東京は今、大紫躑躅（おおむらさきつつじ）の花が次々と花開き、街は一気に華やかな雰囲気に包まれています。
ちょうど私の腰のあたり…大振りの花がみっつ一組となって丸ぁ～るくなって咲いています。
つつじの名所と言われている六義園、根津神社のつつじ祭りも時期を早めて開催しないと花の見ごろが過ぎてしまうかも知れません。
「うん？」
なんか妖しい音楽が聞こえてきそうな、ピンクに染まったつつじの小部屋であります！
「ちょっとだけよぉ～」
懐かしいなぁ、あのペレス・プラード楽団の「タブー」が微かに聞こえてくるような？
真っ昼間から、このクロハナバチは何を考えているのでしょうか？
けれども、このコンクリートに囲まれた街中で、よく産まれ育ったもんだね！
祝いのプレゼントにタブーを口ずさんでやりました
「ちょっとぉ～その気になっちゃうから、その音程がズレたハミング止めて下さいっ
こっちは花粉を集める仕事をしてんだから、邪魔をしないでもらいたい！」
大変失礼をしました！
ところが困ったことに、この「タブー」のメロディが頭から離れず、自分の目付きが怪しく？妖しくなっていくのが分かります。
これはテナーサックスの音色を堪能できる、きっちとしたタンゴ・ラテン音楽なんですから、妙な気分になっちゃう曲ではないんです！
すべては加トちゃんの「ちょっとだけよぉ～」が台無しにしちゃったようなもんですが、ずい分と楽しませてもらったのも否めません。
こんなところで油を売っている場合いではありませんでした。
そろそろ、本日の抗生物質の点滴が始まる時間です
買い物袋を両手に早足で家に戻りました
１０時ぴったり、セコム訪問看護ステーションから看護師さんが来てくれました。
点滴だけで４本。午後１時ごろまで掛かりますが、抗生物質の投与が終わるまでは看護師さんがいてくれますので、副作用が出た場合いでも安心です。
でもぉ～、ブドウ糖の点滴が終わったら、なんの資格も持たない私が家人の血管から針を抜かなければなりません。
懇切丁寧な指導に抜き方・そのあとの処置を教えて看護師さんは次の患者さんのところへと行ってしまいました…
「えーぃままよ！なんとかなるやろ！」
「いい！いい！俺もちゃんと聞いたから自分のことは自分でやる！」
これほど…家人の信頼がないとは、今の今まで思いもしませんでした
でも、私でも家人に抜いてもらうより、自分で抜くだろうなぁ～
思わぬところで、私たち夫婦の実態が明らかになったような、そんな気がした瞬間でした
３５年前の今日・２５日は、東京・銀座で現金１億円の落し物が見つかった日であります
３５年前の１億円ですから、そりゃぁ気が遠くなるような金額でした！
結局、落とし主は現れず、届け出た人が満期？を迎え１億円を頂いたとニュースで知りました。
２匹目のドジョウが、銀座の名物・柳の下にいるかも…
「ちょっと銀座まで行って来ようかしら？」
「おい！１億円、持って帰って来られるか？すぐタクシー拾って帰って来いよ」
「タクシー拾うより、まずは１億円拾わなきゃ！」
病人のくせして、私より欲深いんですねぇ。
こそこそするより、堂々と届けた方が人の道でありましょう！
「届けてサ、落とし主が現れちゃったら、どうすんだよ！」
「あのね、あーたは点滴が終わるのを大人しく待ってて下さいな」
このごろの落し物の中には、入れ歯やお骨、お位牌に仏壇もあるとか聞いたことがあります。
「なんで、こんな時に、お骨や位牌の忘れ物の話するの？」
「私もね、還暦を迎えてからと言うもの、物忘れがひどくなってるから、もしかしたら忘れちゃうかも知れないでしょ？そしたら、ごめんね」
「今、謝るなよ！だいたいサ、そんなもん持ち歩く方がおかしいんだよ。確信犯だな」
さて…日比谷線・上野構内にあった『お忘れ物総合取扱所』が、３月より南北線・飯田橋駅構内に移転したとのポスターが貼られておりました！
「あっ！置き忘れた」と思ったら、諦めずにここを訊ねてみて下さい
まだまだ、この国の人たちは正直で良い人たちが暮らしているのを実感できる場所かと思います
点滴が終わりましたら、先日鎌倉の友だちが持たせてくれた鎌倉・大町にある『大くに』さんの小菊らくがんでひと息いれましょう
ほろっと口の中で溶ける和三盆…ふたりの間に出来た深い溝も徐々に埋まってくるような甘さであります。
「美味しいね」
永六輔さんがこう申していたことを思い出しました
『断層には埋める以外にも橋をかける楽しみがある』
（だんそうにはうめるいがいにもはしをかけるたのしみがある）
