今年は梅に始まり、枇杷、ブルーベリーに無花果ときまして、栗や柿の実にツバを付け、ひたすら熟すのを待つばかりと思っていましたら、なんと!見事なカリンの実まで発見ビックリマーク

ここ東京・江東区を流れる運河沿いの道には、フルーツ王国かと見紛うばかりに季節の果物がわんさかと生っていますクラッカー

「きみはよく木の上に生っているのを見つけるもんだね。下を見てた方が金目の物にあり付けるんじゃないかと思うんだけどなぁ~」

「だ・からっ!作業分担をして私は上を見る!あーたは下を見る!って取り決めたでしょう!私は次々に収穫を挙げているってのに、あーたは5円玉ひとつ見つけられないじゃないのむかっもっと熱心に取り組んでもらいたいビックリマークおとめ座

「そうだっけか?俺はホレ!取り組んで治さなきゃいかん病気に罹ってしまったからなぁ~」

「それはそれっ!これはこれっ!私事を挟んでもらって困ります!」おとめ座

家人が膀胱がんに罹ってから、1年と8ヶ月が経ちました。

その間に化学療法やら、膀胱摘出手術やら…まぁ、大変な毎日でありました。

その時にふたりで交わした約束は…

「とにかく前を向いて行こう!出来るなら顔をしっかり上げて進もうよ」

と言うものでした。

落ち込んでいた私が当の本人に逆に励まされ、やっとの思いで今日まで辿り着いた月日です。

果樹園のような、実りある日々であったのではないかと思っております。

さて、このかりん…黄色く色づき始めますと、芳醇な香りがあたりに漂うことでありましょう。

これからはギンナンの季節もやってくることですし、目線を下に戻すとしますか。

みなさまにおかれましても、熟れて落ちたギンナン拾いに、さぞお忙しい日々を送られることと思います。

お互いに頑張ろうではありませんか!

気合も入ったことでありますので、本日のお昼は「とろろ蕎麦」で精を付けましょう。

北海道に住む兄からジャガイモやカボチャが届られ、その見返りに新米と大和芋を送れと言う図々しい指定を受け、ついでに我が家用にもと大和芋を買って来ました。

「北海道の大雨、土砂降りで凄いらしいけどヤマトさんに頼んだからちゃんと着いてるよねはてなマークおとめ座

北海道・沖縄への配達は2日掛かるそうでして、無事に届いているとすれば今夜はとろろ芋で一杯やるんではないかしらんお酒

電話が掛かって来ました電話

「きっと、お兄ちゃんからだよ」おとめ座

「もしもし?おみえか?」

「あれぇ、浩ちゃん?どうしたの?叔母さん、具合悪くなったの?」おとめ座

「ううん、お袋はピンピンしてるよ。あのサ、俺、あきらに煎餅送れって頼まれたじゃない?だけどもサ、北海道、もの凄い雨だってニュースで見てね、避難勧告も出てるらしいサ、今、煎餅送っても湿気っちゃうんじゃないかと思うんだよね?どうしたもんかね?」

「…はぁ~汗おとめ座

従兄の浩ちゃんには、煎餅を…

佃島に住む従姉には、佃煮を…

叔父さんには梨を…それぞれに北海道の特産品と称し、ジャガイモや玉ねぎを送っちゃぁ、欲しいものをメモしてジャガイモの間に忍ばせってあったとか。

「もしもし?おみえか?」

「あ~、今度はおいちゃんかい?」おとめ座

「何んだよ、その言い方はよ!それよりサ北海道の雨、記録的な豪雨って聞いたぜ!札幌、岩見沢の街が冠水してるってよ!あきら、金槌じゃなかったけか?親戚の中で、あいつだけ泳げないんだよな?情けないって言うかサ、もうね、溺れちゃってると思うんだよあせるだから梨ね、ナシにして、消息が分かってから送るからサ。なんのかんのって言って来たら、そう言っておいてくれ」

「おいちゃんが自分で言ったらいいんでないの?」おとめ座

「いや、あいつに電話するってぇっとね、あっちはヒマこいてんだろ?なげぇの長くねぇのって、あっという間に日が暮れちまうんだよ。だからね、ここは兄・妹で上手くやってくれい!じゃな」

「…はぁ~汗おとめ座

もう、今日は電話に出ないっ電話パンチ!

そんなこんなで、あっという間に日が暮れる時間になってしまいました。

バタバタと慌てて買い物に出ましたら、一日花の木槿(むくげ)がそっと花を閉じておりました。

こうして、自分の人生もきちんと折り畳んで終えることが出来たなら…振り返って見ても、その木槿の佇まいは変わることなく、ただ咲くことのみ…悔いは微塵も感じられませんでした。

 

『雨はれて心はすがしくなりにけり窓より見ゆる白木槿のはな』

(あめはれてこころはすがしくなりにけりまどよりみゆるしろむくげのはな)
斎藤茂吉