり)
加藤楸邨(かとうしゅうそん)