本日の日の入り16時50分…荒川から東京湾へと流れる河口の夕焼けです
河口ですから淡水と海水が入り混じる汽水域となっていますし、もちろん江戸前…まさに海の幸の宝庫です。
潮は大潮で、海釣りにはもってこいかと思いますが、何しろ強力な寒波が押し寄せておりますから、早めに見切りをつけ、魚は市場かスーパーで買うことをお勧めいたします
満々と岸を浸しながら大河の潮が荒川へと満ちて参ります
「さびいぃ~ぃ」
実は…「紅梅が咲き始めた」と言う情報を得まして、花が咲くとなりゃぁ~梅の実が生るだろう…生ったら、いつかは落ちるだろうなどと捕らぬ狸の皮算用でそろばんをパチパチ弾きながら偵察に行ったは良いんですが、案の定・道に迷ってしまい曲がり角にぶち当たると立ち往生…
アッという間に日が暮れてきて、寒風に晒されるハメとなりました
梅の実は遠くになりにけりぃ~
先日、讀賣新聞・夕刊に「三島由紀夫の未発表テープが見つかった」との記事が掲載されていました
自決9ゕ月前の対談には自身の文学の欠点などが語られ、三島文学研究者にとっては貴重な資料になるとのこと…
『死の位置がね、肉体の外から中に入ってきた気がする』と吐露されていると読んで、テープの肉声を聞いたならば、これは活字で目にするよりも数倍、鼓膜をグッと突き抜け心に突き刺さってくる気がします。
三島由紀夫の作品はその行動と文学が直結していると言われていますが、このイギリスの翻訳家・ジョン・べスター氏との対談は「豊穣の海」の第3巻『暁の寺』を書きあげた日に録音が行われたことが明らかになったと記されています。
その『暁の寺』は輪廻転生を描いたものでありますが、わたくしなどは到底理解が困難でして、ただ活字を追うだけでお手上げでございます。
三島由紀夫はこの小説を書いたために、「壊れた」と評されたと記憶しています。
このあと第4巻・『天人五衰(てんにんごすい)』を9ゕ月で書き上げ、これが遺作となりました。
文章は漢字が30パーセントほど混ざっていると読みやすいとされています
それより少ないと文章にしまりがなくなり、40パーセントになりますと一見にしてお硬いと感じられ、たとえ良い作品と言われようが活字を苦手とする人からは、手に取って・終わり…となり兼ねません。
「漢字率30パーセント」…ジャーナリストの林邦夫さんが仰っているのですから、間違いのないことかと思います。
上の文章は三島由紀夫の小説…『潮騒』の第1章であります!
この書き出しの部分が、林さんが言っておられる漢字率30パーセントにドンピシャリの比率に値するんだそうです!
ひらがなと漢字が交互に並び、すらすらと読み進むことが出来て、尚且つ「潮騒」…潮が満ちるときに波が発する音が聞こえてきそうで、シンと耳を澄ましてしまうほどの大海を感じます。
新潮社…ここにも「潮」が出て参りますが、この三島由紀夫全集の第9巻に『潮騒』が収られて
います。
実家においてある本棚には、三島由紀夫の作品が多くありまして、左の「全集」がわたくしのもの…
右の「集」が兄のものであります
若干、兄の「集」の装丁の方が凝っておりまして、いつかは自分のものになると楽しみにしている「集」でございます
「三島文学を味わうのなら、旧仮名遣いで読んでみなさい。そうすれば日本語の美しさがもっと解ると思う」…こう諭してくれたのは、中学時代の国語の教師、文芸部の顧問でもあった先生でした。
なるほど…日本語の美しさは伝わったのですが、三島由紀夫の精神的・感性には如何せん足元にも及ばなかった三島ファンのひとり・齢・61歳のばばさまであります。
羽毛を着込んでいるスズメが羨ましい!
それなりに毛づくろいをしなければなりませんが、一寸の狂いもない全身ぴったりのオーダーメイド…縫い目のない毛皮なわけですからあったかいでしょうねぇ
「いやいや今日はしばれるねぇ~素足なもんでサ、しもやけになりそうだわ」
「まだまだ!この寒さで弱音を吐いてどうする!北海道は大変なことになっているんだぞ」
兄が移り住んだ北海道は雪に埋もれているとかで、携帯電話もプツプツと途切れがち
もしかして…これが最後の連絡になるかと思い、声を枯らして叫びました
「あの三島由紀夫集、ちょうだいねぇ」