処暑を迎えましてから、幾らか朝夕に限って凌ぎやすくなったかなぁと感じられます。

陽の光が透けて見える薄雲が風で千切れ、ふわり…綿雲になって浮かんでいました。

処暑の初候に「綿柎開(わたのはなしべひらく)」とありますが、身近に綿の花を見ることは叶いませんが、アオイやオクラの花に似ておりますとか…

時おり、洒落た花屋の店先で観賞用に飾ってある白い綿花を見かけるぐらいでしょうか?

昔…私が子どものころを過ごした昭和30年代の冬は、真綿100パーセントの重い布団を頭から被り、湯たんぽを抱えて寝たものであります。

「俺が学生のころなんてサ、仙台だったろ?さみいのなんのって!何ぁ~んにも抱えるものがなくてサ、自分の膝っ子を抱えて寝たもんサ」

貧しい苦学生であった家人は、遥か原始時代を思い出しボヤいております。

「貧しい苦学生って響き…いいなぁ~如何にも成績優秀って感じでサ」

そんな雰囲気をこれっぽちも感じさせない家人は、能ある鷹は爪を隠すとか申します…深爪を隠しままウン十年、さすがでございます?

さて…敷き布団1枚で、座布団5枚は取れる分量が使われていたと思います。

今、水を含んだようなあんな重い布団を掛けていたら、寝返りも打てぬし、金縛りにあったようで、きっと唸されてしまうことでしょう汗

物干し台に干してあった布団を布団叩きでバンバン叩いて、母親に怒鳴られたことがあります。

「お前ね、何が詰まんなくて布団にあたってんだい?そんなにムキになって叩いたら中の綿が切れちまうだろっビックリマーク打ち直しが出来なくなっちまうじゃないかっむかっ

布団叩きを取り上げられ、尻っぺったをはたかれたもんです。

綿雲を飽きずにのんびりと眺めていたら、目を三角にして怒っていた顔に見えてきて、慌てて目を逸らしました!

逸らした先に…またもやゴーヤのチビを見付け、今度は眩暈がして参りました。

この目を疑いました。

「まさかぁ~!また生ってるぅ。そのエネルギー、もっと別なことに使えばいいのにぃ~」おとめ座

どんなに瞬きを繰り返しても、ゴーヤは視界から消えることはありませんでした。

このところ…目の霞がひどくなり物の輪郭がはっきりとしませんで、好きな読書もまゝならず困ってはいたのです。

私には緑内障のケがあるから、1年に1回は必ず定期検診・視野検査を受けるようにと歴代眼科医に言われているのを思い出し、そろそろ1年が経ったかと思い、地元の友だちの評判を聞き、と・ある眼科医院へと出掛けました。

「でもね、私が罹ったわけじゃないのよ。うちのおばぁちゃんとじぃちゃん、お互い目がショボショボしちゃってるからサ、手に手を取り合って行っただけなんだけどね。話をよく聞いてくれるって喜んでたわよ」

「なんで、じぃちゃんだけ『お』なしなの?」おとめ座

「う~ん?あのじぃちゃん、『お』は似合わないなぁ…」

大丈夫かいな…とは思ったんですけど、小雨の降る中を行って来ました雨

病院に行く時は忘れずに…

本日は三浦しをん・著『まほろ駅前狂騒曲』を携えて行きました本

まほろシリーズの第3弾ビックリマーク

もうすっかり登場人物と街の風景が頭に入っておりますから、すんなりと物語にとけ込んで行けます。

架空の街「まほろ駅前」は、三浦氏が実際に住んでいる町田市がモデルとなっているそうです。

第1作「まほろ駅前多田便利軒」は第135回・直木賞受賞を果たしています。

すでに映画化され、第2作目はテレビドラマ化…この3作目も映画化が決まっているそうです。

狂騒曲は番外編・長編なのですが、ある夏の出来事を相変わらずの行天春彦と真面目な多田啓介のコンビで進む物語は、シリーズ化されても飽きることなく読めました…が、目が霞んで活字を追うのもひと苦労、休み休みの読書となりました。

視力検査をはじめ、眼圧測定などそれは丁寧に診て下さいまして、出された診断は「白内障」のケ、初期にあたると言われまして目薬が処方されました!

治療薬ではありませんで、白内障の進行を抑え、白内障の原因である目の水晶体のタンパク質の変性を防ぎつつ、水晶体の透明性を保つのだそうです。

濁った水晶では占いにも支障が出てしまいますから、この目薬で磨くといい占いが出来るかと、余計なことではありますが、お薦めでございます!

視力とメガネが合わなくなっているかも知れないと、いろいろなレンズを掛け視力検査をさせられました。

Cの形をしたマークの視力表・ランドルト環から3メートルも離れての検査であります。

「そんなに前のめりにならないで下さい」

「だって、当てなくちゃダメなんでしょ?」おとめ座

「当たらなくていいんです!正確な視力が欲しいんですから。では最初から行きます」

集中しようと目を凝らして電気が点くのを待っていますと…すぐ隣のじぃちゃんの大きな声が聞こえます耳

「分んね。それも分んねっ!右だとは思うけど、ホントは左かも知らんしな…迷っちゃうなぁ」

真実の声かも…おかげで気が散って、散々な視力検査でありました!

「遠くとか人の顔なんか見えなくていいんです!新聞と本が読めれば、あとは多くを望みませんから」おとめ座

で・このようなメガネ処方箋が出されましたメガネ

緑だの、白だの言われる割には、どちらも「ケ」だそうで、さっそく出された目薬で目を癒しております。