11月初旬の都立・木場公園…公園で寛ぐみなさま方、新しい生活習慣がすっかり慣れたご様子で、このように等間隔をあけながら週末のひとときをのんびりと過ごしておいでのようです。
東京メトロ・地下鉄東西線の木場駅から徒歩5分と立地にも恵まれ、災害時には都民の避難先にも指定されております。
ここからひと駅先の「門前仲町駅」で電車内で刃物を振り回したという男が逮捕されたと聞いて、長閑な公園に座っていても背筋がゾッと泡立つ思いです。
わたくしは車内に乗り込むと同時に席に座ろうが立っていようがすぐに本を読み始めてしまうので、周りで何が起こっているのか・起こったのかを瞬時に把握ができずの状態になっております。
それを深く反省したのが…2012年7月に起きた横須賀線・横浜駅~新川崎駅間での刃物男事件でありました。
わたくし、その電車に乗り合わせていまして怖い思いをしたことを今でも覚えています。
当時住んでいた鎌倉から東京へ向かうため横須賀線に乗り、シルバーシートに座って文庫本を読んでおりました。
電車は大船駅から東海道線や根岸線と平行運転になり、やがて横須賀線だけ大きなカーブを曲がりながら新川崎へと向かう…はずだったんですが、急停車?それでもわたくしは本からチラッと顔を上げただけでそのまま活字を追っていました。
と・いきなり前方の車両から人がなだれ込んで来て…「包丁!包丁男」とか「後ろに逃げて早く!」とか駆けるように後方に移動しながら声を発しています。
「えっ?」…それでもわたくしは本を広げ固まったままでした。
ハッと跳び上がるようにして体が動いたのが不思議なほどです。
最後尾の車両に着いたとき、男性陣が盾になってくれるようにして高齢者や女性たちを囲んでくれました。
外にはパトカーや救急車が到着し…「けが人が出たの?」と不安になったものでしたが、幸いにもどなたも傷つかずに済み、犯人もすぐに現行犯逮捕された伝達されて来たときは、見ず知らずの人たちと「おぉ!良かったですね」と声を合わせ、ホッとしたことを覚えています。
それなのに電車は一向に発車しません。
事情がまたもや前の方から伝わって来たところによると、現場検証が行われているらしい?
えーっ!乗客を乗せたまま、やるのぉ?って感じでした。
最後尾ですからね、車掌さんがしゃべる車内放送の様子も分りまして、みなさん恐る恐るですが前方の車内まで歩み寄って携帯で写真を撮り始める始末…申し訳ありません、わたくしも男性の背中に隠れるようにしてパチリ!
ほとんどは刑事さんかお巡りさんが乗客の代わりを演じ、最初に刃物を向けられた被害者が事情を訊かれていました。
けっこう緊迫した様子で、本当に人ごとではない、いつ自分の身に降りかかるかも知れないことと思い、しばらくは車内で本を読むことは止めたほどです。
それが…喉元過ぎればで、9年経った今では相も変わらず車内に目を配らず本を読んでいる。
危機管理・ゼロ!
う~ん?今1度、車内の様子に気を配り、すぐに対処できるように気を引き締めていかないと肝に銘じた今朝の東西線の出来事でした。
男だって女だって!おばんさんだって!今の世の中は自分の身は自分で守る覚悟を持たなければならぬことを再確認いたしました。
東京へ向けて出発するのに小一時間ほど掛ったでしょうか。
トイレが設置されている横須賀線で良かったなぁ~と妙なところで安心を得た記憶があります。
ワンワン、ワン!
公園の一角にあるドッグランから賑やかな泣き声が聞こえてきます。
暫し…可愛いワンちゃんたちを眺めることとしましょう。
このコーナーは大型犬・中型犬専用のドッグランとなっていて、フェンスの向こうは小型犬がチョコマカと走って回っています。
犬が犬を追いかけてるだけなのに、いやいや飽きませんねぇ~
わたくし、来世は犬に生まれ変わるのだと知らされたら、せめてもの願いはただひとつ!
顔なんか潰れてたって構やしません、お尻の穴・丸見えの犬種だけはご勘弁してください。
よぉ~く観察してますとね、あの黒柴とお尻の穴を見せているフレンチブルドッグ、これが恋人かと思えるほどイチャイチャしてるんです。
もう見ている方が恥ずかしくなっちゃうほど犬種を越えての熱お互いの体をすりすりしながら見つめ合っている…で、そこへ現れた柴犬が黒柴に横恋慕?
そうしましたらフレンチブルドッグが「蜜月を邪魔するな!」とばかり猛然と柴犬を追っ払おうと追い駆け始めました。
黒柴もブッチギレタようで歯をむき出しています。
フェンスのこっち側で見ていた人たちも恋の行方を案じ、フレンチブルドッグを応援しています。
こうなりますと困ってしまうのは飼い主さん同士?
男と女…オスとメス。何に生まれ変わろうと大変そう
そんな浮世を遮断するかのようにそっぽを向いている柴犬がわたくしの足元に座ったままで、ドッグランを愉しもうとする気配ゼロ!
これこそ柴犬・本来の姿ではないでしょうか。
周りの空気に合わせることなくマイペースを崩さないスネオくん。
飼い主さんが声を掛けても、徹底的に聞こえない振りを通しています。
あっぱれ、柴犬よ!
でもね、チラチラッと愉し気に走っているワンちゃんたちを見てはいるんです。
「ほら、行っといで!」
晩秋の日差しにオレンジ色が増して来たようです。
これからグッと冷え込んで来るでしょうから、散歩を切り上げて帰るといたしましょう。
ちょっと振り返って見たけれど、あの柴犬…まだスネて座っておりました。
せめて帰るときだけでも、愉し気にね。飼い主さんが喜ぶよ。
『曳かれてうれしくうれしくて道の秋』
(ひかれてうれしくてうれしくてみちのあき)
富安風生(とみやすふうせい)