夏の朝の顔…と・言えば朝顔なんですが、その朝顔の花も朝から30度を超えていては咲く気力も失せてしまうだろうと思います。
朝顔市で買い求めた朝顔が突然、八重咲きになったのは暑さのせいなのでしょうか?
確か曜白(ようじろ)・桃と言う品種だったと思うのですが、どうしちゃったんだろ?
「あーたね、どうしちゃったんだろって仰いますけどね、ここのベランダは暑いのなんのって…なんか咲くの面倒臭くなっちゃったんですぅ」
朝顔のボヤキが聞こえて来ますが、こんな複雑な咲き方の方がよっぽど面倒臭いかと思うんですけど…そこは朝顔の浅知恵でありますなぁ~
見るからに暑そうな朝顔であります。
見れば見るほど気だるそうではあるけれど、よく咲いたものよと、たっぷりの水を遣りました。
「朝顔や絵にかくうちに萎れけり」
正岡子規が病床で筆を取った一句でありましょう。
病牀六尺(びょうしょうろくしゃく)…冷房もなかった時代、人も花も同じ温度を共有しながら生きたのかと思うと「暑い暑い」とグチってもいられません。
家人が朝一番で読む新聞…と・言えばスポーツ報知でありますが、今朝は新聞を捲るバサバサという音が聞こえません。
またまた…「腎盂腎炎」の熱が上がって起き上がれぬかと思って、広すぎるおでこに手を当ててみましたら…冷たい
「まさかっ」
「何がまさかなんだよ俺はこれで平熱なの!生きとるわ」
「あ~びっくりしたぁ。生きとるなら安心だわ。今朝は新聞読まないの?」
「…あんな負け試合を活字で読むなんて、俺は耐えられない!」
昨日の対中日戦・名古屋ドームでの我らが・巨人の惨敗は目も当てられぬ結果となりました
10点も取られた上に、こちらは0点・完封ですからね、情けないを通り越して呆れちゃいました。
家人はショックでベッドから起き上がれぬそうです。
テレビの横にはメガホンや菅野のユニフォーム、オレンジタオルが投げ捨てられたままになっています。
「なんか腎臓が腫れてきた感じがする…」
「腎臓と巨人ってどこでつながってんのよ?」
「と・あるところでつながってんの!気持ちだよ気持ちっ」
まだ新聞受けに入ったままのスポーツ報知と讀賣新聞を家人の枕元に持って行きましたら…横目でチラリ。
「俺は読まない!讀賣もスポーツ欄だけ抜いてくれる?」
しかし…わたくしたちはいい歳をした大人でありますから、事実は事実として厳粛に受け止めなければ、なんのために歳を喰ったのか分かりません!
しっかしなぁ~、巨人専門誌のようなスポーツ報知でさえ、原の采配をケチョンケチョンに叩いています!
頭を掻いている場合かっ!原
「俺…もう今日かぎりで巨人の応援やめた」
「えっ~!じゃぁ今日どこを応援すんのぉ?」
「ジャイアンツ…」
コーヒーのカフェインで正気を戻そうと、ミルを思いっ切り回していましたら、その音に混じって玄関でピンポーンと鳴ったような気がします。
「スポーツ報知の集金なら居留守を使え!」
ホントにもう大人気ないんだから…と言いつつも、マジックミラーで誰なのかしっかりと見ました。
クロネコヤマトのお兄さんのようです
「暑中御伺」…何んともいい響き、日本語の美しさを再確認いたしました。
それもメロンが入った桐の箱に貼ってある熨斗の四文字…ただそれだけで、喜びも一入(ひとしお)であります。
報知のお偉いさんからの御見舞いであります。
「暑中御伺…暑い中、いかがお過ごしでありましょうか?」
「はい、巨人が負けてどん底であります」
スポーツ報知も巨人が勝ちますと駅売りの部数が伸びるそうでして、何がなんでも巨人に勝って貰わねばならぬと申しておりました。
桐箱の鎮座しますメロンには「レッドメロン」の表示が貼られていますから、夕張メロンのような赤肉の果実かと思います。
こんな高級メロンを目の当たりに致しますと、やはりこの果物は病室がいち番相応しい場所じゃないかと連想してしまうのは、普段メロンから縁遠い生活をしている庶民の感覚でありましょうか?
「ねっ!せっかくだからサ、ベッドの上で弱々しく食べてよ!」
「…せっかくだからって、何んだそれ?弱々しく食べるのって案外難しいなぁ」
ベッドの脇にメロンを置いただけで、ほら!絵になるでしょう?
メロン本来の位置であるかのよう…メロンって不思議な果物です。
「そんな貧乏臭いことを考えるのは、この広い世の中できみぐらいなもんだよ。あー寝てるのがバカバカしくなって来たから、もう起きるっ」
おかげさまで空・元気が出てきたようです
メロンの持つ威力でありましょう…お見舞い、ありがとうございました