やっと衆院選の舌戦が終わり日曜日らしい静かな朝を迎えています。
あまりの静寂さに「シーン」と音が聞こえるような気が致します。
遅い朝食を済ませた午前10時過ぎごろ…サァーッと細い雨が降ってくる音が聞こえ、久しぶりに聞く雨音に気持ちがしっとりと落ち着いて来るのを感じます。
お昼をまわるころになって少しづつ雨足が強くなって来たよう。仕方がない…今日は家にこもって読書を愉しむと致しましょう。
でも…せっかく家に居るんですから、何か温かな夕飯を手をかけて仕込むのも良いかも知れません。
シチュウも良いけど、今夜はしょう油味の方がしっくり来るなぁ~
おでんにしよう!
米の研ぎ汁…ない!ひと摘まみのお米を入れて大根の下茹でを済ませておきますか。
おでんの人気種・トップ3に入っている「大根・こんにゃく・玉子」…わたくし、おでんのこんにゃくと玉子が苦手でして、いつもこんにゃくの代わりに結び白滝を入れております。
先日、近くのスーパーで結び白滝を買ったつもりが家に帰って、よぉ~く見てみても白滝のような繊細が見受けられない!
尚もじっくりと見詰めてみれば、白滝よりも歯応えがありそうな太さで結んであるじゃないですか!
これは素晴らしい!わたくしと同じような好みの方がこんにゃく会社にいてくれたんだ!
これ、ぜったいおでん業界を揺るがす大ヒットになる!わたくし自信をもってお薦めします!
お約束はでき兼ねますが…
東京おでんになくてはならない「ちくわぶ」、これだけは何があろうと欠かすことができません。
大根の下茹が上がったら昆布のお出汁と自家製そばつゆで煮ていきましょう。
しばらくは弱火に任せて読書タイム…と目論んでいたら玄関でピンポン
「はい?」
「わ・たし!居て良かったぁ~さみいから早く入れてよ」
近所に住む、わたくしの幼馴染み・あきらくんのおっかさん?の・ようです。
ドアスコープから確認したら、あの顔がぼよよ~んと映っていました。
「寒いぃ~今ね、選挙行って来たの。雨なのにけっこうな人たちが来てたわよ。選挙投票はこうでなくちゃね」
衆院選は「政権選択選挙」と言われています。
どの政党に政権を託すかという選挙ですから、国民の義務を果たさなければならぬ選挙であります。
「今夜は選挙速報でサ、日曜劇場・日本沈没も休みになっちゃった。速報は速報で楽しめるんだけどね」
テレビドラマが何よりの生き甲斐となっている幼馴染み。
コマーシャルでストーリーがブツ切れにならぬようリアルタイムでは見ないで、録画で2~3話・まとめて見る変なヤツ。
「でもサ、最近のドラマって若い子が主演やったり脇を固めてるから、あんまり感情移入できないのよ。詰まんなくなっちゃったぁ。ベテラン俳優ばっかの時代劇、どっかでやらないかなぁ~あっ!これ漫画なんだけどね、読んで見て!それで、コレがドラマ化された録画ね。面白いから見てみて!」
益田ミリ・作『スナック・キズツキ』…傷ついた者しかたどりつけないスナックが都会の路地裏にあるらしい…職場や友人、家族との人間関係で傷ついた人たちが不思議と辿り着けるスナック・キズツキ。
スナックなのにアルコール類はひとつもない。その代わり、丁寧に淹れたコーヒーや懐かしい昭和の香りがする食事も楽しめる、ちょっとヘンテコなスナックです。
スナックのママはトウコさん。
お店にやって来た悩める人たちをトウコ・ママは時にはギターで、時にはロールピアノで、時には朗読で相手を巻きこんじゃっての荒療法?で送り出します。
歌って踊って叫んで、出演する俳優さんたちも大変だろうと思います。
日付が変わる深夜(0時20分)の放送だそうです。
「ねっ!面白そうでしょ?ちょっとビデオ見ようよ。なんだかサ、ピン止めひとつにしても昭和のニオイプンプンだと思わない?あれ?なんか良いニオイしてる…おでん?やだぁ~今夜のおかずにしよう!味見してあげる」
「なにが今夜のおかずよ!あちしはこれから3日ぐらい、おでん暮らしの予定なんだから」
と・言いつつ、熱湯で油切りをしたさつま揚げを入れちゃうあたり、わたくしもまだまだ甘ちゃんであります。
おでんの味を調えて、ビデオを見てみましょうか。
「コレね、登場人物がリンクしてみんながどっかでつながってんのよ。第4話まで録画してあるんだけどね、ナカタさん、アダチさんにサトちゃんでしょ?でタキイさん。マンガではあとでタキイさんの兄貴も登場してくんの。なんか元気のない人たちが帰って行くときはほっこりと優しい気持ちになってるところだが良いんだぁ~」
30分番組ですし、手際の良いテンポで進んで行くので3話まとめて見ても重たくありません。
「あとでゆっくりマンガとすり合わせると良いよ。さっ!おでん食べよう」
「なにが食べようだわよ!まだ大根とか味がしみてないかもよ」
「ねぇ、柚子胡椒ってないの?最近ね、柚子胡椒で食べんのが我が家のマイブームなの」
「あるけど出さない!先ずは素の味を味わいなさいよ」
パクパクとまぁ~人んちのおでんだと思って食べること!こんなんじゃあっという間にお鍋が空になっちゃいますからね、冷凍しておいた五穀米のおむすびをレンチンしてさり気なく差し出してみたら…ほんのふた口で完食!この世からパタッとおむすび1個、消えてしまいました。怖いですねぇ~
「この結んである白滝?美味しいわぁ。パパに食べさせてあげたい」
「スーパーで売るほど並んどるわ!」
「小っちゃいころサ、もんじゃ焼きは駄菓子屋、おでんはリヤカーの屋台引いて来る得体の知れないおじちゃんから買ってたねぇ~」
「そっ!どっちも5円玉握り締めてね。あんときの甘みそで食べたちくわぶの旨さ、忘れらんない!そうだ!甘みそ作ろう!」
「作ろう、作ろう!」
「あーたはサッサと帰んなさいよ」
お鍋の半分をさらって帰って行きました。
お八つにしてはしっかりと食べ過ぎちゃった!
ここは…マンガ「スナック・キズツキ」の残りを読んでしまいましょう!