こんな小さなひと房ではありますが、可愛い花束を思わせる「ランタナ」…
咲いている期間が長い花なので、同じ色で咲いているのが飽きてしまうのでしょう…黄色から白へ、薄い桃色へと少しずつ花の色を変え、ランタナ自身が楽しんでいるのかのようです。
髪飾りにもいいかしら…
ブローチにするなら、どのセーターに合うかしら…
などと枝に手を伸ばそうものなら「チクッ!」と手痛い仕打ちに遭ってしまいます。
目に見えぬほどの小さな棘を潜ませて、澄ました顔して咲いております。
2日ほど前…「近いうちに良い物が届くと思うよぉ~」と娘から電話が掛かって参りました
10月に良い物が届くって?誕生日もなし、記念日にも覚えがありません。
「良い物って?どこから?」
「ウフフ!北の国から…」
「北?の国から…ぎぇっまさか
」
「その・まさかだよぉ!北海道に住む、お母さんのお兄さま。私の伯父ちゃん。さっきうちに届いたはいいんだけどサ、また!またジャガイモとカボチャだよっ少しだけ癒されるのは、リンゴが入ってたことかなぁ
そっちにも、そろそろ着くんじゃないの。ヒヒヒ」
不吉な予告がピタリと当たりまして…まもなくピンポ~ン
「重いですから、玄関にお入れします」
クロネコヤマトのお兄さんの親切なこと!
中身はすっかり知ってますから、ドアの外にそのまま置いといてもらって結構なんですが、誰かがケツまずいても困りますからお言葉に甘えて中に入れてもらいました。
大きなダンボール…開けるのに手が震えてしまいました。
いち番上には、ビリビリに破いた北海道新聞の新聞紙でひとつずつ、丁寧なようでいていい加減に包んであるリンゴが入っています
手の平にすっぽりと収まってしまう、ずい分と小振りです。
北海道でリンゴが穫れるのかなぁ~?
その下から見えるのが銀色のカボチャ。
こんな色したカボチャは東京ではあまり見掛けません。
『銀世界』のシールが貼ってあります。
もう1種類『雪化粧』と言う名のカボチャも入っており、如何にも北海道で穫れた農作物と思わせます。
その下にはビシーッと敷き詰められているジャガイモ…
ダンボールの底を見詰めながら固まってしまいました。
頭の中では「ラァ~ラァ~ラララララァラァ~」と、あの懐かしい倉本総・脚本の「北の国から」のテーマソングがなり始めました。
「純、蛍ぅ~」
「もしもし?お兄ちゃん?あたし。まぁ~相変わらずのジャガイモとカボチャ、お心遣い本当にありがとうございますっ」
「お~!着いたか?年上の弟はどうだ、達者でいるか?お心遣いも大変なんだぞ。いつもサ、おんなじもんばっかしじゃ飽きちゃうと思ってサ、リンゴ!今回はリンゴを入れたんだよ。裏でね果樹園やってんのよ、知らないおっちゃんが。夏の初めにサ、きれいな花が咲いてる木がいっぱいあるからね、その下で花見やったんだよ、友ちゃんと。リンゴの花ってのはホント!きれいだぞ!りんごぉの花びらがぁ風ぇに散ったよなぁ~って…あれは津軽か」
「電話代が掛かるから下手くそな歌なんぞ、歌わないでくれる!それより北海道でリンゴなんか生るのぉ?日本最北のリンゴ?レッドゴールドっての?蜜がたっぷり?へぇ~!ジャガイモもただのジャガイモじゃない?来た灯り?あー、キタアカリね。中が真っ黄色なの?えっ?カボチャの雪化粧は正月まで持つ?4つも入ってんだから、再来年の正月まで食べ切れないよ!はっ?それで、とらやの季節限定・栗蒸し羊羹、二棹送れ?あのねっ今、我が家では『とら』は禁句なんだわ
やっと気持ちが落ち着いて来たってのにサ、阪神タイガースを思わせるような羊羹、誰が送るか
」
我が情けない兄は、子どもの時からスポーツが大の苦手でありまして、本ばかりを読んで大きくなりました
原っぱでボールを投げることもなく、況してや蹴ることもなく…大きくなって興味を示したスポーツと言えばアメリカンフットボールと相撲なんですが、これもただテレビで見ているだけで、本で得たルールを8つ歳下の私に延々と説明してくれたのを覚えています。
だ・もんで、東京産まれの東京育ちでありながら、野球ファンでもなく、それも巨人の応援などしたこともない兄であります。
耳から放す受話器の向こうから…「森八のでも、うさぎやのでもいいから、栗蒸しようか…」と叫んでおります兄の声をバッサリと断ち切りました
日本シリーズ…ここはぜひともソフトバンクに頑張って頂き『日本一』に輝いてもらいたいと願っています