その昔…深川・木場と言いますと、江戸時代からの貯木場、木材の切り出し場としての商いで大そう賑わった町でありました。

「木場」の地名を持つ土地は必ずと言ってよいほど、海、湾、川に面している場所が多いはず!

その木場の端っこにありながら由緒正しい神社・洲崎神社(すさきじんじゃ)がございます。

江戸時代、この辺りは神社のすぐ脇まで海であったとか…古地図では確かに白波がヒタヒタと押し寄せていたようですが、残念ながら今はその面影もない埋め立て地となっております。

  

先ほど「由緒正しい神社」と紹介したのですが…本殿の前に、何、この掘っ立て小屋?

恐る恐る、抜き足差し足・忍び足で1周してみました。

「誰か…いますぅ~?」

使い込んであるのが見え見えの板の隙間から掘っ立て小屋の中を覗いてみました。

なんか期待しちゃうなぁ~札束なんかあったりしちゃって!

ヤバいモンがあったら、どうしよう?

目ん玉を押し込むようにして中を見てみるとぉ…

「あ~なるほど!」

「酉の市」に熊手を飾る小屋でありましょうか。

今年は「二の酉」までで、8日に「一の酉」が立ちましたから、終いの「二の酉」は…20日かと思います。

ポツンと寂し気な「酉の市」…それはそれで風情があって、ほろ酔いの永井荷風や石田波郷らがぶらりと立ち寄っていたかもなどと思いを馳せれば、それもまた良しの風景であります。

 

これこれ!

幼馴染み・さわちゃんが、朝の忙しい時間に電話で教えてくれた貴重な情報!「玉の輿たまちゃん」…電話

「ちょっとぉ~びっくりコイたわよ!配達んときサ、豊洲から裏道通ってたら、ガードレールに括りつけてある旗がやたらとあって、運転しながら字を拾ってったらよ、玉の輿たまちゃんって書いてあんのよ!危ない?あちしはあーたと違って動体視力がちゃんと働いてっから大丈夫!それでサ、玉の輿たまちゃんって何んだって思って、配達先のもんじゃ屋で訊いたのよ。そしたらサ、それは木場の洲崎神社で新しく建てたお社(やしろ)だって言うんだわ!手を合わせてお祈りをすれば縁結びよりも欲深い「玉の輿」に乗れるんだと!凄いねぇ~あーた、今からお参りして、どんな玉でも良いから乗っかっておいでな!」

  

どんな玉でも良いからと薦める幼馴染みもどうかと思いますが、その話に玉より先に乗っちゃう・わたくしもわたくし、美しすぎる未亡人であります汗

なんだか、どっかで見たことあるようなゆるキャラ…ポケモン?東京オリンピックのマスコット?人参を持ってるところをみると馬?シッポは破魔矢になってる?大きな目には波のような涙?こんなんでご利益あんのかなぁ~

けれども、肩に斜めに掛けているポシェットには洲崎神社のお印・波除けが描かれていたりして、押さえどころはきちんと押さえてる?

絵馬まであるようで、何気な~く後ろを見てみますと「お金持ちと出会いがありますように」と記してありまして、お金がありゃぁ~どんなんでも良いのかぁーと思いつつ…わたくしでも、そう書くだろうなぁと思いまして、深く反省!

ここ・洲崎神社は5代・徳川将軍・綱吉の生母・桂昌院が守本尊である弁財天を祀るため建立した神社として、わたくしたちの世代は教科書で習いました。

桂昌院の幼名が「お玉」であることと、将軍の生母ではあるけれど、その出目は市井の八百屋の娘であったことから稀有の立身出世と言われておることはご承知の助左衛門であるかと思います。

わたくし・もしかしたらを目論みながら、目の前にある「黒い玉」を撫で撫でして参りました。

   

大嘗祭も無事に終わられたことでありますので、さわちゃんに教えてもらった「キノコご飯」…新米にキノコを入れた炊き込みご飯を仕込むと致しましょう。

半日だけ陽に当てたシイタケ、シメジ、エリンギを酒としょう油をキュキュッと揉み込んでお米の上に乗せるだけ…うまく乗せられれば、あとは炊飯器にお任せ!

   

部屋中に乾物が溶け込んで行く良い香りがして参りました。

ほんの半日でも立派な干しキノコになって噛み応えも生のキノコとは違い味わい深いものに出世をしております。

「余ったらね、バターで仕上げるピラフにもなるからね!ちょっと多めに炊いとくと良いよ」

そうであった!

明日のお昼が楽しみだわぃ!

ところで…「玉の輿たまちゃん」のご利益…もう男はめんどくさいし…縁結びってところは省いて頂いて、男なしの玉の輿ってないのかなぁ~