早朝、まだ人がまばらな築地・本願寺さんの境内に到着!

本願寺さんが手掛けているカフェ・レストラン「Tsumgi・つむぎ」も開店準備が整ったようです。

これから「朝ごはん」の営業が始まります。

   

築地で評判の練り物やお漬物や佃煮など18品目とおかゆがセットになった朝ごはんは整理券が発行されるほどの人気でありましたが…コロナ禍でかえってゆっくりと頂けるとか…お寺さんの御本堂とテラス席のツーショット!

さてと…この本願寺さんの裏手に住む、わたくしの幼馴染み・さわちゃんちへ急ぎましょう。

マグロの仲卸業の店の若女将であるさわちゃん…どこを指して「若」の文字をくっ付けてるんだか理解不能なんですが、まだおっかさんが大女将として現役で帳場で采配を振ってるんですから仕方がございません。

まぁ~若くはない若女将としておきましょう。

築地場内市場から豊洲市場へ移転して通勤時間が長くなったと零しておりますが、自宅から豊洲まで直線にして約2キロ!なにを贅沢なことを言っておるのか、さわ子!

で・本日は晦日・30日に行われる「大祓(おおはらえ)」は人混みで怖いから、「早いとこと済ませちまおうよ」と電話が来まして、築地場外にあります「波除神社(なみよけじんじゃ)」様へお参りに。

   

「この間サ、ヒョィと境内を覗いたらね、もう茅の輪が組まれてんのよ。巫女さんにいつお参りしてもご利益は変わんないね?って訊いたらサ、変わりありませんから早めのお参りをお願いしますって頭下げられちゃって、そのまんま茅の輪・潜(くぐ)っちゃったのよ。心の準備が出来てないからサ、いい加減に跨いじゃったわけ。だからもう1回、お参りしたいなぁ~と思って、あーたを誘ってんのよ。人が出てない日曜の朝に出ておいでよ」電話

   

出ておいでよ・だって!幽霊じゃあるまいし…6月の「夏越の祓(なごしのはらえ)」は自粛してお参りを済ませておりませんでしたから、1年の罪や穢れを清めて頂く「大祓」には参列したいと願っておりました。

用意されていた人形(ひとがた)に名前と歳を記し初穂料と共に納めます。

宮司さんのお祓いの詞は賜ることは叶いませんが、年の終わりのけじめとなればと築地まで出て参りました。

  

さわちゃんちや築地に住む人たちの氏神様である「波除神社」の境内には魚河岸に相応しい「鮟鱇塚(あんこうづか)」や「海老塚」、「卵塚」など供養する石が祀られ、狭い境内ではありますが見どころ満載の神社となっているかと思います。

十二支の彫刻もあり、今年の「子(ね)」から令和3年の「丑(うし)」が並んで建てられています。

ネズミのしっぽが妙にリアルで撫でられません。

来年は…良い年に、いえ・ごくごく普通の年に戻りますように…と、令和3年を託して牛の鼻先を願いを込めて撫でました。

  

「あ~これで安心したぁ~家内安全・商売繁盛って唱えながら潜ったわ。あーたは何を願ったのけ?」

「う~ん…コレステロール値が下がってますように・かなぁ~」おとめ座

「ったく!あーたはね、志が低いよっ!だいたいね波除神社さんがコレステロール値を下げてくれって言われたって、手の付けようがないよ!自分の健康は自分で管理、努力しなきゃダメだかんね」

「そうだよねぇ~夕べね、鶏のから揚げ・食べちゃって、どっぷりと自己嫌悪に陥ってるのよ。あちしはね、火の用心の御札を頂いていくわ」おとめ座

   

「ヤリイカの良いのがあったから。少しだけど、刺身はもちろんサッと湯がいておけば、明日までならサクサクとした歯ごたえが楽しめるよ。あとはね、生のニシン。塩焼きも美味しいけど三枚に卸して酢漬けにしてごらんな。もう魚はなんでも卸せるでしょ?年末ぎりぎりになったら小肌も取っておくからサ」

「暮れの掻き入れ時だってのにコロナウイルスで大変だね。あきらは手伝いに行けるの?」おとめ座

「うん、猫の手もあーたの手も借りたいところだけどもサ、アルバイトやパートの人たちに感染させてもさせられても困るからね、あきらも心配して訊いてくれたけど、市場の中には入ってもらうの止めたのよ。その代わり、駐車場で待ってもらって、配達だけ頼んであるんだ。お店も営業するところ減ったしねぇ~来年になったら吹っ飛んでくれるといいね、コロナ!」

あきらくんは、わたくしのもうひとりの幼馴染みのひとり息子であります。

美大に通う院生なのに朝に強く、夜明け前からマグロの解体をしながら「芸術は体力だ!」などと岡本太郎の言葉をもじって叫んでいる変な年男でございます。

こんな時期でありますから、用が済んだらサッサと帰りましょう。

「ありがとね」おとめ座

「ぼーっとしてないで気を付けて帰るんだよ」

ぼーっと気を付けて戻って参りました。

今夜は、先ずはヤリイカの刺身で一杯。

スルメイカはねっとりとして少し酸味が残りますが、ヤリイカはサクサクで生姜で頂くと箸が止まらぬほどの旨さです。

さっぱりとイカ丼にしても良いのですが…ニンニク・鷹の爪たっぷりのペペロンチーニにして最後にサッと湯がいたヤリイカを入れて「イカのパスタ」に仕上げてみました。

オリーブオイルですし、イカは低カロリーだし…と言い訳ばかり並べてしまいましたが、要は美味しいければ良いんです!

パスタを食べて幸せな気分になれたら、今日・お参りしたご利益は頂いたも同然。

さわちゃん、ごちそう様でした。

明日は…ニシンの酢漬けで一杯だ!