梅雨が明けた東京の暑さは半端じゃありません
夏の花・向日葵でさえ、げんなりと俯いて太陽を見ないようにしています
街路樹の日陰でひと休みをしていて、つくづく思うことは…
「ふぅこんな暑い日に日傘も差せない・水も飲めない…況してや他の木の日陰にも入れないあぁ~ホント街路樹に産まれて来なくてよかったなぁ~」
「あのね真冬にもおんなじようなこと、この下でボヤイていませんでしたっけ?『あぁ~こんな底冷えする寒い日に、ぶるぶる震えながらボーッと外で立ってなきゃならないなんて!ホント街路樹に産まれて来なくてよかったわぁ~』…とか何んとか」
やかましいなぁ~とヒョィと上を見ましたらアブラゼミが下半身を震わせ大音響で鳴いているじゃないですか
街路樹の木の皮に上手に擬態化していて、よほど眼を凝らさなければそれとは分かりませんでした
頭のすぐ上でもって「ジジィジ、ジジィジジィ…」と鳴くから、まだいいようなものの、これが「ババァ、ババァババァ…」と鳴くセミでしたら、即刻潰しておるところでございます
それにしても…遅い
みなさまもご承知のセコムではなく「セコイ」前・都知事・舛添要一氏が辞任を致しましたので、新・東京都知事選挙が31日に行われます
「期日前投票に行く!」と言ったら「私も一緒に行く!」と言うことで、大学2年・あきらくんの母親と木の下で待ち合わせをしたんですが、これが待ち合わせの時間を3分過ぎても来ないっ
カップラーメンなら出来上がっている時間であります
「お~やっと来た来たっ走れぇ!メロス」
「ふぅ~暑ぅねぇ、そのメロスってサ、懐かしかない?おバカなあーたがサ、国語の時間にメロスの走行速度はどのくらいだって先生に質問して怒らせちゃってサ、あーた廊下に立たされたでしょ」
「…そうそう、思い出したっあれって、どう考えたってサ、行きと帰りの距離って合ってないんだもん!太宰ってやっぱり謎だわ今、読んだって分からんよ」
わたくし、廊下に立たされたおかげで、同じ太宰治の短編『女生徒』をじっくりと読むことができました
最後の締めくくりに、乙女だったわたくしは痺れたものでした
『私は、王子さまのいないシンデレラ姫。あたし、東京の、どこにいるか、ごぞんじですか?…』ここだよここ下町のチンケな学校の廊下におるわっ
思えば…わたくしの学生生活は、教室にいるよりも廊下で過ごした時間の方が長かったような気が致します
昭和とは、まことに良き時代でありました
期日前投票は、前回の参議院議員選挙と同じ、江東区役所2階での投票となるのでチィとばかり遠出となります
「あーた、31日の投票日って何んか用事があんの?」
「ううん、なぁ~んにもないわよ」
「じゃ、わざわざあたしにくっ付いて今日、行くこたぁないんじゃないの?」
「あーたは31日、何んか用事があんの?」
「別にないけどもサ、もう候補者の政策も実力も解ったからね、なんか起きないうちに貴重な1票を投じよう!と・まぁこういうわけよ」
「ふ~ん」
江東区役所の壁という壁に、ガラス戸というガラス戸にペタペタと貼ってあります、このポスター
2020年の東京オリンピック・パラリンピックのほとんどの競技場並びに選手村がこの江東区で置かれるものですから、力の入れようが山手の地区とは、かなり違うかと思われます
「スポーツ&…下はなんて書いてあんの」
「人情の熱いまち・江東区・・普通サ、人情って厚いって字を当てない熱い人情じゃやけどしちまうよねえ~とサポートじゃないかなぁスポーツ&サポート」
「ふ~ん。&を真ん中に置いて、読みにくいロゴで大丈夫なのかね」
「だからサ、こういうのをあーたんとこの息子に考えさせりゃいいのよなんのために造形大行かせてんのよ」
「このポスターの公募って、息子が造形大入る前に終わってると思うよ」
「ふ~ん」
平日の午後だと言うのに…期日前投票は列を作るほどの混雑ぶりでありました
みなさま、投票日前になんかあって行けなくなってしまったら大変!大事な1票を無駄にしたくないとお考えであろうかとご推察致しました
投票・出口には風船とポケットティッシュが置いてありまして、係りの人が「どうぞお持ちください」と勧めてくれまして、さんざん迷ってポケットティッシュをひとつ頂いて帰りました
幼馴染みの手を見ると3つもティッシュを掴んでおります
「駅前で期日前投票をお願いしまぁすって渡そうかと思ってサ」
「3人に」
「ううん、ひとつは私だから、ふたり」
「舛添要一だね」
「なに、それ」
「セコイ」
昔、江東区は「夢の島・ゴミの島」と言われ、ハエが多く飛んでいる町とも言われて続けて参りました
長い間、東京23区から出るゴミを一手に引き受けて来たのですから、とやかく言われる筋合いじゃないんですが、江東区と大きな声で言うにはちょっと恥ずかしいものがありました
ところが、ここ10年20年の間に立地の良さが認められ大手企業が次々に本社屋を建てたり、支店を置いたりとすっかりオフィス街のようになりつつありまして、企業側も多くの緑地を地元に提供してくれたおかげで見違えるように緑が多い街となりました
ですから…ビルとビルの間でミンミンゼミ、アブラゼミがあちこちで大合唱しております
ありがたいことであります
「ねっ!新しく出来たラーメン屋さんで油そば、食べていかない」
「油…そば?セミやムシじゃなくて?」
知る人は知っている『油そば』。これは東京が発祥の地とされています…と言うほどのものではありませんが、汁なし中華そばを言います
その店、その店で工夫を凝らした油がミソとなっていて、これを茹で立ての中華めんに混ぜ混ぜして掻っ込みます
せっかちな東京っ子が早く食べたくて、熱い汁を省いちゃったようなおそばでございます
チャーシューご飯・小盛りも頼んじゃいました
「ジジィジィ~」と鳴くアブラゼミの気持ちが少しだけ分かるような気が致しました…旨ぁ~
ぜひ、東京の味をお試しあれ