江戸川区・行船公園で「第42回・金魚まつり」が開かれていると、NHK夕方のテレビで放送していたとか
「金魚まつり、行ってみたいなぁ~」
家人がぼそっと呟いています
体力も気力も、だいぶ戻ってきたことですし大丈夫でしょう、お供致しますよ
我が家には、鎌倉御成商店街・ぼんぼり祭りで金魚すくいでもらった「さくらとぼたん」という和金・2匹がおりました
引っ越しを済ませ、家人が入院をしている間は、エサもよく食べ、元気にしていました
それが…家人の無事退院を見届け、安心をしたのか
厄を持っていってくれたものか
ある朝「さくら」が水底に沈んでいました
その翌日…「ぼたん」がホテイ草に乗るような恰好で横になっていました
5年ほどの寿命でした
家人は口にこそ、その悲しみを出しませんでしたが、主のいなくなった火鉢をそのままにして、時々覗きこんでおりました
せっかく鎌倉から無事に運んで来たのに、メダカも大部分をなくしてしまい、きっと気持ちが萎んでいたと思います
東西線・浦安からふたつ目・西葛西にある行船公園に出掛けて、気晴らしをして来ましょう
浦安のホームで見掛けた着物姿の女性を見て、びっくり
お太鼓に締めた帯で、金魚が気持ちよさそうに泳いでおります
元はアロハシャツだったものを解いて帯に仕立てたそうです
何んとも涼しげな立ち姿は、汗がスッと引いたような気がしました
とても、よくお似合いでした
西葛西の駅に降り立つのは久しぶりのことです
駅前でかっぽれ、フラダンスが披露される特設ステージが組まれていましたが、本日はあくまでも金魚を目指します
寄り道ばかりをしていたので、こんなになっちゃったんだから、今日ぐらいは脇目も振らずに目的地へと向かいました
「夏」という季節もあるかと思いますが、金魚ファンのなんと多いことか
淡水魚漁業組合ってのがちゃんとあって、江戸川区は愛知県、京都府に並んで日本三大産地だとか…
みなさんの熱気で、水温が上がりっぱなしのお祭りです
上の金魚は「土佐金」と言う品種だそうで、1匹、それでも安いと言う1万5千円の値が付いていました
見れば見るほど、尾びれの優雅なこと
金魚とは上から観賞するものだと、NHK教育テレビで放送されている「美の壺」で言っていましたが、まさにその通り
金魚まつりに来て、改めてそう思いました
お祭りですから、焼きそばやフランクフルト、かき氷などの出店も出ていまして、最後尾の札を持ったお兄さんが汗だくになりながら、誘導していました
が・ホントの金魚マニアは、香ばしいソースの誘惑にも負けず、ただひたすら、より良い形の金魚を選ぶのに余念がありません
さすがの家人もこの人垣を縫って行く勇気はないらしく、ひと休みしてから再度!挑戦することに…
出店の中に、唯一・年寄りでも食べられる麺類を見付けました
地場野菜である小松菜が入ったシンプルな素麺です
1杯・320円高いのか安いのかこんなものなのか
作り立てを手渡され上にチョコンとのっているのは
「き・きんぎょぉ~ポニョそっくり」
お麩で出来ていて、この金魚まつりのために作られたそうですが…口に入れる勇気がありません
家人の器を見てみるとトッピングのすべてがないっ
「あれポニョは」
「ポニョって何んだ」
「話せば3年は掛かるかな?う~んひと言で言えば、ポニョって言う金魚出てくる映画」
「出汁で煮てあって、ポニュってしてて美味かったよ」
思い切って頭から齧ってみたら、先にきちんと含ませ煮の下ごしらえがしてありまして、歯応えもムチッ
これなら魚嫌いな人も大丈夫
って、お麩ですけどね
淡水漁業組合の人たちが羽織っている半てんに「えど金ちゃん」の文字を発見
江戸川のえどに金魚の金を組み合わせたのでしょう+=えど金ちゃん
家人の名前にも「金」のひと文字が入っておりますから、張り切って掬っておりました
ポイで掬う金魚掬いは、子どもたちの長蛇の列でして、家人は炎天下の下で待っているわけにもいかず、1匹200円のお手頃価格の金魚を網で掬うことにしたようです
サラサコメットなど和金を5匹選ぶのに、時間が掛かったこと
水の中を棲家にする生き物が大好きな家人は、闘病中とは思われぬ機敏な手さばきで網で掬い上げていきます
「さて…名前を付けないとね」
「全部、その何んとかポニョでいいよ」
金魚のおかげで、部屋の中が涼しげに、そして家人の目を楽しませてくれたら万々歳、暑い中、出掛けた甲斐があったと言うもんです