二十四節気もいよいよ「秋分」を迎え、今日から年末まで99日となって100日を切るまでに迫って参りました。

昼と夜の長さがほぼ同じ…陰陽の案配がちょうど良い、日本の昔からの玩具・弥次郎兵衛(やじろべえ)を思い起こさせます。

けれども、玩具とバカにも出来ませんで、重心と支点を説く力学モデルともなっていると学校で教えてもらったものです…が、私の人生では何の役にも立たなかったような気がします汗

ぐるりをコンクリートに囲まれた東京と言いましても、これだけ赤い花を咲かせますから案外と目に付きまして、よくぞこれだけ彼岸に合わせて咲くものよ…さすがその名を頂くだけのことはあると感心を致します。

仏教で言うところの曼珠沙華(まんじゅしゃげ)は白くて柔らかな花とされているそうで、赤く咲く彼岸花とは似ても似つかぬ花と聞いたことがございます。

さて…この彼岸花ですが、花と葉が同時に土の中から出ることはありませんで「葉見ず花見ず」…葉は花を思い、花は葉を思って咲くと言われ「相思花(そうしばな)とも言われているとか…

なるほど、花言葉は「想うはあなた一人」となっていますラブラブ

「今年のお彼岸だけどね。俺、お墓参りよりサ、ちょっと行きたいところがあるんだけど…」

「ちょっと行きたいところ?う~ん…まっ、いいか!お兄ちゃんから墓参りはよろしく頼むと言われたけど、一日二日遅れたって分かりゃぁしないもんね!で・どこに行きたいの?」おとめ座

「深川のお不動様。秋彼岸大法会(あきひがんだいほうえ)にお詣りしたいんだなぁ。もう来年は行けないかも知れないしサ…」

「そうやって行けない行けないって10年も前から言ってるところが数えきれないくらいあるよね…むかっでもって、毎年行ってるよね?」おとめ座

「…汗

無口になってしまった家人を連れて都バスに乗って門前仲町へと出掛けましたバス

都バス1台1台の正面・ナンバープレートの上に、2本の日の丸が交差して掲げられています。

「東京中を走るバスに掲げるとして…東京都は一体全体、どれくらいの日の丸を買ったんだろうね?」おとめ座

寡黙になってしまった家人に話し掛けてみましたら…

「そんなもん、知るかっ!」

あっという間に「富岡1丁目」に到着、先ずは八幡さまへ…

神社でも、もちろん日の丸を掲げておりました合格

八幡さまの裏にある深川公園を突っ切って、家人お目当ての「成田山東京別院深川不動堂」に着きました。

香炉に100円のお線香を奉納する家人でございます!

この線香からもうもうと上がっている煙を体の痛いところ…または病を患っているところへあてると治るとの言い伝えになぞって、家人は下半身のと・あるところへ盛んに煙を手で導いております。

膀胱がんでオストメイトになった家人でありますから、どうしてもそこに行きがちになるのは充分理解できるのですが、ハタで見ていますと…果たして事情を知らぬ他の参拝客は何んと思うだろう?

変なじぃさまと勘違いされないだろうか…?

と・他人の振りして眺めていますと、これがみなさん!とんでもない場所に煙をそれぞれあてているんです。

前から後ろからの股間あり、脇の下あり、おつむりはもちろん、全身くまなく撫でている方といらっしゃる…家人の下っ腹あたりなど可愛いものです。

わたくし?

わたくしは右目の緑内障の発症が1日でも先に延びますようにと右目にバンバン煙をあて、沁みて痛いこと!困ってしまいました。

法螺貝と太鼓が鳴る中、本堂にてお札の護摩供養が執り行われておりまして、護摩を焚く火にあてて頂いた家人のバッグはほんわかと温かく、胸に抱きますと体にご利益が染み渡っていくかのようでしたメラメラ

ご本尊の真下を通る「祈りの回廊」は不動明さまの胎内に入ったような安堵感を覚えます。

黄色い紙の梵字(ぼんじ)は、インドで使用されているブラーフミー語の漢訳名が書かれていまして、一緒に唱和致しますと不思議と心が落ち着きました。

炎を背に、剣と縄とを持つ不動明王は、その名を示すように何が起ころうと1歩たりとも動かず、私たちの煩悩を取り払ってくれ、難から護ってくれると信じられております。

さて…夜になりまして、北海道へと渡って行った我が情けないお兄ちゃんから電話が掛かってきました電話

「もしもし?おみえちゃんか?今日はお彼岸の中日だからね、ちゃんと長谷川家の墓参り、行ってくれたか?親父の好きだったすあまとお袋が好物のうさぎやのどら焼き、供えてくれたか?」

「…汗うん、まぁ~元気だったよ!」おとめ座

「何が元気だったんだよ?墓が元気だったぁ?おみえっ!お前…もしかしたらお参りに行ってないな?長男の俺がだな、頭を下げて頼んだ墓参りだぞ!そんなの電話じゃ見えない?このやろっパンチ!彼岸明けまでには行くだぁ?お前ね、バチが当たるよ!お袋のバチってのは怖いからな、北海道まで飛んで来たらどうしてくれるんだよビックリマークよけりゃぁいい?俺はね、左目が緑内障でよく見えないんだぜ?どうやってよけるんだよ。お袋はあれでサ、淋しがり屋だからな。首を長くして待ってるぞ。なるべく早く行ってやってくれよな。それと…うさぎやの羊羹送ってね」

お母さんがお参りに来て欲しいのは…お兄ちゃんだよ。

友ちゃん連れて、東京へおいでな。

神谷町のお寺からぶらぶら流れて、虎ノ門・巴町の砂場で一杯やろうじゃやないの?

みんなが元気なうちに会いたいもの…