日比谷で用事を済ませ、ビルの外に出て見れば…馬場先門の交差点に建つ建物の、なんと美しいことよ!

陽の光は、街路樹を含めた人工的な街並みでさえ、平等に照らし出しています。

  

左手は皇居のお濠が道に沿って平行に続いていまして、黒と白のコントラストがきれいな水鳥・金黒羽白(キンクロハジロ)が群れが何をするでもなく水面に浮いていました。

水を撫でた風はゾクッとするほどの冷たさですが、黄葉を眺めながら、もう少し大手町方面に向かって歩いてみましょうか。

   

東京駅が近くなって参りますと、この辺りは三菱地所の縄張りとなっていまして、如何に旧・財閥が良い土地を持っているかが分かり、ど・平民に産まれたわたくし…ちょっと羨ましく思います。

今ある通帳の定期を崩し、ありったけの小銭をも搔き集め、江戸時代・幕末にタイムスリップして、全財産を投げ打って、ここら辺の土地、もしくは港区あたりの一等地を買い占めたいと願っているんですが…果たして現代の札束や小銭が通用するものなのか…運よく土地を買い求めることが出来たとしても、令和元年・12月15日に戻って来られるのか…う~ん?目を瞑り、腕を組んで考えていたら、急にバカバカしくなって来ちゃいました!

ここで、そのバカバカしさに気が付くところが、わたくしの賢いところかと自負致しております???

あまりの寒さに目を開けて見れば…丸の内仲通りに置かれたベンチには人気者のキャラクターが座っている様子。

ラグビー×アートの展示だそうです。

三沢厚彦さんのユーモア満載の「アニマル・ライオン」に会えるとは、ラッキーでありました。

    

「にんにん」の術をしている忍者の頭の上にラグビーボール?

NHKのチコちゃん、番組収録の合間を縫って駆け付けたのでしょうか…その右手には、洋服とコラボしたラグビーボールがあります。

「なるほど…それで、ラグビー×アートなんだ」

チコちゃんがアートとは思えませんが…多くの人がベンチに腰掛けて記念写真を撮っていましたが、いつチコちゃんに「ぼーっと生きてんじゃねぇよっ!」と叱られそうで心臓に悪いです。

それに比べて、この優しい笑顔…フィギュアスケートの羽生結弦選手も参加!

やはりラグビーボールが置いてあります…が、微妙な位置。隣に座って来るであろう・おばさんに肩を組まれないよう計算し尽した位置ではないでしょうか?

わたくしなど…肩がダメなら膝枕でカシャッといきたいところですが、誰もシャッターを押してくれる人が見当たりません。

それどころか冷たい視線を感じます。

こうなりゃぁ自撮りでいくか…羽生くんの膝って冷たいし、筋肉でガチガチで痛いよぉ~

栃ノ心力士がベンチを独り占め…「おぉ!あちしと良い勝負だぁ~」

三段腹を摘んでいるのかと思ったらラグビーボールのようでした。

ボールが体の一部と化しているのか、体の一部がボールになっているのか…「ホントびっくりしたぁ~!紛らわしいなぁ」

こちらは正真署名のラグビー選手・リーチマイケル!後ろに付いてボールをパスしたいと待機しているのに、今日はウォーミングアップが足りないのか、動きが硬いように感じました。

まだまだベンチは大賑わいのようですが、ここらで地下鉄に乗って我が家に戻りましょう。

   

体が冷え切ってしまったので、先ずはお風呂…次に牡蠣をみそ仕立ての鍋で頂くとしますか。

わたくしは生牡蠣はあまり得意ではないので、こうして鍋にしたりフライにしたりとしっかりと火を通し、牡蠣の持つ滋養を摂り入れております。

今夜はみそうどんで〆て、お腹いっぱい!  

  

図書館で借りた文庫本・3冊の返却が迫っているので、今夜はまとめて読んでしまいたいと思い、晩酌は缶ビール1本にしておきました。

大好きな作家、今村翔吾・著『くらまし屋稼業シリーズ』のその後の3冊、春・夏・秋とそれぞれの風情で描かれております。

表紙絵の通り、時代小説でありまして、金を積めばどこからでも、行きたいところへくらましてくれると言う裏稼業の3人を凄腕が面白く、わたくし・刊行されるのを首を長くして待っているファンのひとりでございます。

ところが…作家が頭を捻って書くよりも、どうしたって読む方が早いものですから、きっと出るであろう「冬」を楽しみにしております。

足先が冷えるこれからは、コタツに下半身…(まぁ~上半身を入れる人は少ないとは思いますが、一応断わりを入れて下半身で話を進めさせて頂きます)…で本を読みたいと願っているのですが、都会のマンションのひとり暮らしともなりますと、猫も飼っておりませんし、なかなか思うような絵図にはなりません。

わたくしが子どものころ、コタツの上に置いた生ぬるいミカンがイヤで、わざわざ台所の隅に置いてある箱から冷たいミカンを持って来て食べていました。

この歳になりますと、その生ぬるさが知覚過敏になった前歯にちょうど良い塩梅であると懐かしくと思い出しております。

わたくしの母親はコタツの上でノートを広げて勉強したり、何冊も本を積んで読んでいると「ちったぁ~家の用事をこなしてから、お座りよ。いつまでそうしてるってぇとね、お尻に根っこが生えちまうよ!」と脅されたモンであります。

コタツに埋もれて何時間過ごそうが、もう誰も声を掛けてはくれぬ暮らしが、この先もずぅ~っと続くんでしょうねぇ~

やっぱ、コタツ出すの、やめておこうっと!

 

『人老いぬ炬燵を本の置処』

(ひとおいぬこたつをほんのおきどころ)

正岡子規