夕方早めに湯船に浸かっていると、窓のすぐ下でコオロギの鳴き声が幾重にも重なって聞こえてきます
今日は「秋分・蟄虫戸を閉ざす(ちっちゅうとをとざす)」、蟻とキリギリスのように虫たちも巣篭もりに入る季節を指していると言うのに、まことに力強い鳴き声であります
昨日の「詐欺にあった!」で思い出したことがあります
あの昔話「鶴の恩返し」をパロディにした新作落語です
お聞きになった方もおられると思いますが、私は三遊亭円丈師匠のお弟子さん、だん丈さんで聞いたと記憶しています
昔…鶴を助けた若者がじぃさまになって、また罠に掛かっている鶴を助けたことから噺は始まります
じぃさまは助けた鶴を家に連れ帰り、休ませました
やけに静かなので障子を開けてみると、もぬけの殻…家財道具一切がなくなっていた
じぃさまは鶴だと思っていたのに、実は鶴を装っていたサギだった
懲りずにじぃさま、また鶴を助け、家に連れて帰りました
妙にその鶴が気に掛かったので、障子の隙間から覗いていると屋根伝いにピョンピョンと走って逃げて行った
じぃさまは鶴だと思っていたのに、実は鶴の皮を被ったトビだった
これが最後だと、じぃさまは、また鶴を助けて家に連れて帰りました
やけに隣りの部屋が騒々しいので、障子を開けて見てみると箪笥や火鉢をドンドン運び出している
じぃさまは鶴だと思っていたのに、実は鶴のマークに憧れていたペリカンだった
会場は笑いの渦を巻いていたと思われるでしょうが、妙に白けていた…これが本当の「シラサギ」だった・なぁ~んちゃって
『丹頂鶴』は、六十年近くも前から、国の特別天然記念物に指定されているそうです
大変、失礼をば致しました
さて、今日は少し改まっての食事会です。
住所は同じ雪ノ下なんですが、八幡様を挟んでのレストラン「ナチュール・エ・サンス」さんへ
清泉小学校に隣接している修道院の斜め前、テラス・ハウスをお店にしていますので大きな看板は出していません。
今、近くにお引越しの準備をなさっているとのことです
ここのオーナーシェフの方とは、鎌倉市農協連即売所(レンバイ)に出店している石井さん・おじぃちゃんが亡くなった、あの「お・いしいさん」とは違う石井さんの店頭で初めて話を交わしました
まだ野菜が台の上に並んでいない朝早く、箱の中に入っているトマトをどんどん選び出している様子を見て、食べ物屋さんだと、すぐにピンときました
ここの石井さんはハウス物のトマトにとても自信を持っていて、トマトは露地物という観念を覆す美味しいトマトを作っている、大変な勉強家・農家の若者です
その石井さんに紹介をされたのが、ナチュールのシェフでした
「ここのトマトはとにかく美味しいんです」と言うシェフのお勧めで、石井さん作るトマトのファンになりました
これは「オニオンのキッシュ」
玉ねぎの甘さがとろりとして、ワンホールごと出されても頂けちゃうほどの美味しさでした
今日のメニュー・いち押しの一品です
コースのメインはお肉か、お魚を選べます
私は本日の魚・カサゴのソテー・白バルサミコソースをチョィス。野菜がたっぷり食べ応えがあってお腹がふくれました
店内は女性客でいっぱいでした
鎌倉野菜を使ったメニューが人気のようです
あちこちのテーブルで、写メのカシャッと音がしていました
あっここのパン、とても美味しいんです
三個?いやいや四個は食べたかもしれません
蟻よりもキリギリスの生き方に傾いた、蟄虫でした