筆まめ・筆不精とに分けますと、私は比較的自筆で書きます「筆まめ」の部類に入るかと思います。

自筆でありますから、平仮名で書いて…さぁ~変換とは参りませんで、この歳になりましても、読めない漢字、書けない漢字が多くございます。

読めるけど、書けない…うろ覚えで、いざ書くとなると字の成り立ちが複雑すぎて、さて困った汗

 

はがき一葉でこの有様であります。

ここは、紫式部や清少納言を真似て「平仮名」で書くと致しましょう。

昆虫には「読めぬ・書けぬ」の漢字をあてられた名を持つ虫が多くいます。

蟷螂…かまきり

斑猫…はんみょう

飛蝗…ばった…写真は精霊飛蝗(しょうりょうばった)です。

蜻蛉…とんぼ

螽斯…きりぎりす

蜘蛛…くも

 

「蜘蛛」の字をちゃんと覚えたのは、映画「蜘蛛女のキス」を観てからでした。

亜米利加・伯剌西爾(アメリカ・ブラジル)の共作で、物語は倍諾愛勒(ブエノスアイレス)の監獄の一室から始まります。

タオルをターバンのように頭に巻いて、花柄の着物のようなバスローブ着た主人公・モーリー…ゲイの役がハマり過ぎたウィリアム・ハートの毛深さが、30年経った今でもくっきりと目に浮かんできます。

さて…蜘蛛はこちらに置いときまして、本日は「寒露」の末候「蟋蟀在戸(しっしつこにあり)」が巡って参りました。

「蟋蟀」だけで読みますと「こおろぎ」となります。

この字も読めぬ・書けぬの漢字に相応しいかと思います。

軒下や鉢上の下で蟋蟀が鳴くころになったものよ…と季節を感じますが、都会の蟋蟀は木の上でもよく鳴きまして、ちょうど人の耳のあたりの高さで翅を震わせているようです。

薄手の夏掛けから、軽い毛布に替えようか…そう思わせるちょっと淋しげな蟋蟀の鳴き声であります。

 

クライマックスシリーズで一勝も出来ずに負けた東京読売巨人軍の所為で、昨日から我が家は暗く冷たい、まるで水底に沈んだような案配です。

この世から「野球」と言うスポーツがなくなってしまっても、今なら平気の平左であります。

巨人が日本シリーズに進出できなかった同じ日に!なんとこれまた私が必死の思いで応援した「東京農業大学」が箱根駅伝・出場の切符をわずか49秒の差で手放してしまうという…泣くに泣けぬ結果となってしまいました汗

これでは2015年大手町で「大根踊り」の応援を聞くことも叶わず…来年は年明け早々から、夢もチボウもない年と諦めました。

国営昭和記念公園で行われた第91回東京箱根間往復大学駅伝競走予選会・20キロコースを無事に通過し、公園内で聞かれるはずだった「大根踊り」…

そぉっと仕舞われた大根の気持ちを思うと無念であります!

 

箱根駅伝の常連だった「東京農業大学」が走らない駅伝なんて…クリープを入れないコーヒーみたいなもんであります!

水底どころか、泥沼にずぶずぶと沈んで行くような気さえ致します…

我が家でもこの日のために大振りの大根を用意いたしまして、勝手に「大根踊り」を歌うかと思っておったのですが、これでは能天気に歌うわけにもいきますまい!

ただ切って煮るだけの素大根…かけ蕎麦、素うどんのように手を掛けずに煮ることにしました。

「こんな虚しい日はないね!」おとめ座

「大根だって無念だろうなぁ~」

ところが…これがなかなかイケましてねチョキ

先日作っておいた「紫蘇味噌」をチョィとのっけて頂きましたら、トロトロと気持ちが落ち着いて参りました。

いやいや、人間なんてものは実に他愛のないもんであります。

 

『風呂吹きにとろりと味噌の流れけり』

(ふろふきにとろりとみそのながれけり)

松瀬青青(まつせせいせい)