15日、年賀状受付開始が始まったというニュースを見て、まだいち枚もこなしてい
ない私は…
「元旦の配達希望ならば、25日までには投函を」
分かっちゃいるが、ペンを握りしめたまま
おつむりが、新年の挨拶モードになかなか切り替えられません
オオカマキリの「はるちゃん」
外に出たくて、ねぐらにしているシャコバサボテンの鉢から、障子を伝ってちゃぶ台に下りて来ました
「今日の冷え込みはきついから、ここで庭を見るだけにしたら」
「そうさせていただきます」
お茶を飲んだり、煎餅をかじったり…お昼のあんかけうどんも一緒でした
「はるちゃん、いち枚あげるから、おっかさんに書いてみる」
「…喪中なんです」
今年、何人かの方が亡くなって…黒い縁取りのハガキが届きました
終わりの一行に「皆様に良い年が訪れますようにお祈りいたします」と結んであります
ありがとうございます
もういち年、頑張ってみます
大晦日・初詣を控え、八幡さまの境内には赤い鉄製の柵や、お札を売る仮小屋が建てられ、着々と参拝者を迎える準備が整えられています
そんななか、太鼓橋脇・石畳の埋め替え作業のまっさい中
鎌倉の露地裏では、年度末恒例の意味不明の穴掘り工事をやっていて、勝手に通行止めにしちゃうんで困っちゃうんです
穴掘り・と言うと、我が情けない兄を思い出します
前にも話しましたが、もういち度、南米は暗黒の地・ペルーに行きたいと、庭で穴を掘り、地球の裏側に到達するのを夢見ている八つ違いのあにさんです
思わず工事現場に、兄の姿を探している自分に愕然
せめてお正月は日本で過してよぉ~
八幡さまご自慢の、梅の古木に蕾がでました
梅は百花に先駆けて咲くと言われていますが、この膨らみ具合いでは年内にほころぶかもしれません
夕べから今朝方に掛けて、この冬いち番の寒さと聞いたのですが、眠気の中で耳元にプィーンと蚊に囁かれたときは、これからしなければならないことを思って気が滅入ってしまいました
潰してしまおうにも、あちらも命懸けだろうし、この暗さと寒さでは布団から出る覚悟がなかなかつかない
じんわりと、オデコのあたりが痒くなってきたような感じがするぅ~
人生最大の決断をもってがバッと起き電気のヒモを引っ張り、蚊の影を障子や襖に探す…
ぶるっと寒気が背中にくるが、気合いを入れ直し、はっきりしない視力でとにかく蚊を探す
京壁に血をたっぷりと吸ったのか、蚊の腹が膨れています
この膨れ具合いなら、多少の寝ぼけまなこでも逃がす心配はなさそうだ
腰を屈め…いっ気に潰しちゃった
さすがに夏に見せたすばしっこさはなく、あっけない生涯でした
壁にはほぼ丸く赤い染みができ、真ん中には意外ときれいな形で、季節外れの蚊が張り付いていました
急に畳の冷たさが足から這い上がってきて、もそもそと布団の中にもぐり込みました。
じっと手をみたところで、暮らしなどちっとも良くはならないけれど、少しばかりの血が付いた右手を暗がりの中に透かしてみたら、蚊の影が浮いてくるようでした。
喰われてしまったオデコを掻いてみたら、ぷくっと刺されたあとが指先で分かります。
お前が残した最後の仕事なんだ。
叩いた掌の痺れた感覚が、今になって右手の付け根にまで「じん」ときました