まだ春浅きころベランダに置いてあります鉢の隅っこに…と申しましてもアメリカン・ブルーの花を押しのけ、謙虚さなどと言うことを微塵も感じさせぬほど堂々と勝手に芽を出し、すくすくと育っております、我が家のサニーレタス
買い足した土の中に種が混じっていたのでしょうか
それならばと苗屋さんで緑鮮やかなリーフレタスを買い求め、ちゃんとした鉢に一緒に植え替え、ベランダ菜園を試みることに致しました
それなりに収穫の喜びも味わいまして、独り暮らしに在ってなかなかに重宝致しております
わたくし甲殻アレルギーを持っているのですが、キウイとレタスにも多少のアレルギーが出てしまいます
キウイは食べ過ぎなければ何事も起きませんが、許容範囲を超えますと唇がタラコ唇になって喉もひりひりして参ります
「お母さんの許容範囲って1個丸々食べたって出ないじゃん!キウイ2個も3個も一気に食べないでしょ、普通!」
「う~ん許容と言うか寛容と言うか…そこが境目だ」
ではレタスはどうかと言いますと、根元の切り口から出て来る白い乳液のような液体…あれがいけませんで、触ると手が痒くなってしまうので、すぐに石けんでごしごし洗わねばなりません
レタスはレタスでもサニーレタス、フリルレタス、マスタードレタスなど葉ちしゃのレタスでしたら、いくら食べても平気なんです
玉ちしゃ…キャベツのように丸いレタスやサラダ菜がいけません
切り口から出る液体にはポリフェノールが多く含まれ、栄養的には申し分がないのですが、繊細かつデリケートなわたくしは過敏に反応が出てしまうようです
レタスの和名「乳草(ちしゃ)」の由来も、この白い牛乳のような液から来ていると聞いたことがありまして、なるほどと思った覚えがございます
スーパーで何んとも楽しい名前のレタスを発見
東京都産「フラメンコレタス」とあります
袋にはフラメンコダンサーも描かれていて、レタスはすっかりその気になっているようで、葉っぱの先がドレスのように揺れています
「う~ん」
まさか…このレタスを食べるだけでパエリアやサングリアを味わっている気分にはならないでしょうが、ちょっと気になるレタスではあります
フラメンコがあるんだから、タンゴやワルツもあるだろうと辺りを見回しましたが、まだ品種改良がなされていないようです
すぐ隣の棚には普通の玉レタスが並べられているんですが、これがまた「パパレタス」に「ママレタス」と訳の分からん名前が付けられています
わたくしが産まれる数ヶ月前に封切られ、数々の賞を受賞し名作と言われるジェームズ・ディーン主演の映画「エデンの東」にも、この玉レタスが登場したのを思い出しました
レタスを満載した貨物列車がアメリカ・カリフォルニアから東部の市場へと向かいますが、途中雪崩に遭い運行不能となってしまい大儲けをするはずだったレタスは貨物の中で腐ってしまいます
名前はとにかくも、こうして毎日新鮮なレタスが並ぶ様はまことに平和で流通の進歩には目を見張るばかりです
今宵は、ちょっと世を拗ねたような目をしたジェームズとともに「フラメンコレタス」を頂くことに致しましょう
シャキシャキとシナァ~の中間のような歯触りで、フラメンコの歯切れの良いリズムとはちょっと違います・が、ジプシーのような個性的なクセもありませんから、どんな野菜との組み合わせもオッケーかと思います
食べ進んでいくうちに…
「なるほどぉ~なんだか踊りたくなってきたぁ」