東京メトロ・地下鉄銀座線「末広町駅」からチョコチョコッと角をふたつ曲がれば、2分もかからず千代田区立・旧練成中学校(れんせいちゅうがっこう)の建物が見えて参ります。

東京大空襲で焦土と化した地に昭和23年に開校。

千代田区には一橋(ひとつばし)、九段、麹町、今川、そして練成の5つの中学校がありました。

   

ここ練成中学校は平成7年に、今川中学校は平成5年に一橋中学校に統合され「神田一橋中学校(かんだひとつばしちゅうがっこう)」の名称となりました。

今あるのは3つのみ…淋しい限りですが、私立に負けない進学校は昔から変わらず、難関とされる都立高校へ、そしてその先の超・難関大学へ、本人の実力のみ!で進学を決めています。

すべて区立・都立・国立へ進むことができればとても経済的!でもねぇ~通うとなるとねぇ~試験に受からないといかんしなぁ~

   

そんな大昔のことを正門の前で思い悩みに来たんではなかったノダ!

旧・練成中学校は地域再生と成り得る若手芸術家の発表の場として千代田区が運営する「アーツ千代田3331」に生れ変り、話題を集める展示会を開催していると聞いています。

今日は、わたくしの幼馴染みのひとり息子・美大院生・あきらくんから教えてもらった展示会へ出掛けて参りました。

   

「俺らよりおばちゃんたち年代の方が知ってる人だよね?小池一子(こいけかずこ)。俺なんかは無印良品のポスター見て、これ見たことある・あるって感じだけどサ、イラストレーターとかグラフィックデザイン科の授業でも出て来るんだよね。山口はるみ、石岡瑛子、山下勇三、和田誠が描く西武とか西友、パルコの広告ポスターってホント斬新でサ、学部生のほとんどが観に行ったんじゃないかな?それぐらいスゴイ展示会だから行って来なよ!アーツ千代田3331ってとこだけど、旧・練成中学校の校舎だから分かるよね?21日が最終日だからね」

「懐かしいね!イラストレーターの山口はるみなんかサ、一世を風靡したもんだよ!行って来る。いつもありがとね」

「ちょっと待って。お袋がサ、末広町前にある「大阪王将」の餃子・買って来てくれって喚いてるけど、電話代わる?」

「いいっ!代わんなくていいっ!切るよ」

小池一子展』…もう知る人ぞ知る!あの小池一子さん、86歳になられたんですね。

ずーっと現役で活動しているパワーにまず驚きます。

「直感を大事にして動いてきた」と軽く話されますが、昭和・平成・令和の時代に通じる直感ってスゴイ!

カラフルな展示となっている西武百貨店、パルコ、ファッション雑誌などそれはそれは多種多様の活躍を色濃く華やかな香りを放っております。

生活雑貨「無印良品」の企画や発売に携わったことでグッと知名度が高まったクリエティブディレクターで、その活動は1950年末から途絶えることなく続いています。

『わけあって、安い。』、『しゃけは全身しゃけなんだ』…初期の「無印良品」のキャッチコピー、覚えておられる方も多いでしょう。

展示会場を進んで行くうちに改めて感じたのはコピーライター、編集者、翻訳家、キュレーター(学術分野での専門知識管理者)など多彩な顔を持っていることへの驚きでした。

     

こちらは江東区・佐賀町時代にディレクターした若手芸術家たちの作品が展示されています。

佐賀町も若手芸術家、若手俳優たちの憧れの稽古場として定着して来たように思います。

小麦粉や紙を保存する倉庫などが運河に沿って多くある街ならではの独特の雰囲気が若い才能を刺激・高揚させるのに役に立ったのかも知れません。

江東区に住むわたくしにとって、とても嬉しいことであります。

残念なことに「無印良品」の展示室だけは写真撮影・不可!

観ているだけで何か欲しくなっちゃう「無印良品」の広告ポスター、お見せすることは叶いません。

こうなったら…明日にでも「無印良品」の店舗に行きますか!

   

展示室から出て来ると…50年・半世紀をタイムスリップした感じ!

「おぉ!手洗い場だぁ!悪ふざけばっかりしてる男子から、よく蛇口を向けられて水を引っかけられたモンだわ。あいつ、あちしのこと好きだったのかなぁ~」

階段もそのままに残されています。

学校はどれも同じ規格で造られていると思いますが、小学校から進学して来ると廊下の幅も階段の高さも違ったように感じたものでした。   

教室を活かしたコミュニティ広場もあったり、音楽室に置いてあったのでしょう、古いピアノもそのままに展示物となっています。

わたくしは千代田区でも違う中学校でしたが、これほど日当たりが良くはありませんでした。

すぐ後ろには今は営業を終えてしまったホテルグランドパレスが東京・1964オリンピック開催に向けて突貫工事中、校門の前は暁星高校で校庭は狭く、運動会のマラソン大会は校門を出て街中を走らされたものです。

大きなクスノキがある校庭…羨ましいですね。

これほどの広さとなりますと、千代田区外神田では相当な価値があるでしょうけど、よく残してくれました。

誰でも入れる公園になっています。

くるりと振り返ると校舎の全景を見ることができます。

本日は屋上の解放日でなく上がることはできませんでしたが、屋上庭園になっていると聞きました。

   

気になっていた「3331・カフェ」でひと休みしましょうか。

こじんまりとしているけれど日差しが明るく開放感・無限な感じ!

ここの自慢であるというイタリア・エミリアロマーニャ州の素朴な味わいの郷土パン「ティジェッラ」を頼んでみようかな?

自家製らしい?

   

3種類から中に挟むのを選べるらしい…わたくしは生ハムとチーズにして、カプチーノを注文!

熱々のホットサンド風?

黒いソースは…バルサミコ?大当たり!生ハムの塩気と合いますねぇ~

ホントに素朴な味わいで、それなりに美味しいです。

66歳、思わず歓声を上げてしまったのが、こちら!

ラテ・アートでハートを描いて下さいました。

わたくしのイメージ?嬉しいですね。

少し疲れてしまったので甘い糖分を補給しましょう。

「あちゃぁ~!」

スティックで搔きまわしたら…ブロークンハートになっちゃいました汗

恋に破れてばかりのわたくし。苦かった青春を思い出すなぁ~

うふふ…でもこればかりは掻きまわしてお砂糖を溶かさないとね。

あ~美味しい!

愉しかった一日を送ることができて、感謝!

開催終了日が明日・21日と迫っていますが、お時間があったら不思議空間を体験しに行ってみてくださいませ。