本日・午後の予定はと申しますと、近所に住む幼馴染み、それと豊洲市場でマグロの仲卸業の店を構えている・これまた幼馴染みであるさわちゃん、そしてわたくしの3人で映画を観に行くことでございます。
さわちゃんは築地・本願寺の裏手、小田原町に住んでおりますので、晴海通りに出て万年橋を渡ればそこはもう銀座となります。
待ち合わせは銀座ガス通りに面している「シネスイッチ銀座」の正面玄関。
「さわ子サ、まさか長ぐつで来ないよね?」
「分かんないよぉ~去年だったかな、東劇のチケット売り場で待ち合わせしたらサ、サンダルで自転車漕いで来たからね!あっ!今日って水曜?市場、お休みかも!なに、履いて来るかね?」
「裸足だったら笑っちゃうね。でも…さわ子って子どもの時から長ぐつ好きだったよね?」
「うん、雨降りはもちろん、晴れでも真夏でも長ぐつ履いてたんじゃない?さすがは市場(当時は築地場内市場)で育ったことだけあるよねって周りから言われてたもん」
「まっ!稼業を継いだだけのことはあるね」
そのウワサのさわちゃん、ガス通りの角を曲がって、こちらに向かって来ました。
「さわちゃぁ~ん、なに普通のクツ履いて来てんのよぉ~!」
「そうだよぉ、長ぐつか裸足で来なくちゃ、さわちゃんじゃないよぉ!」
「なに?なに?クツがどうしったって?良いっしょ、このクツ!」
ごくごく普通のスリッポン…人が履いてるクツで、これだけ笑えるのも幼馴染みだからこそ?でありましょう。
シニア料金・1200円をそれぞれで購入。
「ツユクサは」はスクリーン1・地下1階での上映です。
検温とアルコール消毒を済ませ、開場したばかりの席へ着きました。
本日・レディースディと言うこともあって老若問わず女性のひとり客が多いようです。
主演は小林聡美。恋の相手役にはベテラン・松重豊…今回はグレイヘアで登場となっています。
最近の重松さん、ある時は黒髪の井之頭さん、またある時は白髪の婚活父さんと髪の色を自由自在に染めて役作りをしておるようで、ガラッと雰囲気が変わるのも楽しみのひとつとなっています。
脇を固めているのはテレビ・舞台・映画と引っ張りだこのおふたり・平岩紙(ひらいわかみ)と江口のりこ。
それなりに渋いんだけどひょうきんさが堪らない泉谷しげる、渋川清彦にベンガルのおじちゃま方。良い味わいを醸し出しておりました。
物語は、上をご覧になって下すったすべてでございます。
主人公・五十嵐芙美がある悲しい事故を境にアルコール依存症になり、地域の断酒会に参加しているとこから物語は始まります。
あとは平々凡々、淡々と日常の暮らしを描いているのですが、そこは芸達者な俳優たちが揃うとひと味違う作品になっているかなと思います。
う~ん…観終わったあとしばらくしてじわじわとその良さが解るって感じかな?
映画のタイトルになった「ツユクサ」の葉っぱです。
まだこの時期は花を持ちませんが、関東の梅雨入りが発表されるころまでにはグンと花茎を伸ばし、紫の花を咲かせてくれるでしょう。
この葉っぱは昔から草笛として子どもたちにも人気がありました。
作品の中で重松豊演じる工事警備員(実は歯科医)・篠田が草笛を吹くシーンでツユクサが登場します。
吹く曲は中山千夏の「あなたの心に」で、懐かしかったなぁ~
帰りに少し早いお夕飯、握りを頂きました。
「中山千夏の曲、久しぶりに聴いたなぁ~草笛だから音程は不安定なんだけどヒットしただけあってサ、歌詞・全部覚えてたわ」
「昭和のヒット曲って、それこそ街中に流れてたから耳が勝手に覚えちゃうんだよね。歌詞もちゃんとメロディに納まってるし…」
「あの中山千夏、大阪出身なんだけど、小学校の5年だったかな、泰明小学校に転入して来て、中学校は今の銀座中学校に進んだのよ、もう売れっ子だったからサ、黒塗りの車で通学して帰りは制服のまんまスタジオ入りしてるって聞いてたまげたよ」
「今、いくつなの?」
「…とうに70は超えてんじゃない?」
「うへぇ!私たちと大して違わないんだ!」
「60代と70代は違うよぉ~」
「違う違う!東京都は都営線と都バスが無料になるのが70から!もうね、早く70になったモン勝ちなんだよ、ここ東京都は!」
その東京都、財政難で70歳からの無料パスを有料にしようと言う案が出ているそうな…
まだ「案」の段階ですからね、駆け込み乗車してゲットできることを願いつつ、握り・10貫、完食!
美味しかったぁ~!