何らかの研究室を持つ大学は、そのキャンパス内に実験に使われた生物・動物を供養する碑や塚が建てられているかと思います。

ここ東京農業大学・世田谷キャンパスにも「実験動物 供養」と刻まれた塔が建てられていまして、学部生や院生が少ない夏休み中でも、ペットボトルではありますが供養の水が供えられております。

「やっぱり水なんだねぇ、コーヒーとか大関のワンカップって見掛けたことないもんね」おとめ座

白衣をいっちょ前に翻してやって来た院生に話し掛けたら…

「…そんなもの供えてどうすんですか!ワンカップ大関なんて考えたこともないですよ!」

農大では「動物実験委員会」を設置して、正しい指導・監督・助言を行っています。

供養塔の前を通る時、手を合わせる学生やチョンと頭を下げて通り過ぎる院生たちや、こまめに落ち葉を拾ったり、水を取り替えたり回収したりと、研究室の学生さんたちは、塔の周りをいつもきれいにして感謝をし、供養の気持ちを忘れずに日々・学んでおります。

もう少ししたら、それぞれの学部生が新学期を迎えキャンパスに戻って来て、また賑やかになるからね!

1本の桜の根元に転がっていたアブラゼミ…恐々と突ついてみれば、もう虫の息。

それでも差し出したわたくしの指にクィッと爪を立て、こうして凛々しい姿をみせてくれました。

今年も厳しい暑さであった・この夏をアブラゼミはどのようにして過ごしたのでしょう。

セミの爪の力が弛むまで、暫し桜の木陰で休むとしますか。

 

『ふたたびは帰らず深き蝉の穴』

(ふたたびはかえらずふかきぜみのあな)

阿波野青畝(あわのせいほ)