ヒマな幼馴染みが近くに住んでいるとういうのも、これはこれで厄介なものであります。

わたくしには長く付き合っている2人の幼馴染みがおりまして、それぞれ産まれた年月日に多少の差はあるものの、3人とも昭和30年代に産まれ育ち、すでに60代のど真ん中を生きております。

幼馴染みの1人は、わたくしと同じ東京・深川・門前仲町に産まれ、母親同士もそこそこ仲が良く、どっちの父親も猛烈な仕事人間…あのころのサラリーマン家庭って完全なる母子家庭だったように思います。

それなのに…友だちの家にいつの間にか妹や弟がポコポコと産まれていたなぁ~

もう1人は東京・築地・小田原町産まれなんですが、親は代々受け継がれて来たマグロの仲卸業を築地市場で商っておったものですから、中央区・佃島の母親の実家にしょっちゅう預けられ祖父母の手で大きくなりました。

どこで知り合ったのかと言うと、わたくしの従兄妹が佃島で船宿をやっていましたので、わたくしは前にも書いて参りましたが、幼稚園での小っちゃないじめに遭い不登園児童になり、それは小学2年の1学期まで続きました。

で…幼稚園に通うようにほぼ毎日歩いて、時には都電にヒョィと乗って佃の従兄妹のうちに遊びの行っておりました。

それに金魚のフンのように付いて来たのが、美大院生のひとり息子・あきらくんのおっかさん、わたくしの幼馴染みの1人であります。

従兄妹と同じ町内で育ったマグロ屋のさわちゃん…みんなで団子のようにくっ付いて遊び回ったことを覚えています。

   

さてと、前置きが長くなって申し訳ございません。

そのあきらくんのおっかさんの方の幼馴染みが「映画、観に行こうよぉ!」と、うるさくて敵わんのです。

コロナ禍での緊急事態宣言が解除となり、コロナワクチンも国民の総人口の7割以上が2回目のワクチン接種済みとなり、会社や大学もほぼ通常に戻っていると聞きました。

で…あきらくんのおっかさん、あれほど大変だとコボしていた3度のご飯作りから解放されたのにぼーっとしている始末。

「時間ができたんならサ、富士山の麓歩きだったっけ?また始めれば良いじゃない」おとめ座

「それそれ!仲間に声掛けたらね、み~んなこのコロナ禍で出不精になっちゃって足腰が利かなくなって歩けないんだって!」

「ひとりで行けぃっ!観たい映画って何?」おとめ座

「えーとね、テレビドラマでもやってた『きのう何食べた?』は絶対に観たいのね。もう1本は『老後の資金がありません!』っての。草笛光子がとってもステキなんだって!行こうよ」

う~ん…「老後の資金…」は原作を読んでいるのでパス!観るなら「きの何」かなぁ~今までのテレビドラマにない面白さだからと、わざわざ幼馴染みが録画したCDを持って来てくれ、第1話から料理好きな弁護士・シロさんと美容師のケンジにすっかり魅了されしまい、わたくし最終話まで一気に見てしまいました。

弁護士…司法試験に合格するの、大変なんですよねぇ~

パートナーの名前がケンジ…これって弁護士に掛けて「検事」ていう意味合いがあるのかな?

ケンジを演じている内野聖陽さん、この度は「紫綬褒章(しじゅほうしょう)」を贈られたとのこと、おめでとうございます!

  

おめでとうの気持ちを表すのは、やっぱり劇場へ足を運んでチケットを買うことが一番でありましょう。

「3日が祝日で土日の週末前だからかなぁ~思ったより観客少ないね」

「少ない方が良いじゃない!ひと席空けての販売じゃなくなったんだね」おとめ座

全席販売となっていましたが、ひとつ空けてのチケットを買い求めました。

この2年で新しい生活様式に慣れ、すぐ隣に人が座っていると妙に窮屈さを感じてしまうようになっちゃった!

圧倒的に女性客が多い!

コマ切れの予告編がようやっと終わり…いよいよ本編が始まりました!

「あ~懐かしいぃ!」

テレビドラマのオープニングテーマであったOAUの「帰り道」が劇場版でも流れます。

『先回りして君を待ってるぅ~帰り道の坂のとちゅうぅ~音譜

ひとつ空いて座っている幼馴染み、声を出して歌っています。

そうだよね!こんな心和む歌、思わずいっしょに歌っちゃうよね?

わたくしも音程は狂っているかも知れませんが、要は気持ちですからね。小声で歌っちゃおう!

あれ?後ろの方からも歌声が聞こえて来るじゃないですか!

まるで応援上映のようです。

同性愛者のシロさんとケンジ…お互いになくてはならない存在となり、ちょっとしたことでもモヤモヤしたりヤキモキしたり…乙女チックなケンジの可愛いこと。

今回はケンジのお誕生日祝いにとシロさんは京都旅行をプレゼントします。

京都で食べるカレーうどんや焼き団子…ケンジが行きたがっていた南禅寺境内の水路閣へと観光案内のように物語は進んで行きます。

幼馴染みの言うことには、レンガで造られた水路閣は2時間ドラマの聖地と言われ、犯人が春夏秋冬移ろうこの前で自白するのが愉しみなのだとか。

「面白かったぁ~アドリブっぽいセリフとかがあって笑っちゃったね。シロさんのお母さん役の梶芽衣子って上手だったね。母親の対応とかサ、ちょっと深刻な場面もあったけど観て良かった!シリーズ化しないかなぁ~ねっ!料理で出て来たカンタンローストビーフ、美味しそうだったね。あれ、お正月用に作ってみようかな」

和風の煮汁で作るローストビーフ、ホントにカンタン!お正月になんて言ってたら作り方忘れちゃうから、幼馴染みには内緒で作ってみようっと!

 

「デパ地下でおかず買って行こう!」

「ヒマなんだから自分で作りゃぁ良いでしょ!あっ!パン買って行こう」おとめ座

先日、友人から日本橋・高島屋Ⅽ.S.にある「365日と日本橋」のパンが美味しいとの情報を得たばかり!

さっそく行ってみましょう。

「ここのパン、美味しいわよ、高いけど」

「ホント!高いわぁ~」…ショーケースにお行儀よく並んでいるパンを横目にスルーして即・出口へ。

あれ?幼馴染みは何やらパンを指差して注文している様子…買うのぉ?

  

「ホレ!」

やったぁ~!我が家の分も買ってくれました!

持つべきは幼馴染み!

すぐコーヒーを買って外のテラス席でひとつ・お八つ代わりに頂きましょうか。

「ここのお店、代々木が本店らしいよ」おとめ座

「そうそう!あんぱんがあるってとこが良いよね。あんことかカレーとか中身は普通なんだけど、パン生地は美味しいのよ」

「うん。あんこは普通だね。ドラマでサ、シロさんが食パンっていうのは1度上等なのを食べちゃうと、もう下に落とせないって言ってたでしょ?あれ、当たってるよね」おとめ座

「そうだっけ?だから高級食パン屋が流行ってるんだ。ねぇ~この秋からお正月に掛けてサ、面白そうな邦画が目白押しじゃない?ほかのも観に行こうね」

加賀まりこ&塚地武雄・主演『梅切らぬバカ』…テレビドラマで評判だった劇場版『あなたの番です』…

藤原竜也・松山ケンイチ・神木隆之介と豪華キャストの『ノイズ』…公開が延びっぱなしの役所広司・松たかこ、佐々木蔵之介などベテラン俳優が総出演の幕末時代劇・司馬遼太郎原作『峠』と確かに目白押しであります。

これは吟味に吟味を重ねて絞っていかないと、トンだ出費になってしまいます。

シロさんの倹約術を見習うと致しましょう!

『きのう何食べた?』…お薦めの1本ですので、ぜひ!