「う~さみい!さみい!」…今年の営業がすべて終わった豊洲市場から亀の子みたいに手足を竦(すく)め、やっと我が家に辿り着いて、非常階段に抜けるエレベーターホールまで来てビックリ!
観音開きのドアの1枚が段ボール紙で覆われていました。
朝・出掛けると時は両手で押し開いた記憶が蘇り、あんな頑丈なドアガラスに一体・何が起こってガラスが割れてしまったのか…なにも・この忙しない三十日(みそか)に割らなくともいいだろうにと首を捻り捻りして階段を上ってきましたが、ガラスの細かな破片もない床を思い出し、きれいに片づけて下すった清掃係の方にお礼を申し上げねばなりません。
それにしても・なんだか新年を迎えるあたって段ボール紙って言うのもなぁ~
ガラス屋さんも休みに入ってしまったことでしょう。
見ない振りして通ってあげるのも、気落ちしているであろうガラス戸に対しての心遣いかと思います。
2019年・最後の注文をお茶屋さんに運んでホッとする間もなく、みんなで大掃除を済ませ、いよいよ今年もあと一日となりました。
12月半ばからバイトで入っていたあきらくんには10万円強の現ナマが…
わたくしにもくれるのかなと期待して手を差し出したらペシッと叩かれ、現ナマの代わりに支給されたのが、コレ!
「みんなぁ~お疲れさんでした!」のさわ子の号令でチョン!店のシャッターを下ろし、現地解散となりました!
「あきら、そのバイト代・落とすと危ないからサ、おばちゃんが預かっといてあげるよ」
「おばちゃんが一番、危ないんだよ。本、読んだらポストに入れとくね。じゃね」
「職質に捕まるなぁ~!」
「最大級のバナメイエビ&デッカイ冷凍マグロの塊」…まさしく現物支給!
「ひとりじゃ、こんなに食べ切れないよぉ~」
「ドライアイス多めに入れといたからサ、帰ったらすぐ冷凍庫に入れるんだよ。ホントに助かった!来年も頼むね、ありがとね」
塊を三等分にカットしてもらい、ウンショと担いで参りました。
これが金塊だったらなぁ~来年も頼まれても良いんだけど。
海老・蟹の甲殻アレルギーであった・わたくし…いつの間にか海老だけアレルギー反応が出なくなり、それからはバクバクと頂いております。
「海老も食べ切れないと思った分はすぐに冷凍庫に入れること」と、さわ子に言われたことを守り、5尾を選んで先ずはニンニクバターソテーにして、レモンをギュッと搾りバリバリ・ムシャムシャ!
シンプルながら美味しい!
賞味期限・1年の「ライスペーパー・生春巻の皮」が食品棚に置き忘れていたことを発見したのは、先日やった家の大掃除の時でした。
あれま…生春巻きのタレとなるナンプラーも一緒にありまして、はて?いつ買った来たものか、トンと思い出すことが出来ずにおります。
今日は時間も早いことですし、少しは手間ひまかけて「ひとり・生春巻きパーティ」を開催するとしましょう。
冷蔵庫にあるもの、冷凍庫に忘れていたもの・オンパレード!
冷凍・豚ひき肉は辛みそ風味に仕上げ、これまた冷凍の鶏むね肉は酒蒸ししてほぐし、半分だけ残ったキュウリを千切りに、海老は酒で茹でて頂きましょう。
これだけあれば、まぁ~具材に不足はないでしょう。
ライスペーパーはぬるま湯でなくとも水道の蛇口の水にゆっくりと通すだけでオッケーと聞いていたので、半信半疑でやってみました。
ちょっと硬めで不安はあるけど仕方ない…なにせ20枚入りですから、少々の失敗は「なんのその・精神」で決行!
「海老はシッポを外して置かないと食べずらいよねぇ~」
わたくし・口が3センチしか開かない顎関節症なもので、それに合わせてのサイズにしなければなりません。
揚げ春巻きよりもピチッと巻かないと歯で噛んだ時に具がバラバラになるそうで、そこを頭に入れて指先に伝達しなければ…
「こんなものかな?」と思いつつも、最後にペシャッとひと押しして置きました。
甘酸っぱいタレにしたいのでナンプラーを少し加減しながらレモンで味を調節していきましょう。
「お~うまうまっ!」…思っていた以上のお味で大満足!
パクチーは苦手なんですが、生春巻きと一緒だとホンの少しですが頂けるんです。
組み合わせる具材を変えて、どんどん楽しみましょう!
海老が終わっちゃったので、冷凍の豚肩ロースを豆板醤で炒めちゃいます。
ベビーリーフと紅芯大根、キュウリで試してみます。
「ウン!これもバッチリ」…けっきょく何を包んでも美味しいのが生春巻きでありましょう。
ビールが進んじゃうのが困りもの
ちょっと飲みすぎちゃいましたが…その勢いで、今年わたくし・未亡人が観たアクション映画をご紹介したいと思います。
女・ひとりで観るには過激でありましたが、どれも恋愛感情が交差しないので返って爽快・痛快・ストレス解消によござんした!
キアヌ・リーブス主演の伝説的な殺し屋を描いた「ジョン・ウィックシリーズ」の第3作となる『ジョン・ウィック:パラべラム』
前作の第2作「ジョン・ウィック:チャプター」をあきらくんから「マトリックスのキアヌ・リーブスの最新作。すげぇ~カッコいいから観たら?」と薦められ、それほど期待せずに観たのですが、これが1秒の迷いもなく人を次から次へと始末する映像にポカン!
その手際の良さは悲惨さも残酷さもなく、逆に現実味がゼロで見惚れるほどでした。
キアヌ・リーブスが新たに掴んだ当たり役だと聞いたとおり、ホント・カッコいい!
アクションに味をしめて観に行ったのはジェラルド・バトラーの当たり役『エンド・オブ・スティツ』…こちらもシリーズ第3作・アメリカ映画ですが、大統領を守る凄腕エージェント・マイク・バニングとして3年ぶりのスクリーン登場なんだそうです。
わたくしは今回が初めて観る作品となりました。
モーガン・フリーマン演じるアメリカ大統領の名前が「トランブル」って何?って感じなのですが、トラブルとトランプを足して2で割ったような今のアメリカの気持ちを表しているような気も致します。
こちらは正義ある戦いとなっていますから、観ていてマイクの身を案じ、ハラハラ・ドキドキ致しました。
父親役で出ているニック・ノルティの元気な姿に感激!
とんでもない父親として描かれ、楽し気な演技でまたも魅了されました。
わたくしは自分でも意外なんですが…「閉所恐怖症」であります。
ある日・突然…あれは娘がまだ高校…生・ぐらいでしたか?
麻布十番にあるカタツムリの殻に入って行くような造りの地下駐車場でのことであったと、今でも思い出すだけでドクンと心臓が鳴ります。
友人が運転、わたくしは後部座席に座り、娘は助手席…車が地下へ入ったとたん!血の気がサーッと引いていくのが分かりました。
手には汗が浮いて来て体が突っ張って、口から泡が吹き出ているんじゃないかと思うほどの恐怖が襲って来たのです。
娘は「何?何…どうしちゃったのよ!」などと心配する素振りを見せながらも大笑いしておりまして…この娘に老後を見てもらうことを、この時きっぱりと諦めました!
ですから映画とは言え、潜水艦の物語なんぞは例え死んでも行くものかと思っていたのですが、友人の「とにかくジェラルド・バトラーが出ている映画は外れがないから行こうよ」の口車にまんまと乗せられ観に行ったのが、良かった!
イギリス映画…『ハンターキラー潜航せよ』です。
舞台はロシア近海の海の中で始まり、そのほとんどが潜水艦の中で進んで行きます。
深海は無音…音だけが見える、そこは戦場。
怖かったですねぇ~最新の装置が満載されている潜水艦にも係わらず、とてつもなく広いと感じる、あの海・あれこそ紛れもない閉所であると気が付きました。
脇役にイギリスの名優が顔を揃え、見応えのある1本となりました。
これで慣れたかと言うわけではありませんが、日本の潜水艦の映画『空母・いぶき』も友人に誘われ観に出掛けました。
が・ひとりでは絶対にムリ!
物語の出来としては「ハンターキラー」の方がよりリアルで凄みを感じました。
『空母・いぶき』は物語の展開に余計な日常的の要素を盛り込み過ぎて、少々勿体ない気がしました。
もっと潜水艦1本に絞り、骨太に進めたら、ラストのシーンが倍になって活きるのにと残念!
中年の男性俳優ばかりが活躍する紹介となってしまいましたことをお詫びしながら、あと2本ほど生春巻き、頂くとしましょう!
映画に詳しい友人曰く…「新年早々・公開予定の映画は、どれもこれもみんないち押しだから、年内に周防監督の『カツベン』観に行っちゃおうよ!」
「年内って…明日しかないじゃん!」
「どうせ、あーたもひとりでしょ?行こうよ!」
「どうせ・かぁ~そうだねぇ。ひとりってサ、行けるときに行けるのだけが取り柄だもんね。よし、行こう!」
大晦日に映画…人生・初の試みです!