北海道から飛行機に乗って我が家にやって来たアスパラです。

ハウス物なんですが初アスパラとして出荷が始まり、北海道に移り住んだ我が情けないお兄ちゃんが気を利かして送ってくれました。

冬と夏の寒暖の差が60度を超えると言われる北海道の大地は、甘みが強く味の濃い野菜を育てるのだとか…

トマトの甘さを越える糖度75度のアスパラが収穫できる、まさにスーパー大地と言っていいと思います。

「ハウスの周りはまだ雪が積もってんのにサ、アスパラが黒い土からニョキニョキって立ってんだよ。なぁ~んか妙な気分になっちゃうよ」

ただ立っているアスパラを見て、妙な気分になっちゃう67歳の兄を持つ妹、59歳の私はどうしたらいいんだ・よっパンチ!

兄の話を聞いていますと、このアスパラ、どうも訳ありな様子。

少しばかり曲がっていたり、太さ・長さが揃っていない所謂「農協に出荷出来ない規格品外れ」のアスパラのようです。

私たち兄妹が規格外れのような・もの…と親戚中から指を指されておりますから、アスパラの規格外れなど、どうってことはありません!

「いいかい!人に後ろ指を指されるようなことをするんじゃないよっ!分かったかい」

母親が私たちふたりを前にして口を酸っぱくして言っていたんですが、その自分の身内から後ろどころか、真正面から指を指されている始末…汗

その母方の親戚にもアスパラを送ったようなんですが、今のところ苦情の電話がないところをみますと、おぃちゃんやおばちゃん、従姉弟たちはアスパラがお気に召したのでしょう!

何しろ…冷凍のコロッケ70個、その元となるジャガイモと玉ねぎをダンボールいっぱい、生のニシンを家族の人数を上回る数、兄が漬け込んで失敗したたくわんなどを送り付け、その見返りにどこそこの何なにを送れと紙に書いて入れるもんですから、電話代の高い北海道へ電話をするより、同じ東京の私のところにああでもないこーでもないと文句が来ます電話

私は兄への苦情係りの窓口にされているんですむかっ

今回、私が言い渡されたお礼の品は…

「5月になってからでいいからサ、おみえちゃんは新茶を頼むね。新茶のお茶請けは羊羹がいいねぇ。俳句になかったっけ?子規?そうそうその句!さすが子規だね、俺の気持ちを詠んでるわ」

 

『羊羹の甘みを好む新茶かな』

(ようかんのあまみをこのむしんしゃかな)

正岡子規


ああぁ~私なりに古茶と古茶とをブレンドしたお茶を送ろうかしらんお茶

こちら、娘夫婦が飼っている「柴犬・うに」ですわんわん

桜の花びらで自分の名前を書いたとか…

賢い犬だ!

近ごろのワンコロもバカにはできないなぁ~

純粋な和犬だと言うのに、ローマ字で書いとる…汗

今度はドッグフードで書いてごらん。

美味そうな匂い…誘惑に負けずに書けるかなしっぽフリフリ

娘のところにも届いたという「訳ありアスパラ」…

娘はアスパラに豚肉をくるくると巻いて、フライパンで焼いて食べると言っていますブタ

娘が豚なら、親である私は牛でないと親の威信に係わるかと思います。

太さが違うアスパラを時間差で炒め、調整をしないとゴリゴリに仕上がってしまいますから、ちょっとの手間を省く訳にはいきません。

根元の皮をピューラーで取っていて、娘が前に言っていたことがぼんやり頭に浮かんで来ました。

「うちの犬、ジャガイモとかアスパラ大好きなのよ。皮とか根元のところ茹でて冷凍しといて」

柴犬のほかにトイプー・はろも飼っていまして、2匹ともアスパラなどの野菜が好物だとか。

犬のおかげでアスパラ全部丸ごと無駄にすることなく、お腹に納まります。

「残ったアスパラはね、立てて冷蔵庫に入れとかないとダメだぞ。アスパラは俺と同じ向上心を持った野菜だからね、横にしちゃうとサ、これじゃいけない…こんなところで横になって休んでちゃいけないんだって思ってサ、起き上がろうとするんだよ。そこで・だ、その時に養分と糖分が失われちゃうんだな。分かったか?」

兄は延々と電話口でしゃべっています。

アスパラと同じ向上心ってのは、いったいどんな向上心なのか、聞くのも恐ろしい!

そう言えば…築地の八百屋のおぃちゃんが言っていたのを思い出しました!

「青物ね、葉っぱもん。あれとネギね、あれはね横にしちゃうと根性が曲がっちまうのよ。だから立てて置くもんなの。人間だってサ、昔はちょっとした悪さをすると廊下に立たせたろ?あれはいいことなんだよ。理に適ってんの。明(兄)だけはその理が通んなかったなぁ~北の大地で元気に暮らしとるのか、あのバカは?」

我が情けない兄とは言え、こうしみじみと言われてしまいますと、何やら可哀想になってきますから、兄妹ってのは実に不思議なもんであります。

まさか…八百屋のおぃちゃんにアスパラを送ってやしないでしょうねぇ、お兄ちゃんビックリマーク