亥年が明けたと思っていたら、あっという間に1年が過ぎて、もう大晦日!

あまりに時間が早く過ぎてしまい、年々加速して来るような勢いで年の暮れを迎えております。

   

6月の折り返し点・30日には『夏越のお祓(なごしのおおはらえ)』で半年の間に身に付いた穢れを祓って頂き、暮れの『大祓(おおはらえ)』で身を清め、新年を祝うため、地元の氏神様・富岡八幡宮様へお詣りに行って参りました。

今日・日中は暖かでしたが、夕方になって急に冷たい風向きとなってマフラーに顔を埋めてホッ!

授けて頂く、お神酒(おみき)…熱燗だと体がカッとして温まり嬉しいのですが…そうなりますと、何かこう摘むものが欲しくなりまして…巫女さんから「ここは居酒屋ではございません」と断わりを入れられてしまいましょう。

さて…わたくしは人生初となります「大晦日に映画館」を実行するべく、日本橋にて友人と待ち合わせ。

お互い・独り身同士…暮れの買い物客で込み合うデパートを横目に映画館へ…なんか後ろめたいような?ちょっと現実逃避したような気分でございます。

「Shall we ダンス?」を大ヒットさせた周防正行(すおまさゆき)監督の最新作『カツベン』で、今年の映画鑑賞を終えたいと思います。

主人公の活動弁士・俊太郎には若手俳優・成田凌が熱演!

竹中直人、渡辺えり、小日向文世とくれば、もうお笑いふんだんのドタバタ喜劇を期待しましょう!

さぁ~映画を愛する人たちのエンタテインメントの幕開けです。

  

たった100年前…世界の映画界でサイレントでモノクロが主流でありました。

そのころ日本では無声映画はなかったと聞いています。

なぜなら日本の映画小屋では生バンドで演奏する楽士がいて、映像に合わせ独自の解釈で勝手に物語を作り上げてしまう「しゃべり」…つまり活動弁士・通称「カツベン」が大活躍していたからです。

その「カツベン」に憧れたひとりの少年の成長記とも言える本作…本筋の物語は芸達者が演技を競うがごとく演じてるんですから、面白いのはもちろんなんですが…この映画のために作られた「無声映画」の出演者が、また凄いんです。

日本橋・のたもとにある老舗「山本海苔店」の前からお送りいたしますと…「日本映画の父」とも言われた牧野省三を山本耕史が演じ、ちょっとホンの間・出ておりまして「あれ?だれ?」と首を捻っている間に場面は代わってしまいます。

シャーロット・ケイト・フォックス主演の「南方のロマンス」…??

熱海の海岸に銅像が立つ「金色夜叉(こんじきやしゃ)」のお宮になり切っているのは…上白石萌音ぇ~!

「椿姫」のヒロイン・マルギュリットは周防監督の奥様・草刈民代ぉ~?正雄でなくて胸を撫で下ろしました。

同じく「椿姫」の恋人役の青年・アルマンに扮したのはニヒルな城田優!

物語にはとても大事な無声映画ではありますが、その中だけの出演者ですから、本筋とはぶっつりと切れ、役と名前が一致するのは最後のエンディングロールとなります。

今、当たり前に観られる映画の創成期を描いている物語だけに、あまり遊び過ぎてもいけませんし、かと言って歴史のお勉強では魅力がなくなってしまいます。

見事な娯楽作品に仕上がっていると、友人ふたりと大笑い!

大晦日に観る映画に相応しい…お正月に観る映画としてもお薦めの1本です。

    

帰りに年越し蕎麦を食べて行こうと寄った店は長い行列が出来ておりまして、行き付けの何軒かを回ったのですが、どこもアウト!

仕方なくデパートで打ち立てと言う生蕎麦を、それぞれ買い求め、現地解散となりました!

「来年もいっぱい映画、観に行こうね。元気でいなくちゃダメよ!良いお年をね」

「うん。ありがと!そちらこそ良いお年を」おとめ座

まだ地下鉄は不思議なくらいガラガラでした。

今夜のお蕎麦は「年越し蕎麦」です。

せいろで頂くのも良いのですが、今夜は「ぶっかけ蕎麦」に仕立ててみました。

今宵の月は満月ではありませんが卵の黄身だけのせましょう。

忘れちゃいけない…山本海苔。

たっぷりと揉んで振りかけました。

さぁ~お蕎麦も平らげたことですし、いつでも来いよ、2020年!

この1年間、お付き合いを頂き心より御礼申し上げます。

どうぞ、良いお年をお迎え下さいませ。