「子犬工場 いのちが商品にされる場所」

非道な繁殖場の交配のためだけに生かされる犬や猫の存在を知り、繁殖犬レスキュー活動の人になんとかならないのか、どうしたら状況をかえられるかを尋ねた。

私が簡単に思いつくことはすでに全て行ったと言う。何度も何年も働きかけたと言う。
それでも愛玩動物を取り巻く状況は何も変えられないと言った。

時刻は零時をとっくにまわっていた。
それから空が白んでくるまで 社会を変えるにはどの道があるかと考えた。

薄々は知る悪辣なペット繁殖でも テレビの特集には見て見ぬ振りをしていた。

しかし、我が愛犬はいわゆるパピーミル出身。
インターネットの斡旋人を通して 航空貨物として 羽田の物流ゲートで犬が引き渡された。

そこにいたるまで、親犬を見たいから大阪まで行きたいと告げると頑なに拒まれた。
生後45日で母親から離すのは気の毒だから、せめて2ヶ月 できれば3ヶ月までは 養育費を払うから手元に置いほしいと頼んでもだめだった。
そして、愛犬は 母犬由来の免疫があるうち(45日)にと空輸されたのだった。

探しても探しても近隣ペットショップには求める犬種がいなかった。どうしてもそれにこだわり、やっと迎えた小さな犬の赤ちゃんは、100均のカゴに入れられ ベルトコンベアーから流れてきた。

えっ、子犬ってこんなに薄汚れているもの⁈というのが初見だった。
家族になった翌日から獣医通いで、命がもつかわからないとも言われた。この子は不潔な環境にいたようだ。母犬から感染した弱った子犬だと獣医は判断した。


そんな経緯からも子犬工場の本を知った時は このままでは絶対にいけないと思った。
政府や企業に問題提起しても何も変えられないなら、頂点を操作するのではなく、底辺である私たち消費者に訴えたらどうかと考えついた。

愛玩動物流通の最終地点は消費者だ。この消費者の意識を抜本的に変えたらいいんだ。需要がなければ供給は成り立たない。

どうやって 消費者の意識を変えるか、ペットショップの裏側を知らしめるか、、
赤い羽根運動やピンクリボンのようにシンボルを掲げて、決められた日に意思表示の運動して、世間に呼びかけることはできないか。


ペットショップの裏に存在する繁殖工場を成り立たたせなくする。
ペットショップからの生体の取引をしない。

保護犬 保護猫を家族の選択肢に入れる。
保護犬 保護猫の里親になる。

動物流通 繁殖工場業界に商売が成り立たないと廃業へと追い込む。

2017年 9月28日 から 誰にでもできる動物愛護啓発ボランティアを一人で発足した。

あれから多くの手を借りて、犬猫への思いを仲間とともに温めてきた。
それは 円満な時ばかりではなく 違えることも含めて傷つけたり苦渋を飲んだりして 小さな啓発活動を細々と続けて今に至る。


私たちは 繁殖工場はなくしたいけれど 犬や猫の尊厳を守るブリーダーさんには敬意を持って応援したいと考えている。