茨城を故郷に持つ友人が、その土地の名産である梨…「豊水」送ってくれました
「」
わたくしの白魚のような手の平に乗り切らぬほどの見事な大玉
滴り落ちる果汁も半端ではありません
まさに、瑞々しい
私にもこんな取れたてのような「時期」があったのだと懐かしい思いで、シャキシャキと頂きました
まだ水分しか摂れない家人には、擂った果汁を凍らせ病院まで持っていきまして、口に無理やり押し込んで参りました
桃に次いでの「まぁるい初物」でありますから、また寿命が延びたようであります
旬の果物を有りがたく頂戴いたしました
先日…右の腰が痛いと訴えた家人
すぐさまエコー検査を受けまして、異常はないと言われたのですが、よくよくそのエコーとやらを覗き込んでいた先生が「右の尿路が感染を起こしているようです」の痛みの原因を見つけだし、わざわざ病室まで報告しに来て下さいました
膀胱全摘手術を受けた家人ですから、もちろんおしっこを溜める膀胱はありません
左右にある腎臓から出てくる尿は、それぞれの尿管を通って膀胱へと落ちてきます
その代わりとなるのがこのパッドと袋でして、体の外に貼り付ける状態でぶら下げます
パウチと呼ばれている袋です
このパウチまで尿を誘導する道・尿道を作らなければなりません
お腹を切ったついでに、自分の小腸でこの尿道を作り、袋までつなげる役目をさせるのだそうです
腎臓から小腸につなぐ尿管が、手術によっていじられ、何らかの原因で感染・炎症を起こしてしまうのは想定内とは言え、あまりよいことではありませんから、すぐに抗生物質が投与されました
おかげさまで、熱と痛みはひと晩で治まりまして、大事にならずにホッといたしました
袋・パウチは2日乃至3日しか持ちませんから、その交換の仕方を覚えないことには、今後の生活の向上は望めません
「先生に拾って頂いた命ですから、自分でできることは何んとしても頑張って覚えます」
今までにない…どこまでも神妙な家人の言葉であります
「私は骨を拾ってあげるから、安心してね」
「頼むね」
広すぎるおでこが美しいシルエット…は、西に傾いて行く太陽を見上げている家人です
何を思って空を見ているのでしょうか
私にできることと言えば
「Bob Dylan Blowin’in Tha Wind」を家人の後ろで口ずさむことぐらいであります
『How many times must a man look up・どれほど人は見上げねばならぬのか
Before he can see the sky? ほんとの空を見るために…
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The answer my friend is blowin the wind・その答えは風に吹かれて
Blowin’in the wind・誰にもつかめない…』
てっぺんに生えている髪の毛がさわさわと風に吹かれておりました
さて今夜は、満月・望月が東の空から上って来る十五夜…「中秋の名月」と言われております
家人が横になっている病棟の四角い窓から、はてさてその丸い満月が見ることができるでしょうか
今年は別々の場所でのお月見となってしまいましたが、眺める月はひとつであります
『名月をとってくれろと泣く子かな』
(めいげつをとってくれろとなくこかな)
小林一茶