その細い脚に赤い糸を絡ませて…この世界の片隅・深川でカナブンは息絶えておりましたカナブン糸

辛く切ない恋だったのか…それとも想いを成し遂げたものなのか…ただ洗濯物に突進し、もがいた挙句、糸に脚を取られただけなのか…わたくしの勝手な想像にすら、カナブンは反論する術もなく引っくり返ったままであります赤い糸

「赤い糸」は運命の出会いで結ばれる・などと言われ、わたくしどもが思春期のころ、ロマンチックで乙女心をくすぐられたものでしたが、かの「日本書紀」にまで遡ってみますと『活玉依媛(いくたまよひめ)』が、夜這いしてくる相手を突き止めるため、父母の提案で布団の周りに赤い土を蒔き、赤い麻糸を通した針を着物裾に刺しておくようにと言われ、その糸の後を辿って行ったところ、こちらは「古事記」にも登場している『大物主神(おおものぬしのかみ)』が住む山に続いていた…確か中学校の古典の授業で習ったと思いますが、そのころは恥ずかしながら、神様の名前なんぞより『夜這い(よばい)』の方に興味津々で、先生に質問してもモゴモゴとはっきりとした回答が得られず、例の男女混合グループ・運動がからしきダメな6人と図書室に集まり、広辞苑から大辞林、古典辞典やらを引っ張り出して調べたものでしたマガジンタワー

「へぇ~!夜這いって、読んで字の如しだぜ!夜、這って女の寝所に行くんだってよ!」エェェェェ。

「女が男のところへは行かないみたいだね」こども女の子

「そこで何をするか・が問題なのよ!先生がなんで俯いてハッキリ言わないのかを探らなきゃサ、意味ないわ」コドモ:G・

「う~ん…あんまり明確には記してないけど…これには男女交ぐわうと書いてあるね!」モグモグ。

「ちょっと!こっちにはね、後家ね、夫を亡くした人のこと…戦争未亡人って聞いたことあんでしょ?あれだよね?そこに若い男が経験を積むために夜這いを掛ける…て、書いてあるよ」こども女の子

「掛けるものなのか!う~ん!これは意味深だぜ」ぼく

昭和43年ごろの中学生なんてものは、誠に初心(うぶ)であったなと思います照れる

そのわたくしが半世紀を経て、後家に…それも美しすぎる未亡人となるなどとは、その頃は夢にも思いもしませんでしたショック…

況してや今朝、赤い糸を脚に絡ませたカナブンを見付けることになろうとは…然しながら、わたくし・12階に住んでおりますもので、夜・這って来る若い者がいるかどうか…命を懸けるほどのものでもないかなぁ~と思われますahaハ。

なんだかんだと言ってみたものの…このカナブン「大物主神」の生まれ変わりやも知れませぬ糸線

 

『かなぶんの命の果ては裏返り』

(かなぶんのいのちのはてはうらがえり)

飴山實(あめやまみのる)

 

 蒲公英。 

昨日、料理教室の下働きに行きましたことはブログにも書きましたが、その時にあきらくんから「お袋から預かって来た」と、こうの史代(こうのふみよ)・原作漫画『この世界の片隅に』…上・中・下の・3巻を手渡されました3

これが「松竹梅」ですと気持ち的に「松」だけを読んで終わりにしちゃうところですが、戦争物語と淡くほのぼのとしたタッチで描く世界とのミスマッチに惹かれ、あっという間に読み切ってしまいましたsao☆

ぴょ~ん椿

表紙絵が醸し出すパステルの色調は、主人公・すずさん・そのものでありましょうxx5aya水玉

表紙カバーを取り外しましたら、一気に生活感あふれる動きのあるすずさんが登場!

わたくしは映画のアニメも、連続ドラマも観ておりませんので、こんなにも切なく、それでいてみなが善い人で、これを生身の人間で描くとなると、ちょっと難しいかもと思ってしまいますf2

ところが…あきらくんのおっかさん・わたくしの幼馴染みが申しますには、ぴったりのキャスト!であるとか…親指

「先ずね、主人公のふたり・松本穂香と松坂桃李ね、これが良いのよ!漫画の周作ってのは目がつり上がってて、この物語が持つ深い意味を解ってない人柄に感じちゃうんだけど、松坂桃李・演じる周作には、その哀切って言うのかなぁ~それがあんのよ!これ読んだら、絶対ドラマ見たくなるから!日曜劇場・TBSで放送してるから、2日の放送、ちょっとでいいから観なさいって!」girl

思えば…すずと周作が小まいころ(幼きころ)広島の街で人さらいに遭い、同じカゴに入れられてしまった出会いも、きっと赤い糸で結ばれていたからでありましょう赤い糸

わたくしの小指にも千切れてしまった赤い糸が淋しく絡みついたままであります赤い糸約束