公益財団法 動物環境 福祉協会Eva

 


*転載

[活動報告] 環境省面談

一昨日Evaは、環境省動物愛護管理室の長田室長と面談させていただきました。

先日の全国商工新聞の「ペット業界の声届いた」の記事について聞いたところ、環境省としては、色々な人の意見を聞くということで、これまで室長であったり担当者であったり、また大臣が直接お会いしたりしてましたが、これまで業界側は経過措置に対し強く求めていたというよりは、「これではやっていけない」との意見がほとんどで「経過措置を設けて欲しい」と言われたから設けた訳ではないとのことでした。
また5年の経過措置が必要と言っていた業者もいた中で、この記事のように「ペット業界の声届いた」と喜んでいるような記事はこのくらい。

今回経過措置の期間はあるが、何年何月には何頭と明確に決まったので、そこに向けて減らさなくてはいけないため、それは業者にとってかなり大きなこと。自治体にも今後数字が関わってくるので経過措置期間中においても、大幅に数字を超過している所には環境省からしっかり指導するよう言っていきます。
事業者が今まで言い逃れすることが多かったから、基準を明確にしていかなくてはいけなかった。一方で行政も数値基準がないから厳しい指導ができないと、それを言い訳にし面倒な指導や取消し処分などをやりたくないという所も恥ずかしながらあった。

経過措置は設けるけど、オーバーしている所には確実にそこに収めるよう守らせる。そうしないと取消しされるといったスタンスで進めてもらう。自治体も大変だがこのチャンスしかないし、明確な基準が定められたことでこの機会に腹を決めて運用しないと、真面目にやっている事業者が損をするという話しになる。
また一度取消しになった場合でも、取消しから2年間は、動物の不適正な飼養や保管により健康や安全が害されることを防ぐために必要な勧告ができるようになったことは改正の大きなポイントになる。

とのことでした。それに対し、当協会からは、

これまで多くの事例を環境省にお見せしてきたが、その際環境省からは、このような管理状態は、数値規制の問題以前に現行の施行規則で、そもそも営業はできないハズだと言われたことがありました。
例えば、施設の床が土で雨風が吹き込んでくるような掘っ立て小屋の繁殖施設は、施行規則第3条7の2の2「ねずみ、はえ、蚊、のみその他の衛生動物が侵入するおそれがある場合にあっては、その侵入を阻止できる構造であること」の飼養施設の構造と規模に関する基準の部分が引っかかってきます。
ですが、こういう事業者に対し、行政は取消しどころか漫然と指導を繰り返し改善は全くされてきませんでした。

他にも行政の対応について多くの情報が入ってます。
近隣住民から臭いの問題で保健所には苦情の常連の事業者
・保健所は苦情があれば出向くが、その後近所の方の話しを聞くも改善は全くされない
・保健所もセンターも指導には行ったがずっとあの有様
・行政自体、問題発覚時「明らかな虐待(ネグレクト)はなかった」と明言。

実際は「取消し後2年間は施設を監視する」どころか指導のままで終わりです。行政自体「私達はお願いして改善していただく立場ですので」と、取消していくというマインドは持っていません。上にあげていくのが面倒だしやりたくないから見なかったことにするという事例が多すぎます。
それでは現行の規則や今後の数値規制も全く意味がありません。単に指導を何10回繰り返すだけでなく、いつまでに改善できてないことが視認することが出来たのなら、その次のステップ「勧告」に必ずあげていって欲しい。現行で出来ることでさえ出来てないことに対し、今後どのように運用していくつもりですか?と質問させていただきました。

環境省からは、勧告や命令は、確かにこの5年でほとんど出されてないことは事実で、年間1、2件程度でした。やはりそこが肝なので、指導⇒勧告⇒命令、そして取消しまでのフローを作る予定です。
行政は不利益処分に対し慣れてないため、期限を定めこれこれこういうステップを踏んでいくということを、この6月までにやっていこうと思っています。
また、毛玉が出来ていることや爪が伸びていること、フンの固着なども状態基準違反なので6月からそういった劣悪事業者は、その部分も満たしてないということで状態基準もちゃんと使いなさいと行政に伝えます。とにかく使えるツールはあるのであとは覚悟を決めてもらいます。

とのことでした。
数値規制の員数に関しては、完全施行まで3年も先送りになりましたが、行政が覚悟を決め腹をくくったら、現在酷い管理を続ける劣悪事業者の多くが、ステップを踏みつつ改善しなければ確実に取消ししていくということ。それをはっきりお聞きできたので、今後劣悪事業者の行く末を見ていきたいと思います。

また全国商工新聞に書かれていた「これから3年間、業界として省令を守りながら、厳しい飼養管理規制の問題点を指摘し、省令の改善を求めたい」この内容にについても、ただでさえ緩い数値規制が、緩和されないようお願いしてまいりました。

引き続き声をあげ注視していきたいと思います。

*転載終わり

杉本エマさん(Eva)さんの活動に心から感謝いたします。、



[個人的見解]
昨年末の愛護部会で 環境省より最長3年の経過措置を講じると発表があったとき、こぞって 環境省は 業界に魂を売ったと非難したが、私はそうはとらえませんでした。

議事録
意見
報道の表題にだまされないために のちに発表される各会議の議事録を読むことをお勧めします。


ぜひ読んで欲しい
ダウンダウンダウン
私はかつて ブログにて 「くだばれ 環境省」と放ったことがあります。
しかしその後 視点をかえ「たのむよ 環境省」に気持ちがかわりました。

もともと チーム赤いりぼんSave  Animals は対立路線ではなく 対話による理解を促す対話路線を根幹に持って活動しています。
北風と太陽ならば太陽対応を目指しています。

幸運にも 2年前より前環境大臣におめにかかることができ かつ動物愛護管理室長の長田啓さんから何度かお話しも伺うことができました。
さらに 昨年は現環境大臣に陳情が叶い 環境省動物愛護管理室や広報室の真摯な姿勢を目の当たりにして信頼できると今も感じています。

その根拠は 長田室長になってからの流れの変化と 検討会で「命の話をしているのです(正確には"奴隷になった犬そして猫"を参照してください)」と発言されたからです。

次の根拠は私が実際に見て聞いた体験からそう信じるからです。

つまり、私はマスコミの煽った表現や脚色された表題に惑わされことなく 自分の経験したことによる自分の判断を尊重していきたいと思います。