時折り強く吹く秋風が悪さをし、ベランダに吊し干してある唐辛子をメダカの棲むツクバイに落としたものと思い、ヒョィと摘まもうとしたら…

「あらぁ?羽があるわ!赤とんぼ?」

正確には『アキアカネ』と言われておりますが、今では九州の長崎・鹿児島県では絶滅危惧種の指定にされているほど数が激減していると聞きました。

 

昭和30年代…東京の下町・深川の原っぱで走り回る子どもたちの頭上を数え切れぬほどの赤とんぼが群れをなして飛んでいたものです。

あれほどの数のとんぼは、どこでヤゴ・幼虫の時代を過ごしたのか…清澄庭園の由緒正しいお池で羽化したものでしょうか?

思えば…その飛ぶ姿にもどこか優雅な趣を漂わせてはおりました。

だいぶと前になりますが、天気や桜の咲く予報などを行っている気象庁で、成熟し体が赤く染まった赤とんぼ・アキアカネの成虫の初見日(しょけんび)の生物季節観測をしていると知ったときには「へぇ~気象庁も粋なことをやるじゃん!」と意外な思いがしました。

そのほかにも、ツバメや蝶と言った鳥類、昆虫、ウグイスやホトトギスなどの初鳴きをはじめ、これが聞こえなくなったり、見納めの時期を示す終見日もあるとか…こんな五感を活かす仕事も楽しいだろうなぁと憧れた時期もありました。

今でも観測を続けているのかは分かりませんが、我が家のベランダの小さな小さなビオトープ・メダカのツクバイに卵を産み付けていたら…しめこのうさぎ、こんな嬉しいことはありません!

とんぼは後ろに向けては飛ばぬ。前に進むのみと言うことから『勝ち虫』の異名があるほどです。

そんな勝ち虫が我がベランダで息絶えているとは…縁起が良いものか?

それとも悪いのか?

「うーん…」

メダカと一緒に考えよう!

 

尾花・芒・薄・すすき…花言葉・心が通じる

 

 

萩・芽木・初見草(はつみぐさ)花言葉・柔らかな心   

              

 桔梗・朝顔・岡止々支(おかととき)…花言葉・変わらぬ心

 

『七草七つ何ぞ名は尾花葛花萩が花名もなつかしきなでしこや深きゆかりの藤袴何女郎花霧の中朝顔咲ける朝な朝な』

(ななくさななつなんぞなはおばなくすばなはぎがはなまもなつかしこなでしこや深きゆかりのふじばかまなにじょろうばなきりのなかあさがおさけるあさなあさな)

「七草・正岡子規」

 

春の七草は食して冬の間に体に溜まった毒を外に出すと言われております。

秋の七草はと申しますと、風流に眺め、遥か昔に詠まれた万葉集、源氏物語に心を馳せる楽しみがございます。

ここらでひと息吐いて、秋晴れになったなら秋の野草を探しに散歩に出ましょうか?