北海道に住む兄から自家栽培の新ジャガが送られて来ました。

裏の畑で穫れたとは言え…思ったより小振りのジャガイモです。

もうひとつ…「ふりふりシーズニングパウダー・バターしょうゆ風味」なるものも入っていました。

「なんだ、コレ?」おとめ座

ヒマな兄のことですからね、「届いたよ」の電話を今か今かと待っていることと思います。

『イモ届いた。サンキュッ!』の簡単なラインで済ませたいところなんですが、それで済まないのが我が兄き…

めんどくさいなぁ~と思いつつ、生存確認も含め電話を入れますか電話

「ジャガイモ、届いたよ。ありがと!今年のイモ、小さかない?」おとめ座

『そう言うなよ。ジャガイモってサ、土ん中に生るからどのくらい大きくなってるか、素人の俺には葉っぱの萎れ具合いだけじゃ判らんのよ。ホレ、東京は明日から盆入りだろ。佃島のおぃちゃんとこ、新盆(東京では・にいぼん)だからサ、オレが手塩に掛けたイモをだな、仏壇に供えてもらおうと思ってサ、チィッとばかし早いとは思ったんだけど掘ってみたわけ。味は良いんだよ!肥しが良いからね』

「肥しって言うな!そうか…おぃちゃんとこにも送ったんだ。新盆のお供えに肥しの利いたジャガイモって…お兄ちゃん、また親せき中からぼろクソに言われるよ」おとめ座

『おみえちゃんよ、オレのたったひとりの妹だろ?ぼろクソなんて汚い言葉を使うんじゃないよぉ~年上の弟にも供えてやってくれぃ』

「あいよ。それよかサ、ふりふり何んとかってなに?」おとめ座

『あ~っそれ!美味いのよ!北海道の山ん中じゃない味なんだよ。でサ、オレの愛する友ちゃんがアマゾンで頼んだんでくれたのよ・ひと箱。他にね、コンソメとかバーべーキュー味とかセットになってんだけど、さすがに飽きちゃってサ、田端や神田のおばちゃんとこにもサービス品として付けて送ったんだよ。ジャガイモが一番合うかな。ふりふりするだけだから、おみえちゃんでも出来るだろ?』

「サービス品って何んのサービスなんだよ!ふりふりかぁ、そんな凄腕・持ってないからね。自信ないなぁ」おとめ座

『ふりふりって、案外難しいよな?』

難しかないわっ!

蒸したジャガイモをじっくりとバターで焼き上げ、仕上げに「ふりふり」してみました。

何んとなく人工的な甘ったるいニオイがしますが…お味は…??あっ!美味しい!

あの甘ったるさは消えると同時に独特なポテト料理に変身しました。

ビールがやたら欲しくなるところだけ良いかも!

う~ん…でもぉ、お兄ちゃんが言っていた「飽きちゃった」の意味は早くも舌が訴えています。

ホンのひと切れ、仏壇に供え、その隣に肥しのニオイをまとったジャガイモも丸ごと供えておきました。

さて…まだ電話の話しは続きます。

『実家に置いて来ちゃったレコードの中にサ、北村英治のレコードが残ってると思うんだ。ジャズで仕切ってある箱の中。確かね、ジャズクラリネットを吹いてるイラスト書きのジャケットだった。それサ、今度浩一に会う時に何枚か選んで渡してやってくれる?欲しいって言ってたからサ』

「良いけど…このご時世だからサ、墓参りもバラバラに行くことになってるよ」おとめ座

『…そうか。送るほどのレコードでもないしな…そうだ!早めに寺に行って、坊主に預けとけ。それで浩一に一報入れとけ』

兄が言うことにゃ、近ごろのお寺さんの遣い方だそうです。

お寺のお坊さんにはジャズを深く愛する方が結構おられると聞いています。

ジャケットだけでも楽しんで頂けたら…お布施代わりにならんかしらん。

まぁ~適当にぬらりくらりと返事して電話を切りました電話

東京の盂蘭盆会(うらぼんえ)は明日・13日が迎え火となります。

如何に何んでもジャガイモだけのお供え物だけ、それもあの年下の義兄が作った新ジャガでは、亡き夫もガッカリするでしょう。

「イモか汗

好物だった旬のデラウェアを用意しますか。

お供物は、我が家行き付けの八百屋のおぃちゃんに頼んであるので、ひと安心。

午後はリモート講義が控えているので、さっさとジャガイモを頂いてしまいましょう。

すっかりお百姓さんになった・お兄ちゃん、ごちそうさまでした!