毎年・毎年、間違わずにきちんとやって来るゴールデン・ウィーク。

今年は史上初となる「10連休」とあって、東京の繁華街はどこもかしこも大賑わいとなるでありましょう!

  

わたくしにっての10連休の使い道はと言いますと…先ずは図書館から借りまくった本と買っておいたままの単行本をこなす「読書三昧」に充てること、そして人混みを避け、朝・いち番の上映時間に日本橋に銀座、日比谷から豊洲の映画館へ出掛け、こちらも「映画鑑賞三昧」を目論んでおります!

開演10分前に映画館の座席に着きますと、延々と時期公開作の予告編を観せられることになります。

山崎賢人・吉沢亮・W主演の映画『キングダム』の予告編を観たのは、2月の末ころからでしたでしょうか…小間切れをつなぎ合わせ、大音響だけの何んだかちっとも要領を得ない予告の中にあって、最初はススキの穂が揺れる場面からイントロが始まり、徐々に壮大な王宮での戦いの場へと写り替わっていく場面に響き渡る澄んだ歌声…ややこしそうなストーリーは置いといても、この主題曲のCDは絶対に「買おう!」と決めたのが、コレ!

  

主演の名よりも大写しになった『ONE OK ROCKワンオクロック)』の9文字を見て、「おぉっ!これを歌っているのは森進一と森昌子の長男のTakaだぁ~」

で・4月19日の映画公開の前に買ってしまったアルバム『Eye of the Storm(アイ・オン・ザ・ストーム)』であります。

そのアルバムの6番目「Wasted Nights(ウィステッド・ナイト)」が主題曲になって、曲が映画を、映画を曲が互いに盛り上げていると感じました。

10番目の収録されている『In the Stars(イン・ザ・スターズ)』は、神木隆之介・有村架純主演の映画「フォルトゥナの瞳」の主題曲にもなりました。

  

大ヒットを記録したと言う、原泰久・原作の漫画『キングダム』の実写映画化だそうです。

「ONE OK ROCK」が歌う主題曲に魅せられ、これは大画面で聴きたいと思い、地下鉄1本で行ける日本橋室町コレド2にあるTOHOシネマズに出掛けました。

ここがどこの映画館よりも早い午前9時15分の上映で、思ったより空いておりましてホッ!

このあとの上映時間となりますと、結構・席が埋まっていたようです。

タイトルの『キングダム』とは、国王が統治する王国、神の国との意味合いがあると思いますが、わたくし・コミックの「キングダム」を1冊も読んでおりませんので、複雑な人間関係・相関図がまったく解らずの鑑賞となりました。

最初のナレーションが要領よくまとまっていて、とても解りやすくて助かりました。

おかげ様で紀元前245年・春秋時代(しゅんじゅうじだい)が舞台の物語だと理解し、すーっと中国の戦国時代へと入って行くことが出来ましたし、観ている間にこれは昔・むかし…歴史の授業で習った古代中国の周王朝の後半期に位置する時代であると判り、それからはもうスピード感溢れる展開に鳥肌が立つほど面白かったです!

500年も続いた争乱の世であった戦国の時代を、なぜ優し気な「春秋時代」と呼称されたのか…歴史の授業では「周時代に成立した需家経典(じゅけきょうてん)のひとつである歴史書『春秋』から名付けたのだと教えて頂きました。

戦災孤児になった「信(しん)」と「漂(ひょう)」は、奴隷として売られた先でめぐり会い、いつか奴隷から抜け出し、ふたりして「天下の代将軍」を夢見て森の中で密かに剣の修行に励む日々を送っていました。

W主演の山崎賢人と吉沢亮がそれぞれの役に実にハマっていて、いやいや若手俳優と侮っていたことを、ここに深くお詫び申し上げます。

わたくしは漫画でのキャラクターを知りませんから、どっちがどっちと比べる術がありませんが、このふたりなくして・この映画は成せ得なかったのではと思うほど息を詰めて…止めてしまうと最後まで観ることが出来ませんので…魅入ってしまいました。

物語の終盤に登場する「山界の神・揚端和(ようたんわ)」を演じた長澤まさみの存在感は半端なくカッコ良いですし、今までなら綾瀬はるかが演じるアクションを、長澤ますみは軽やかに微笑みを漂わせながら流れるような動きで鋭い剣を使いこなす技を披露!

こちらは思わず息を呑んでしまいました!

強い!強い!

長澤さん!キンチョールのCM・虫コナーズに出てる場合ではありませんよぉ~!

もうひとり!度肝を抜かれたのは信が子どものころに見た「天下の大将軍・王騎(おうき)」を演じた大沢たかお!

(しん)の時代の「六大将軍」の最期のひとりとしたら、実在の人物であります。

この王騎が登場してひと声発した途端…もうこの人の独り舞台となってしまったような感を受けました。

優し気な眼差しの中にとてつもない残虐性を秘め、その眼と焦点を合わせたなら抵抗する気力を失わせてしまうほどの不気味さ…王として器の大きさを感じさせ、圧巻!威風堂々たる王の品格を表していたと思います。

後の「始皇帝(しこうてい)」になる人物ですから、その威厳に満ちたカリスマ性を感じさせなければならず難しい役どころであったと思いますが、大沢たかおさん、新しい演技の境地を開いたのではないでしょうか。

それに致しましても裏で支えた美術部、衣装、ヘアメイクの方たちの技術の高さに感服いたしました!

もうここで、わたくしのどったらこったらを聞くよりも映画館へ観に行かれることをお薦めします。

エンディングロールで流れる主題曲…大音響で聞く『Wasted Nights』…全身・耳となって聞き惚れました!

これだから、映画は素晴らしい…さて、次は何を観に行きましょうか?