朝から一念発起!納戸・壁一面に作り付けた本棚の整理をしております。

ひと昔前の雑誌類が思った以上に積み重なって、もう目にしただけでゲンナリ…ここは一念発起を誓ったんですから弱音を吐くことなく黙々と片付けましょう!

「おぉ!懐かしい」…2019年に文藝別冊として発売された『永久保存版・森見登美彦(もりみとみひこ)』が料理本などと一緒に棚からドサッと落ちて来ました。

1冊まるごと森見登美彦が詰まっているのでファンにとっては堪えられぬ総特集となっています。

「太陽の塔」でデビューして18年?まだ18年?京都大学農学部から同大学院に進んだ秀才なのに…

森見氏が描く世界はファンタジック!

「そうだ!あきらくん、モリミー(森見氏の愛称です)ファンだったなぁ。これ読むかな」

森見氏の「夜は短し歩けよ乙女」やタヌキシリーズ「有頂天家族」など、面白いから読めと薦めてくれたあきらくんです。

単行本未収録小説『金魚鉢をのぞく子ども』など3編の未発表作品も載っていますし、恩田陸氏との対談も面白かったし、寄稿エッセイには綿矢りさ、飴村行(あめむらこう)、向井理(おさむ)など多彩な方々のモリミーへの愛が満載です。

あきらくん、まだ読んでいないならきっと喜ぶはず!

写メと共に「こんなの見っけたけど読む?」とラインで送っておきましょう。

さぁ~お片付け!お片付け!紐で括っておけば図書館への寄贈本にもなるし、我が家の断捨離にもなって一石二鳥にも三鳥にもなります。

  

程なくして…携帯が掛かって来ました…表示を見るとあきらくんだ!

昨日、お取り寄せをしたと言う富山県産の小振りな野菜と和牛ロー肉・50グラぐらいをくれた、近所に住む・あの幼馴染みのひとり息子・美大院生のあきらくんであります。

『あっ、俺。こんな本、知らなかったよ。今、そこにあんの?』

「もしもし?あきら?名前ぐらい名乗りなさいよ!」おとめ座

『俺の名前、登録してんだろ?俺だよ!で?』

「で?って本?ここにあるよ。読まないんだったらサ、図書館に寄贈しようかと整理してるところ」おとめ座

『森見の本は読むよ。面白そうじゃん。それっていつの刊行本?』

「2年前かな?」おとめ座

『なんでそんとき貸してくれなかったわけ?』

「そりゃぁ~いろいろ大人の事情があるんだわ。で・今どこにいんの?」おとめ座

『あ~竹橋。国立近代美術館で「民藝の100年」っての、今日から開催されてて友だちと観に来てたんだよ。今ね、ネットで盛り上がってる皇居。そのお堀端をサ、ブラブラしてんの。この展示会、面白かったからおばちゃんも観に来た方がいいよ。お袋、誘ってやってよ』

民藝哲学者・柳宗悦(やなぎむねよし)・没後60年を記念しての開催であると大々的に宣伝をしていた展示会であります。

「民藝運動の父」とも言われた柳宗悦らしく、暮らしの道具類や民画のコレクション、出版物など多彩な展示になっているようです。

「民藝」は「民衆的工芸」の略だと聞いております。

大ざっぱに言えば職人さんの手仕事ってことでしょうか?

「あーたサ、友だちってだれよ?まさか彼女じゃないでしょうね?昨日、おっかさんから聞いたわよ。あきらに女から電話が掛かってきたって!心配してたよ」おとめ座

『彼女ぉ~?ボギ先輩ともうひとりの院生仲間と3人で来てんだよ!女子なんかめんどうくせぇし…電話はね、学部生!俺、修士課程だから学部生指導の実習もやってんだよ。ったくなぁ~普段はサ、老眼だの暗いと見えにくいだのって文句ばっか言ってんのにサ、俺が宅配の荷物受け取りに玄関に出てね、その間に携帯が掛かってきたらしくて、お袋が鳴ってる携帯覗いたらしいんだわ。そういうとこだけ良く見えるって変じゃね?そこに女子の名前を見つけて大騒ぎしてんだよ、イヤになるよ』

「あきらくんよ!きみは女性に興味ないわけ?いっつもどっこに行くんでも、その痔持ちの先輩・ボラギノールと一緒だよね?学部生なんかに手・付けるんじゃないよ!女はね、顔なんぞどうでもいいんだよ。3等身だろうと構やしない!だけどね、相手の母親の金銭トラブルだけはしっかりと訊いておかなきゃなんないよ!分かったかぃ?」おとめ座

「だからサ、彼女じゃないって言ってんだろ!学部生!俺の方がお袋の金銭トラブル、調べられるほうだろ?大丈夫かな、うちのお袋?』

「あれはね、気を付けた方がいいよぉ~コロナ禍での支援だとか言っちゃって全国から特産物のお取り寄せばっかりしてっから。借金まみれかもね。早いとこ解決しとかないと大変なことになるからね」おとめ座

『俺、怖くて彼女つくれないかも。あっ!この本、ボギ先輩たちに貸しても良い?読みたいって言ってる。授業や作品制作が本格的に始まったから忙しいくなちゃって取りに行けないから、ポストに入れてくれると助かる』

「うん、分かった!気を付けて帰るんだよ。ねぇ、入館料っていくら?」おとめ座

『一般・1800円。シニア料金なし。チケットはオンライン販売だから。じゃね!』

国立の美術館なのに…高い!

1冊、行く先が決まって良かった!

表紙の森見登美彦さんも嬉しそう…でも・ないお顔!

さぁ~頑張ってあと2段、本棚の整理を済ませちゃお!

本や雑誌をいじっていると手がガサガサになってしまうので手洗いをしたあと、バラの香りのハンドクリームで丁寧に手入れをしておきましょう。

3時のお八つは洋梨のタルトを奮発!

ちょっとオーブンで温めてから頂けばサクサク感が味わえます。

「あ~美味しい」

タルトの甘い香りとコーヒーの芳しい匂いが疲れをやさしく解きほぐしてくれました。

ねっ、モリミー!

暗くならないうちに買い物と散歩を兼ねて、あきらくんちのポストに寄って行くってのは、どぉ?