キリのいいところで本を閉じようと思いながらも、結局最後まで読み切ってしまい、気が付いたら…「ありゃりゃのりゃ」
すっかり日付が変わって、そろそろ朝刊が刷り上がるころ…という時間になっていました
東野圭吾・著『ラプラスの魔女』…東野氏が作家活動を始めてから30年。
その記念となる本作品は80作目となるそうです
もっと多いかなと思っていましたが、意外やふた桁とは…
けれども80作それぞれに読み応えがあり、各シリーズ物の登場人物・キャラクターが持つ個性に魅せられ、物語に引き込まれたせいからかも知れません。
江戸川乱歩賞、直木賞、柴田錬三郎賞、吉川英治賞ほか数々の賞をその手に収めてきた東野氏…本作品はKADOKAWA(角川)創業70周年記念作品にも選ばれるなど、出版業界からの厚い信頼が伺えます。
エンジニア出身の東野氏らしく原子力発電や脳のメカニズムを扱った作品が多いのですが、本著「ラプラスの魔女」はフランスの数学者・ラプラスが提唱した「ラプラスの悪魔」からとった題名かと思います。
箱根・大涌谷から上がる白い噴煙や口永良部島の噴火の様子も生々しい中、硫化水素による自殺や事故死が絡んでくる物語は、ここ火山国である現実の日本を浮き彫りにしていると思います。
ただ今回の主人公はと問われますと、登場人物の誰でもがその大役を担ってしまい…先の世を見ることが出来る強烈な能力を持つ円華(まどか)と謙人(けんと)の存在が今ひとつ…物語の軸にならなかったように感じました。
それにしましても、多種多芸の宝庫・東野圭吾氏の作品は時をも忘れる魅力が秘められているかと思います
夜更けてまで本を読んでしまったのには、物語が面白かったのはもちろんなんですが、家人のおしっこに少ぉ~しばかり鮮血がみられ、もしかしたらまた!腎盂腎炎?と時々様子を診るためもあってのことでした。
「おしっこって言うなよ!尿と言う医学用語があるんだからサ」
私がいつも「おしっこ出た?」と子ども扱いしていることが、家人をご機嫌斜めにしているようです。
「尿、出た?」…では、 どうにも滑舌がはっきり致しません!
「じゃ、しょん便で手を打とう!」
「あのね俺は小便小僧じゃないんだよ!なんできみと手を打たなきゃなんないの?」」
いい歳をした年寄りが拗ね始めると、もう手に負えませんな
先日から我が家に来て下すっている訪問医療の女医さん。
この先生、チャキチャキの東京っ子でして、5月・6月と地元・浅草の三社祭りや鳥越神社で神輿を担いで来たとかで、その度に肩から腰から太ももまでパンパンに張ってしまい、痛くて家人が寝ているベッドの横に座れないってんです。
「先生、大丈夫ですか?」
「ちょ、ちょっと待って下さい…あ・いてて」
「今、踏み台にしている小さな椅子、持って来ますから」
「はぁ~っ済みませんねぇ。ヨイッショッと」
昨日のブログではないんですが…「どこからともなく」湿布薬のニオイがしてきます。
先生が動くたびに、それはプ~ンと鼻にきます。
先生も大変だなぁ~と、何が大変だか分からないんですが、そう思いました。
ストーマの袋に溜まったしょん便に鮮血を確認した先生はすぐに採血を行い、「血液検査の数値によっては、また抗生物質の点滴をしますね」と採血用の針を有無を言わさず家人の血管に差し込みました!
「きんしくんの血管は太いので刺し易くて助かります。結果が出次第、点滴を打ちに来ますから、おしっこがよく出るように水分をしっかり摂って下さい」
「先生もおしっこで通しているんですか?」
「ハイ。患者さんにはおしっこがいち番ダイレクトに通じますから」
「そうですよねぇ。我が家でもおしっこで通すことに致します!」
横目で家人を見ましたら、寝た振りをしているタヌキに化けておりました。
翌日…多少ではあるけれど、なんとかかんとかの菌の数値がちょっと高めに出てしまっているらしく、やはり点滴のお世話になることに相成りました。
いち日・ひと袋30分ほどの点滴ですから、そう負担にはならぬかと思いますが、5日間は続けねばならず、その度に血管に穴があくことになるわけで、憎まれ口をきくとは言え、ちょっと気の毒な家人ではあります。
採血され穴のあいた血管ひとつと、点滴の針であいた5つの血管…合計6つの穴、再生されるのにどのくらい時間がかかるものなのでしょうか?
「山の穴あなあな…あなたの空遠く…穴はいつ閉じるんだろうねぇ」
懐かしい三遊亭圓歌が出て参りまして、おあとがよろしいようで…