「う~ん…烏が(からす)が鳴いている?てぇ~ことは、朝の4時…まだ早い」
布団の襟を耳まで引っ張って…もうひと眠り
「うん?今度は雀が鳴いている?てぇ~ことは朝の5時…あと1時間」
今度は肩をすぼめて布団にもぐって…またひと眠り
で…ハッと目が覚めたときには、すでに7時…6時に鳴く鳥はおらんのかぃっ
『四時に烏五時に雀夏の夜は明けぬ』
(よじにからすごじにすずめなつのよはあけぬ)
子規
夏の一句ではありますが、正岡子規が詠んだ光景がふっと頭に浮かびました
通常、俳句は五・七・五の17文字で納めるのですが、これは20文字と3文字の字余りの句となっています
思春期のころでしたか…俳句の好きな友だち数人と、この子規の字余りについて議論したことがあります!
「あの子規がよ、3文字も字余りの俳句を詠むかなぁ~」
「そうだよねぇ」
「ねっ!これってサ、烏に・雀にの『に』って必要?例えばよ『四時烏五時雀』でも構わないんじゃないの?」
「うーん…『に』がなくて…四時五時のすぐ下に鳥の名前を持って来ても下句(しもく)の5音で時刻と鳥の鳴き声ってことは判るよね?」
「うん、判る。でもなぁ~それでも18音だよね…子規らしくないんだよねぇ」
「だとすると…音読みにしてみる?」
「あ~音読みね。そうくるか…烏・からすは『う』か『お』だよね?」
「雀・すずめだと『じゃく』として、『よじにう ごじにじゃく…』これで17音にはなるけど…なんかなぁ~」
「子規って、わざわざそんな捻くれた句は詠まないよ。ここはぜったい素直に訓読みしかないよ!」
「だけども…この字余りの句って計算し尽されたんだか、脊椎(せきつい)カリウスの痛みでぼーっとして詠んでしまったのか解らん謎を含んでいるよねぇ~」
「痛みでぼーっとはしないよ、子規って。かえって冴えてくるタイプだと思うな。この句がいつの時代に詠まれたかだね」
「一気にサ、『…四時に烏五時に雀』まで勢いよく詠んで、『夏の夜は明けぬ』と締めれば、これから始まる1日の暑さが伝わってこない?」
「うん、なるほど!」
何が「なるほど」なんだか…当時はいっぱしに俳句を嗜んでいるような生意気な議論をしていたものです
このメンバーでの議論は、浅い人生経験も知識も尽きて…図書館の片隅で『烏』と『雀』の字を充てた難読・読み取りを出題し合い、わたくしたち・女子チームが見事、勝利を勝ち取りました!
『烏賊』…いか
『烏帽子』…えぼし
『烏龍茶』…うーろんちゃ
『金糸雀』…かなりあ
『雲雀』…ひばり
『麻雀』…まーじゃん
ここまでは男子共々・引き分けであったのですが、わたくしたち・女子が勝ったのは、この熟語でした
『雀斑』…そばかす
あぁ~あの頃は…バカだのチョンだのと罵り合いながらも言葉遊びをしながら呑気に過ごしたものでした
そんな詰まらんことを6時から7時までの間、うつら・うつらと夢を見るように思い出していて「ぎぇ~!」と気が付いたときには…わたくし・すっかり寝坊をしてしまい、悲鳴と共に飛び起きた勢いで顔を洗い、化粧水だけを顔面に叩きまくって、亡き夫にお線香を1本…『おーい!お茶はないのかい?』の声を背で聞きながらも聞こえん振りをし、毛糸の帽子にでっかいマスクで顔を隠し…走れぇ~
目的地の駅まで来れば、ひと安心と「カフェ・ファイブクロスティーズコーヒー」で、野菜たっぷりのミネストローネ・スープを注文…しようと思ったのですが、わたくし・カタカナに弱いものですから、写真を指差し「これとコーヒーSサイズを下さい」で注文完了!
スープは熱々なんですが、わたくし猫舌ならぬ犬舌?で熱いモノにはビクともせぬ舌なもので飲むように頂いて、また…走れぇ~
おかげさまで本日の万歩計・1万歩を越えましてございます