まぁ~朝から良いお天気だこと!
こんなに陽の光が溢れているのに、わたくし花粉症なもので洗濯物も布団もベランダに干せません。
わたくし自身も花粉まみれになるのが恐ろしくて、ひとり・じっと我慢…
東京の下町では、コンクリートや歩道の組石のどんな隙間にも小さな種から芽が出て、寒くたって雨が降らなくたってメゲずにこうして花を咲かせます。
運河沿いの歩道には、透き通るような青の花びらを持つイヌノフグリが咲いてるころかと思います。
夕べの雨で柔らかくなった土からたっぷりと水分を吸い、今日は陽の光を全身に浴びて…きっとご満悦な顔をしていることでしょう。
テレビの花粉情報では「多く飛ぶ」の注意が出ていましたし、不急不要の用事もないので、本日は家にこもって読書タイムに充てることに致します。
吉田修一・著『国宝・上 青春篇』…『国宝・下 花道篇』…それぞれ持ってるだけで手首が腱鞘炎になっちゃう360ページの大長篇!
吉田氏の作家生活20周年記念とした作品は、芸術選奨文部科学大臣受賞、中央公論文芸賞をも受賞した骨太な文芸作品となっています。
梨園と極道。
生い立ちも才能も違う若き2人の役者が歌舞伎と言う芸の道に青春を捧げていく疾風怒涛の上巻・青春篇!
芝居だけに生きて来た男たち。
その命を賭してなお、見果てぬ夢を追い求めて行く、それは凄まじい役者魂が描かれている下巻・感涙必至!
ちょっとコーヒータイム…買い物に行けない時に助かるのが日持ちのする焼き菓子マドレーヌとフィナンシェです。
「ふぅ~美味しい…」
こんなにも読み応えのある本は久しぶりのことであります。
文芸小説『国宝』の舞台は高度成長期が始まる昭和30年代、長崎で勢力を持つヤクザの組長の跡継ぎ息子と大阪歌舞伎の御曹司の2人の坊ちゃんが主人公となって、梨園の世界の裏側にも迫り、しがらみに絡まれながら足を引っ張り、そのしがらみに手を差し伸べてもらったり、令和の時代にもこのような別世界が存在するのか、否か…歌舞伎の表しか観ていないわたくしども素人には計り知れない濃い人間関係の上に成り立っているのかと深いため息が出て参ります。
冒頭は任侠の血まみれの勢力争いから始まり、「ございます調」の文体で、それはまるで大河ドラマの脚本を読んでいるようでありましたが、徐々に物語が芸への執着へと移るころは格調高いものに感じるまでになり、違和感は溶けるようになくなりました。
「パレード」、「怒り」…そして「悪人」のベストセラー作品を書き続け、映画への実写化も叶い、読者にとっては次の作品が待ち遠しい作家であると思います。
さてと…軽いストレッチをして、一気に下巻へと突入致しましょう!
だいぶと日がのびて来て本を読むのが楽しい季節であります。
ここらで夕食の下ごしらえをしておきますか。
うちの冷凍庫にはいつも切れることなく豚の挽き肉がカチンコチンになっているのは、もうご存知かと思います。
その挽き肉、今夜も解凍!
野菜室で永遠の眠りに着く・2歩手前のピーマンを発見しまして、たたき起こして真っ二つ…肉詰め出来るのは中が空っぽのピーマンだけかと思われます。
このごろは、ピーマンの種も美味しいと取らずにサラダや炒め物をするようですが、案外に硬く歯の隙間に入ってしまうと、わたくしにとっては少々厄介な種でして、ヘタと共に取り除いて頂ております。
熱々・焼き立てを酢で溶いた和辛子を薬味に添えて頂きましょう!
ちょっと喉を潤すビールが欲しいところですが、まだ後篇の残りを読まねばなりません。
うつらうつらと眠くなると困ってしまうので、ここはガマン・我慢!
老いの境地に入った2人の役者の行く末は…如何に?
「あっ!天皇陛下、お誕生日おめでとうございます。どうぞ、お健やかに過ごされますようお祈り申し上げております」
ピーマンの肉詰めを頬張りながら…あぁ、庶民のおかずだなぁ~