きんちゃん闘病記・予告編

ちょっと出遅れた感じのする我が家のニホントカゲ…庭の排水溝に溜まった枯れ葉の中から、モソモソと出てきました

どの世界にもいるんですよねぇ～こういうの

「こういうのってのは、あんまりじゃないですか」

「そう言うけどもねぇ」

３月の暖かい日から、もうとっくに石段のすき間で越冬した大きなトカゲが出たり入ったり日向ぼっこをしているんだもん

「ボク占いでは、大器晩成型と言われているんですぅ」

「へぇ」

「排水溝に跨って、何を感心しているんだっ」

「凄いんだよトカゲにも大器晩成型がいるんだって」

「大器晩成って言ったって、このトカゲ…シッポの先っぽがないじゃないか」

「ボクのシッポ、先っぽがないのぉ」

「そうだ思い出したけどサ、トカゲってのは膀胱があるのかね」

トカゲに膀胱があるかどうかは分かりませんが、家人にはひとつ・あります

今日は、いよいよ開腹手術へ向けてのスケジュールを決める日です

膀胱の温存・全摘手術例が多い病院への転院となり、執刀医の先生も変わることになりました

膀胱鏡検査、カテーテル検査をはじめ、今まで受けたいろいろな検査データーが入っているＣＤや、プレパラートも手渡され、紹介状も書いて頂き、さぁ～て…次なるステップへと動き出しました

ここは、もういち度腹を括って

「先生、この度は何から何までお世話になり、いろいろとありがとうございましたでは、行って参ります」

「行ってらっしゃいって、手術室に入るのは、ご主人ですからね風邪やケガに気を付けて下さいこれ以上、延ばすわけには行きませんからね」

朝日新聞出版「いい病院ランキング・２０１３」を見ますと、多くの手術数をこなすと「いい病院」となるようです

全国＆都道府県別・６３００病院が載っていまして、脳疾患から心臓病、そしてがんなどの執刀医・治療医リストも紹介…その談話も掲載されています

今度、家人が手術を受ける病院と先生もランキングにバッチリ入っていまして、家人は大船に乗ったようでホッとしております

患部のイラストや写真も多く、難しい医学の専門用語も噛んで含めるような記事になっていますので、素人の私でも読みやすい「いい病院」でした

さて

４月８日…お釈迦様の誕生日であった昨日、わたくし・５８年と１日目の朝を迎えたわけですが、わたくし自身はトカゲを見付けたぐらいで、なんら変化は見られず、相変わらず時間に追われた１日でありました

スポーツクラブでのダンス仲間のひとり・ゆうこちゃんが、ワッフル・クッキーを誕生日プレゼントにと、箱を胸に押しつけて下さいました

「おめでとう」

「あありがとう」

入院・手術に向けて、風邪などの感染が怖いですから、どこも寄らず…したがって飲まず食わずで、まっすぐ病院から家に帰って来ました

鎌倉駅に降り立ったのはいいんですが、お腹が空き過ぎて膝がガクガク致します

「おいこっちの方が感染より、体に悪いんじゃないのか目が霞んできたぞ」

「目が霞むぐらいなら、まだまだ持つわ」と家人を引っ張り、小町通りの人混みを逆流しながら掻き分け、やっと我が家に辿り着きました

でお八つに頂きました、ワッフル・クッキー

サクサクして濃厚なバターの香りがしまして、ピーターラビットも大喜びのお味でした

おかげさまで、飢え死にしないで済みました。ご馳走さまでした

早目の夕飯は「まぐろの漬け丼」にしました

「とにかく、病院と執刀医の先生が決まって何より」

家人は薬との兼ね合いがありまして、少々のアルコールも口にできません

「じゃ、まっ取りあえず…どんぶりで乾杯ということでもうひと踏ん張り、頼みますよ」

「内視鏡であれだけ痛かったんだからサ、お腹切ったらもっと痛いだろうなぁ」

「何を弱気なことを言ってんのあーたは、大腸と肺の手術で２回もお腹と胸に穴を開けて、然も帝王切開までやってんだから、大丈夫」

「そうだなって、そうだったか。俺の体って縫い目だらけなのね」

またまた…始まりそうな「きんちゃん闘病記・第弾」でありますが、本格的な入院は来週に入ってからになると思います

今回は予告編ということで、ご了承ください