6時30分・鎌倉の朝焼けです
カラスのいち日は夜明けとともに始まるようでして、庇の上で鳴かれると、喧しくて堪ったもんじゃありません
朝から夕方まで、ひたすらエサを探し回り、生きていかなければならないのですから、カラスに産まれるのも、私に産まれたのも、何んら変わることはないのかも知れません
庭の渋柿が熟れてくると、カラスやタイワンリスに齧られてしまうからと、ご近所から渋柿を頂きました
実は・私が齧っていますとも言えず…
頂いた柿のヘタに焼酎を浸けて密閉しておくと、10日間ほどで甘い柿に変わっていきます
ちょうど案配よく食べ終わったころ、また渋柿を持って来て下さり、洗って半日、風に当て、また焼酎に付けようと外へ出していましたら、お隣「ちゃんとやれ・じぃちゃん」が、声を掛けてくれました
「干し柿、作ってみたらいいよ。ヘタに小枝が付いているの、あるだろ。それにヒモをサ括り付けて、干してごらん」
干し柿を自分で作るなんて、毛の先、これっぽっちも思っていませんでした
鎌倉は湿度が高いのでカビが付いてしまう心配もあります
でも、作ってみたい
そう思い、じぃちゃんの教えてくれたことを思い出しながら、適当に皮を剥き吊るしていきました
裏庭で家の手入れをしているじぃちゃん、しっかりと干した柿を見張ってくれています
「ほら、カラスが狙ってるぞ」と、畑用のネットを貸してくれまして、大助かり
朝日がいち番に当たり、北風が吹き抜けていく、我が家のお勧めポイント。この場所で、どんな風に干し柿になっていくのか、楽しみです
さて
「桐の箱に入った干し柿をお腹いっぱい食べたら、死んでもいい」と言っていた友だちがいるんですが、そう言った友だち自身が、このことを覚えているか、甚だ疑わしいところでございます
カステラが入っていた桐の箱が、確かあったはず
と・そんな失礼なことを申し上げるわけにはいかなくなってしまいました
小田原へ提灯を買いに行ったとか、行かなかったとか…詳しいことは聞き流しちゃったんですが、その小田原のお土産・かまぼこを頂戴致しました
あの「鈴廣」の、かまぼこ暦・霜月の「ほうれん草」というかまぼこです
わたくし、産まれも育ちも、どうでもいいんですが、56年生きておりまして、ほうれん草が練り込んであるかまぼこを食べるのは、産まれて初めてです
睦月・1月から師走・12月まで、各月ごとにあずき、桜、緑茶、枝豆、栗とそれぞれの季節を思わせる野菜や穀物が練り込まれており、まさに「食の暦」が活かされているかまぼこです
文月のとうもろこしは食べたことはありますが、黄色も鮮やか、ほのかな穀物の甘みが残っていました
霜が降りたほうれん草は甘くなると言われておりますが、霜月のほうれん草とは、グッドネーミング
こうして色の違うすり身を2層に乗せていくのには、かなりの熟練が必要かと思われます
冬はかまぼこになる魚が美味しくなります
従いまして、かまぼこも美味くなるということで、かまぼこが好物な私には堪りませんなぁ
さっそくかぶり付きました
どうもご馳走さまでした
娘が飼っている「柴犬・うに」と、我が家のペットオオカマキリの「ふくちゃん」とが初顔合わせvs
手乗りカマキリになり切っておる「ふくちゃん」を、不思議そうに眺めている「うに」です
オオカマキリというだけのことはある大きさでしょう
1歳やそこらの「柴犬」なんぞは、屁でもなさそうな威厳を保っています
カマをひと振りされてへっぴり腰になっています
軍配は「ふくちゃん」に…
『蟷螂に負け吼え立つ小犬かな』
(とうろうにまけほえたつこいぬかな)
村上鬼城(むらかみきじょう)