新しい土地・浦安へと引っ越しをして来てから、あっという間にひと月半が経ってしまいました
いろいろなことが次から次へと「川の流れのように」過ぎて行き、淋しさや哀しさ不安も戸惑いもあったりと、心がその速さになかなか付いて行くことが出来ぬところがありました
そう言った意味でも、思い切って出掛けた2泊3日の箱根の旅は、リフレッシュそのものの旅となったような気が致します
鎌倉の庭に芽を出したばかりの紫蘇を鉢植えにして、何鉢かトラックに積んで来たのですが、大して手も掛けぬのに青々とした葉を茂らせてくれました
今朝のことです
すっかり乾いてしまった鉢に水遣りをしていると…
紫蘇の先端に伸びた葉っぱに乗った子カマキリが、上目使いでこちらをジッと見ているじゃないですか
嬉しかったですねぇ
浦安は埋め立て地の三角州でありますから、小高い山や雑木林といった自然が少ない土地でして、身近な庭やベランダではそうそう子カマキリなど見られないと諦めていました
去年、もう木枯らしが吹きはじめる頃…庭で行き倒れに近い状態で保護したハラビロカマキリが、玄関先に置いてあった銀杏の盆栽に卵を産み付けました
もの凄い高齢出産であったろうと思うのですが、ひと晩踏ん張りまして、無事に人差し指の先っぽぐらいの卵を産んだのです
家人の入院やら、引っ越しの片づけやらをバタバタと忙しく済ませている間に、孵化したものであれば、こんな心弾む・嬉しいことはありません
銀杏は東京都の木でもありますが、ここ浦安市の木にも指定されております
銀杏の枝で孵化したのが、ここ浦安とはやっぱり何かのご縁があったのかとググッときています
ハラビロカマキリの特徴である、腹をクィッと持ち上げる様もバッチリと決まっています
エサとなるバッタや蛾をつかまえて、大きくなってくれればと願って、記念写真をパチリ
それにしましても、このガキンチョの御御足О脚と言うか
見事な開きっぷりであります
卵から孵ったその時から、多くの虫たちはひとりぽっちで生きていかねばなりません
謙虚に慎重に
そして時には大胆に…これをそのまま私たち人間にも置き換え、人ゆえに知恵をも重ねていかねばならないでしょう
何しろ、自然界の虫のほとんどは、ひと夏の命なのに対し、霊長類ヒト科は70年いや80年は群れて暮らさなくてはならないのですから、ぜひとも!秩序をも備えた生き物でなければいけません
鎌倉に住む友人が、それに相応しい、メッセージを贈ってくれました
『今をどう生き切ることが、最も肝要で大事なこと…
無心の風・薫風を、ありとあらゆる場所で体で感じ取ってはいかがでしょうか』
ありとあらゆる場所とは…これはその人となりが生きている現世を指すのでしょうか?
友人は、巨福山・建長寺管長さんの有り難いお言葉を頂いたそうです
おかげさまで、気が楽になりました
いつでもどこでも、私は孤独ではあるけれど、決してひとりではないと思っています
こちらは、英国・ビクトリア女王がご自分の地位のことを仰ったことでありましょう
そんな偉い地位にいるわけではありませんが、看護・介護となると、どうしても孤独を感じてしまいがちです
ここらで私も、腹ではなく、クィッと顔を持ち上げて、つまづかぬようほんのちょっと先を見て、家人の前を歩いて行きましょう
「背中と態度がデカすぎて、前が見えん」
よくも仰いました
そんな言葉など、私にはどこ吹く風…無心の風薫風が吹いたようであります