この季節、どこを探しても「椿」は咲いておらぬでしょう椿
い~え。東京・銀座・資生堂には四季を通してきれいな花椿が咲いておりますSHISEIDO

至哉坤元 万物資生。。。「いたれるかなこんげん ばんぶつとりてしょうず」。。。大地の徳はなんと素晴らしいものであろうか。すべてのものは、ここから生まれる・・・中国の「易経(えききょう)」に書かれている教えです本
資生堂の社名はここから頂いたものだと、花椿の小冊子で読んだ覚えがございます椿ツバキ
「なるほどぉ~」と感心を致しました椿

さて。。。こちらは小川糸・著「ツバキ文具店」・・・あの「食堂かたつむり」でデビュー、いきなりベストセラー作家となって、イタリア、フランスでそれぞれ素敵な賞を受賞されていますイタリアフランス
ここに登場する「ツバキ文具店」は、神奈川県鎌倉市…鎌倉宮を正面に右側、二階堂川に沿って瑞泉寺さんの方に歩いて行った辺りheart

表紙を捲ると、JR横須賀線・鎌倉駅を中心に街の絵地図がイラストと共に描いてありますコメント
鎌倉と言えば「鶴岡八幡宮」さん鳥居新緑
物語の舞台はこの八幡様の右手ずっと奥に瑞泉寺さんに行くちょっと手前になる二階堂かと思われます。

この左手すぐ・雪ノ下2丁目に亡き夫とわたくし、ふたりで暮らしておりました句点のまるのつもりぃ!
おかげさまで、ご近所さんたちにも恵まれ、鎌倉のあちこちに仲良しの友だちができ、毎日が夢のように楽しかったことを、この本を読んで改めて思いました。(pink)

絵地図を見ておりますと・・・二階堂川に架かる通玄橋のちょっと横・紅葉谷の辺りになりますでしょうか
今はどうなっているか分かり兼ねますが、小さな仕舞屋のお店があったような・・・?赤くて丸いポストがあって、確かその店先には「はがき・切手」の錆びた看板が下がっていたような・・・?
テニスコートに沿ってススキがきれいな野原を行った先に、わたくしのたくさんの友だちがここに住んでおりますおうち
獅子舞の谷へと通じる道でございます琉球獅子イチョウ
春には庭に咲く桜の花で家の中がピンクに染まるおうち桜*
そのちょっと先には料理上手な人生の大先輩が・・・
もうちょっと奥の坂上には、永遠の女子高生が・・・おかっぱ
俳人・高浜虚子記念館前の坂を上ったところにも、心根が優しい友がひとり・・・
みなさん、お元気でしょうかはーと

さてさて・・・本に戻りましょうsao☆
物語の主人公・雨宮鳩子
(あまみやはとこ)通称「ぽっぽちゃん」はとはと
鎌倉産まれ・鎌倉育ちの鳩子の鳩は鶴岡八幡宮さまの紋章・鳩から頂いたとかはと
二階堂川の近くに店を構える「ツバキ文具店」…表向きは文具屋さんなんですが、裏の商いはと言いますと?そんなヤバいことではなく「代書屋」を代々営んでいるお家柄・11代目『私・鳩子』が語っていく物語となっていますノート鉛筆MONOケシゴム(使用済)
ポッポちゃんが育ててもらった祖母の跡を継いだと言ううわさを聞いて、近所に住む魚屋さんや、友だちの友だちや、いろんな人たちが山のふもとにあるお店を訪ねて来ます山
借金の断り状、ラブレター、絶縁状、天国からの手紙、暑中見舞い・年賀状のハガキの宛名書き、お誕生日のカードなどなど、風変わりな依頼が次々と舞い込んできますインク/青ボールペン万年筆筆インク/黒
「夏」から始まる春夏秋冬の4つに章が分かれ、その章ごとに書き手の気配りや作法が散りばめられていて、わたくしたちの暮らしにも大いに役立つことが描き込まれているかと思いますメモ

鎌倉夫人の行きつけのカフェ・ガーデンや、東急の前の萩原肉店、ドイツパンのベルグフェルドさん、鎌倉に住んでいた文豪たちが愛した老舗のうなぎ屋・つるやさん、裏駅から御成商店街にある鳥肉専門店・鳥一のコロッケなど、ガイドブックにも載っているお店がさり気なく物語に登場し、わたくしも買い物やお茶したりキラキラ物語は少しの間、こっちへ置いといて、あれこれ思い出し懐かしくページを捲りますコーヒー

川端康成、吉屋信子も愛したと言う「鰻・つるや」さんのちょっと面白い宣伝広告でございますsao☆
このほかにも漫画家・横山隆一氏の跡地に建ったスターバックスの光景などが出てきて、そりゃぁ楽しいものです
スタバ

依頼された手紙は、出す相手ごとに筆跡や書き方を替え、本当の手書きとなって物語のページに折り込まれいて、活字と手書きとが相まって不思議な世界観を醸し出しています本

物語には食べ物屋さん、日々おの暮らしを彩るお店のほかに、鎌倉ならではのお寺さんや天園ハイキングコースも紹介され、扇ガ谷(おうぎがやつ)にある寿福寺さんも主人公の思い出の場所として描写されています。
山門を潜って回れ右…今来た境内の参道を振り返ると、この風景となります。
路を隔ててすぐに横須賀線の踏切があって、それを渡り緩いカーブを沿って行った辺りに緑のお屋根の歯医者さんがございます。
そのご夫婦共々、わたくしたちは仲良くお付き合いをさせて頂きました。

寿福寺さんの参道には華やかな花はありませんが、深い緑色した苔がびっしりと生え、それはそれは静かな趣のあるお寺さんで、ぽっぽちゃんと亡くなったおばぁちゃんとの思い出の場所としてはこれ以上のお寺さんは考えられぬかと思います。

最終章の『春』にはお隣のバーバラ夫人のお家でお花見のガーデン・パーティをします
鎌倉では本当に素敵なホーム・パーティやガーデン・パーティが開かれ、1品・持ち寄りでのパーティによくお声を掛けて頂きましたビール赤ワイン
そのバーバラ夫人の言葉に「友だちは数じゃなくて質ですから。。。。うふふ、分かります!分かりますぷぷッ(笑)
物語の最後は、ぽっぽちゃんから厳しかったおばぁちゃんに宛てての手紙が書かれています
今は手書きの手紙をあまり頂くなってしまいましたが、やはり決まった活字とは違い、出す人のお顔を思い出しながらひと文字、ひと文字綴っていく作業は極上の楽しさを秘めているものであります便箋

なぜ「ツバキ文具店」なのか・・・
文具店の入り口には、まるで家全体を守るように大きな藪椿
(やぶつばき)の木が植えられているからだそうで「なるほど」…表紙絵には2階の屋根まで届くような木が描かれております椿
鎌倉の暮らしぶりをこれほど具
(つぶさ)に書き込まれているのを読んでいますと…鎌倉の友だちを訪ねてみたくなりましたハート
物語の世界にスッと入ってしまい、自分も登場人物のひとりとして、鎌倉を歩いているような心地よさを感じます花(セキセイインコ)
「え~いハート
多くの質の良い友だちにめぐり会えた鎌倉ライン思い切って行っちゃおうっとだるまさんが
夏の鎌倉は3年ぶりです夏
miemiexのブログもちょっとの間、夏休みを頂きますうみ。土下座
それでは「いざハート鎌倉へ行ってきまぁす」
hi*