連日大雪に見舞われている新潟県・津南に住む家人の釣り仲間「どうも・どもトミさん」から電話が掛かって参りました
「もすも~す?なんだい?腸が詰まっちゃったんだって?栄村で聞いたんだけども、それって糞詰まりではないのかい?」
「…ソーセージじゃありませんよ!まぁ~糞詰まりに近いことは近いんですけどねぇ~やっと重湯のお許しが出ましたし、ぼちぼちと回復に向かってます。心配お掛けしました」
「なんのなんの…押してもダメなら引いてみなってね、うちのばっちゃんも近所のじっちゃんたちもサ、雪に閉じ込められちゃうとコタツにばかり入って体動かさないっしょ?それで煎餅しゃぶってんだから、ほれ!歯がないから噛めないんだわ。それで糞詰まりになってしまうのよ。風呂入ったときにサ、腹揉むといいって婦人会のおばちゃんが言ってたわ。試してみたらどうかね?」
「はぁ~ところで、雪はどうですか?天気予報でいつも津南の積雪情報やってますよ!」
「うん、今で2メートル45かな。今日はあったかくてサ、道路の雪は融けて流れてるわ。今年の川は水量が凄いんでないかな。岩魚が待ってるからサ、元気になって来てよ」
有り難いことでありますが、津南と栄村あたりでは糞詰まりと伝わっているとは、とても家人には言えませんでした
東京でも風がなく暖かないち日となりました。
厳しい寒さで沢がすべて凍ってしまうとされる「水沢腹堅(すいたくふくけん)」…大寒の次候が巡ってきたと言うのに、何やら拍子抜けしてしまいそうです。
江東区は多くの川や運河が流れておりますが、緩やかな潮の満ち引きにも、どこかのんびりと温さが感じられる流れでありました。
翻訳物・・・特にフランスとなるとあの皮肉っぽい独特な言い回しがちょっと苦手なんですが、英国推理作家協会賞を受賞し、日本でも「このミステリーがすごい」大賞をはじめミステリー・ランキング1位を4つも制覇した作品と聞いて、読んでみようという気になりました
表紙絵でも推察できるかと思いますが、読んでみて決して読後感のよい物語ではありません。
アレックスという名の女が誘拐・監禁され、警察が犯人を追いつめ彼女を救う物語かと思いましたら、とんでもない!
3部構成になっていて、読み始めてすぐに被害者だと思っていたら一気に加害者へ…と・またもや被害者に?
グロテスクな描写にページを捲る手が少々震えてしまいます。
帯に「読み終えた方へ:101ページ以降の展開は誰にも話さないでください」と書いてあります。
話すなと言われて、ちゃんと言い付けを守り話さぬ人がこの日本に果たしているでしょうか?
もう…この舌先三寸まで出かかっているんです、大逆転サスペンスが!
ぽろぽろ活字が零れて行きそうで、どうにも止まりません。
仕方がないんで、家人に結末だけを話して聞かせました。
「ははぁ…実に面白かった!ありがと」
どうにも気が抜けてしまいますが、こんな平々凡々な暮らしを送れている己の幸せをじんわりと噛み締めることが出来る1冊であります
さて…家人も面白いと気に入ってくれた「その女…」なんですが、例の高校三年生に貸そうかどうしようか迷っているところです。
美大受験を半月後に控えていることですし、内容もちょっと刺激が強いし…ここは『合格』のふた文字を聞いてから回すことに致しましょう!
家人は重湯から徐々に三分粥までに昇格し、スカスカのご飯粒を探し当てながら、果て無き努力を続けております。
「箸にも棒にもかからないって言うけどもサ、これは箸にも歯茎にも引っ掛からないねなんかサ、食べてるうちにお腹が空いてきた」
最後の楽しみである食がこんなんでは気の毒でありますから、ここは大奮発をしましてアメリカらやって来た「バターチューイングキャンディ・タフィ―」をお八つに出しました。
ピーナッツバター・塩キャンディと訳が分からんことが書いてあるんですが、口に入れてみますと、ほんのり懐かしい味がします。
濃厚なバターの味は舐めているだけでも満足感がありますし、家人が必要としているカロリーがひと粒にたっぷり詰まっている感じです!
「あのね、詰まるもんはもうたくさん」
とは言いながらも、ふたつ・みっつと手が伸びています。
よっつめに手が伸びたので、ペシッ!食べ過ぎです!
「飴とムチってホントだね」