台風12号が北上し、鎌倉はこんな良いお天気に回復したのに、御成小学校の運動会は29日(水)に順延になりました
4年連続・紅白・学年別共にリレーの選手に選ばれた、我が町内のホープ勘太郎くんの体調管理と集中力維持を願って…
それにしてもこの陽射しは頭のテッペンに直接くるなぁ~
ソーラーパネルになったような気がする…充分、充電して残りの人生を充実したものにしよう
今日久しぶりに、兄と虎ノ門で待ち合わせをし、今は亡き・ふた親の墓参りを済ませ、そのまま別れればいいものを、「奢ってやるから一杯やろうぜ」の兄のひと言に、のこのこ蕎麦屋まで付いて来てしまった…この意志の弱さよ
「まっ喉を潤してちょうだい
年上の弟は相変わらず元気か
今日は神宮行ったか
」
「元気にしてるわ今日は「鎌倉春秋」の社長の講演会に行ってる
お兄ちゃん、かまぼこわさび、頼んでもいい
ここってたぬき蕎麦ってないんだよねぇ
」
室町・砂場は、きつねもカレー蕎麦も、ご飯物もない代わりに酒の肴に工夫があって、呑み助には堪えられない蕎麦屋です
私は鎌倉では知る人ぞ知る・大のかまぼこ好き
今度、産まれ代わるものの第一候補はオオカマキリのメスなんですが、それに失敗したら、かまぼこと決めているほど、かまぼこに憧れているんです…去年のブログでその辺の事は詳しく書きましたが、1年経った今も、目標はまったくブレることなく持ち続けています
「砂場」の蕎麦はもちろん蕎麦好きには外せない蕎麦屋の名店なんですが、月ごとに絵が変わるマッチにもコレクターをはじめ多くのファンがいます
この禁煙の時代、不景気の時代にあって、女将さん・止めるに止められないほどの期待が掛かっているマッチ箱なんですね
私が特に気に入っている絵柄が歌舞伎の「暫」…團十郎家の三升の紋が染め抜かれた柿色の素襖、その衣装越しに見える隈取の何んとも色っぽいこと
ぬる燗を注文し、ちょいと時間が掛かる「小田巻き蒸し」を頼んだら…
「まだそんなもん、好きなのか?茶碗蒸しにうどんが入った、そんな貧乏ったらしいの食べるなよぉそれは自分で払え
上に乗っかってる、薄~い松茸だけくれい
」
「どっちが貧乏ったらしいのよ」
「貧乏はするもんじゃぁない。味わうもんだって言ったのは志ん生だっけな?俺はもう味わい尽くしちゃったあれは尽くすと珍味だね
毎日、珍味食べてると、珍味は珍味でも、珍味じゃなくなる…うーん、深いよなぁ」
「何が言いたいのか分からん
お兄ちゃんこそが『珍味』なんだよ
」
「この『おかめの抜き』っての、酒の肴の宝庫だねホラ、おみえちゃんの好きなかまぼこがふた切れも入ってるぞ
」
おかめ蕎麦の蕎麦抜きを頼むと、おかめの顔に見立てた具材が乙な肴になるんです。湯葉、椎茸の含煮、かまぼこ、玉子焼きに三つ葉と、お猪口にお酒を注ぐ手元が怪しくなってきます
「お兄ちゃん私は兄と言う字に、おかめの『お』を付けて「お兄ちゃん」と呼んでるんだから、ちっとはしっかりして下さいよ
」
「俺だって『おみえちゃん』って「お」を付けてるじゃぁないかお前のは「おかちめんこ」の「お」だな」
私はこのあと、少~し酔いまして…兄にちょっぴり甘え、小さい頃の食べ物の恨み辛みを言ったようです
兄は腕組みをし、勝ち誇ったような困ったような顔をしておりましたが、私は甘える心地良さに、甘酸っぱい匂いのする想い出話にも酔っていたのかも知れません
駅の階段を下りていく兄の背中がだんだん小さくなっていきます
その甘酸っぱくも、ほろ苦い想い出・明日の夜、聞いて下さいますか?
秋の夜長…酒の肴には、ぜひ珍味を