この超・低気圧がうごめく中、風船蔓(ふうせんかずら)が、ぷっと実を膨らませました。
雨は半端ない降りとなり、どんどん気圧が低くなってきているのを肌で感じます
低気圧に押し潰されて、そのうち風船蔓の風船だけが萎んでしまうのじゃないでしょうか?
わたくしの言葉にちょっと青ざめ、ビビっちゃってるみたい?
「このまま萎んだら…中で育ってる種はどうなっちゃうんだろう~」
健気な風船蔓、少し驚かせてしまったかも知れません
鎌倉の友だちに、この風船蔓の兄妹を託して参りました!
「そっちの風船蔓、膨らんでますぅ?」
昨日…北海道に移り住んだ我が情けないお兄ちゃんに、北海道・当麻町の特産品である「でんすけ西瓜」か「夕張メロン」をねだるメールを送りました
兄からすぐに返信がありましたことは、みなさま既にご存じであると思います。
私は西瓜かメロンと、どちらかの「か」を指して言ったのに、兄からのメールには「新茶と羊羹」と両方を指す「と」を使って返信を送りつけてきました
北海道では茶葉の栽培はされていないのでしょうか?
そこのところを兄に聞きましたら…
「あるにはあるんだけどもサ、熊笹茶かハスカップ茶なんだよ!俺はね、薫風香る川根茶の新茶が飲みたいのよっ!羊羹?羊羹ぐらいはあるよ!だいたいね、大納言と言う超・ブランド品の小豆が獲れるんだからなっ!北海道をバカにするな!」
「じゃ、羊羹はそっちで調達できるわけね?こっちは新茶のようなものを送るから、メロン!メロン頼むで!」
「メロンは隣のじぃさんの畑で生ってるのでいいな?羊羹はサ、とら…」
「ガチャンッ」…とらのところで、こちら・東京の受話器を置きました!
娘が小分けにしたいろいろな茶葉を見付けて来てくれましたので、先ずは味比べをしてみました
ティバッグのものもあれば、急須で淹れる茶葉もあり、お味も良く香りも活きていますし、これならヒマなお兄ちゃんも喜んでくれるでしょう
羊羹はどうしようかと迷ってましたら…娘に聞かれました。
「おじちゃんってサ、どこの野球ファンなの?」
あれぇ~?そう言えば…兄と野球云々の話など、これまでしたことがありませんでした
何しろ兄は運動神経ゼロ!スポーツ音痴もいいところでして、中学校の入学式が終わった直後、校庭の隅にあった砲丸投げの球を悪戯に投げ、ぎっくり腰になってしまい、真新しい制服を泥だらけにしながら這って帰って来た…と言う、私のたったひとり・自慢の出来る兄でございます
誰が見ていたものか…きっと町内を這っている兄を見掛けた何者かが広めた噂でありましょう、運動クラブのどこからも声が掛からず、兄は前にも増して本へとのめり込んでいきました
そんな兄ですから野球に関する話など聞いたことも、況してやキャッチボールすらしているところも見たこともありません。
唯一、大相撲とアメリカン・フットボールだけは熱心に観ておりました。
「阪神ファンだったらサ、この羊羹ってぜったい食べられないよね?」
「何々?千里の風?虎が風を切って走る躍動感と黄と黒の虎屋の斑点模様を意匠化した羊羹です、だぁ?」
切ってみましたら…ホントだ!虎だわ!ぶつ切りにしたろかっ!
天下を馳せる虎屋さんのことです。
近いうちに東京読売巨人軍に相応しい羊羹をこさえて下さるものと信じ、阪神タイガースを思わせる羊羹・千里の風、白餡の旨さが際立つ美味しさでして、完食!
阪神ばかりに闘志を燃やしていたら…今日から始まったリーグ後半戦の対中日戦で、菅野の7勝目を澤村が台無しにしてしまいました
ガックリ…コン後半戦スタートから、夢とチボウとが風船のように萎んでいくようです。
「なんかサ、手足も心も冷えてきた感じがする」
梅雨寒でしょうか、家人が蠅みたいに手を擦すっています。
その姿に思わず声を出して笑ってしまいました。
さぁさ、熱い焙じ茶でも淹れましょう!
『ひさしぶりにふと声を出して笑ひてみぬ
蠅の両手を揉むが可笑しきに』
(ひさしぶりにふとこえをだしてわらいてみぬはえのりょうてをもむがおかしきに)
石川啄木