『馬鹿と煙は高いところへ上る』と言う諺がありますが、煽てたわけでもないのに木のテッペンに止まっているのは、きれいな青の羽を持つ尾長・オナガドリです
高い場所を好む鳥ではありますから、高所恐怖症の鳥ではなさそうです
黙っていれば、こうして姿形の良い鳥なのですが、鳴く・その声は「ギューイギュイ、ゲー、ギ―」と、ガギグゲゴ調で喧しく品の欠片もない鳴き声を発します
且つて、わたくしも鎌倉の友だちに「あーたも黙っていれば、それなり・なのにねぇ~」とやんわりと「うるさい」と諭されたことがございました
それからは、ひたすら口数を少なくし控えめに暮らしたお陰でなんとか・かんとか『それなり・なのに』を保っております
この「オナガ」はスズメ目でありながらカラス科に分類されていまして、クチバシとおつむりは可愛らしいのですが、カラスのように警戒心が強く学習能力もありますので、卵を抱えている時期などうっかり巣に近づくと、あの鳴き声と共に攻撃の態勢に入るので気を付けなければなりません
オナガは雑食性なので昆虫も草花も食べますが、街路樹や庭などに生っているビワや夏みかん、キウイを啄んでいるのをよく見かけます
これから番(つがい)となる伴侶を見つけ、子孫繁栄に励まなければならぬ季節を迎えます
百日紅の枝に止まる2羽は、もう番としての約束を交わしたのでしょうか
冬空に佇むオナガの姿が微笑ましく、わたしく何やら羨ましいような気持ちで、その枝を飛び立つまで見上げておりました
先日、かの千疋屋さんで買い求めた「キウイ・香緑(こうりょく)」なんですが、そのあまりの美味しさに感激いたしまして、アボカドに続き、何んとか自宅のベランダで栽培出来ぬものかと、何枚もある舌を使い分け、大変な手間ヒマを掛け種を吐き出し採取しました
例のごとく…東京農業大学・生物生産学科に籍を置く学生さんのところに訊きに行きました
「今度は何ですか?」
「キウイを収穫したいんですよぉ!これが種で、なんと!千疋屋総本店の香緑って言う、めちゃくちゃ美味しいキウイなんです」
「千疋屋で収穫して来たんですか?香緑…香川県産かぁ~そうすると香川県の農業試験場で育成された品種ですね…香緑はメスのキウイで、たぶんヘイワードって言うオスのキウイとの自然交配で出来た品種だと思うんだけど…」
「へっ?ヘイワード?オス?」
「キウイもアボカドと同じでオス・メスがあって交配させないと実が生らないんですよねキウイはマタタビ科に属するんですけど、比較的手の掛からない植物で芽は出ると思いますよ」
「じゃ・じゃぁ?これを植えて芽が出ても、そのヘイワードって言う男を探して来なけりゃダメなんですか?」
「う~ん…そこは何んて言うか…説明すると長くなっちゃうけど…」
「長くなっても良いんですけど、あちしに解りますかね?」
「もしかしたら、遺伝子交換が成されて芽も出ないかも知れないなぁ~」
「じゃ・またアボカド同様、キウイも果物屋さんで買った方が手っ取り早いと?」
「そう解釈して頂けると、僕も研究に戻れるんですけどぉ」
「どうもお邪魔を致しましたっ」
いやいや…キウイも大変な時代を迎えているようです
産まれも育ちも良いキウイとなると勝手に子孫を残すこともままならぬとは
あちこちで産めよ増やせよでは「香緑」のブランド価値が下がってしまうのでしょう
然しながら…せっかく苦労して吐き出した種ですから、もしかすると・もしかするかもに期待をして植えてみようかと思っています
何事にもチャレンジ精神が大事ですから、ダメ元でキウイの由緒正しい子孫は別にして繁殖だけ、余計な手出しをしちゃおうかなぁ~と企てております